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長年流通、特に通販やコンタクトセンターを専門に取材活動を続けてきた実績より、市場動向や「顧客満足」に向けた企業の活動など事例を中心にお伝えしていきます。

JDM News.net   代表  流通ジャーナリスト 塩田信夫

【第19回】地元の専門クリニックや調剤薬局の集客を考える

2010年04月25日|トラックバック(0)

POINT

『口コミの効用を手法として捉える』
『有望視されるかかりつけ薬局』
 1.ファックスによる薬の宅配
 2.食生活のサポート
 3.情報誌の編集・発行
 4.名刺で挨拶
 5.チラシで告知
 6.お客同士のイベント参加

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■口コミの効用を手法として捉える
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このところ様々な業種・業態において、格付けランキングが大流行だ。
医療の世界でも例外ではない。総合病院や専門病院の格付けランキングは、利用する一般患者にとっては大事な健康、生命を預けるところだけに、関心は高いのは当然だろう。

こうした調査がどのような基準で評価されているのか、疑問視する向きもあるようだが、医療サービスの質の向上を願う観点から考えれば、利用する側の視点で病院、あるいは医療界の体質をチェックすることにもなり、重要なことでもある。

大きな総合病院とは異なり、もともと少人数の医療体制で臨む専門クリニックなどの経営の現場では、一般企業と同様に医療サービスという側面からマーケティングを取り入れているのか、あるいはそうした考え方を果たして意識しているのだろうか。

そこでクリニックの広告活動、広報活動について考えてみた。私たちの日頃の生活の中で、周辺を見回してみる。広告宣伝・広報手段は何かといえば、思いつくのは駅看板や電柱広告、電話帳、行政の広報誌程度であることに気がつく。

確かに医療界には広告規制があるようだが、だからほとんど何もできないというわけではない。不特定多数への派手な広告は確かに規制があるようだが、規制の中身を見てみると、常識的な判断で知恵を出せばいくらでも独自性のある広報活動は可能だ。

多くのクリニックが気になる口コミの効用についてもマーケティングという視点からその手法を整理、効果的な活用が考えられる。当然、多大な広告費用がかかるものではない。日頃の医療サービスの中で実行できる手法であり、低コストで簡便、即効性がある手法なのだ。

そんな折、先日、知人から調剤薬局の集客手法について相談を受けた。
知人によれば、大手チェーン店の多店舗展開、ドラッグストアの大型店化、多品種・他業種併用型店舗なと、地元薬局は競合の中、生き残りを賭け経営に頭を痛めているという。


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■有望視されるかかりつけ薬局
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一般の小売業と同様に、調剤薬局でもいかにして多くの患者を固定顧客として獲得するかが重要な課題だ。その戦略として小児専門、女性専門といった専門分野への特化、アロマテラピーなど調剤以外の付帯サービスを提供するなど差別化、またはドライブスルー型薬局、マッサージ機付・バリアフリーで"癒し系"をうたった薬局、大衆薬やお菓子なども提供するコンビニ型薬局なども考えられる。

そこで固定顧客を増やすうえで、他業種が実践しているサービスを導入できないだろうか考えてみたい。すべての商品がデフレ傾向に進む昨今ではあるが、消費者は必ずしも「価格の安さ」だけで購入先の店を選んでいるわけではない。薬の場合には特にそれが当てはまる。集客と言うより「かかりつけ薬局」というキーワードを重点に置き、できることからはじめることが大切だ。以下にあげたのはその実施例の一つである。


1.ファックスによる薬の宅配

調剤薬局が患者宅まで薬を配達する。既に「ファックス調剤」として薬の宅配サービスを展開する業者も出始めている。これは、患者(または家族)が、かかりつけ薬局に処方箋をファックスすると、調剤された薬を薬剤師または配達員が宅配して、処方箋と引き換えに薬を渡すという仕組み。

2.食生活のサポート

栄養面でのアドバイスをおこなう。生活習慣病などは病院、クリニックで栄養士による指導がある。薬に頼らず食事療法を積極的に取り入れているケースであり、これを薬局でもおこなう。

3.情報誌の編集・発行

わずか一枚の手書きの瓦版式通信文でもいい。健康や医療、ダイエットなど毎日の生活情報、とくに健康関連の情報を提供。コミュニケーションの活性化に加え、薬局からの情報発信の場、媒体である。

4.名刺で挨拶

名前と電話番号、何に力をいれているのかも含めわずかなスペースには限りがあるが、「何か薬や健康上のことで困ったらお電話下さい」の一言を付け加え、アピールする。経営者はときには営業マンである。時間外でどうしても薬(市販薬)が必要な時、名刺の電話番号に相談してくることもある。

5.チラシで告知

単に処方箋にそって薬を売るだけではない。漢方相談、ダイエット、食事療法、薬の宅配、サービスの差別化をアピール。チラシ持参の方には「5分でできる健康食レシピ」差し上げます。または、「プロが教える簡単ハウスクリーニングの技」差し上げます。または「困った時に相談できる地元ダイヤル110番」でも、見込み客を集めるきっかけをつくる。認知度を高める手段として考えるのだ。


6.お客同士のイベント参加

日帰りバス旅行の企画など。健康をキーワードに、温泉や美味しい野菜・果物巡り、酒どころ、米どころ、ときには健康をテーマにした講演付き旅行でもいい。医師や看護師参加のゴルフコンペ。ラウンドしながら健康談話を楽しみましょう、でもかまわない。

競合の中でのサービス面での差別化、他の薬局と異なるセールスポイントは、固定顧客を増やすための努力がさらに必要なことは確かなようだ。健康保険改正、薬価基準の改正もあって医薬分業が全国的に急速に進みつつある。こうした状況下における薬局経営は、合理化もさることながら発想の転換が重視される時代がやってきたといえよう。

 

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