【第18回】対象となる顧客のイメージを際立たせるのが通販
POINT
『女性下着の通販会社「ピーチ・ジョン」流カタログ作りとは』
『商品だけではなく価値観の提供に心がけよ』
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■女性下着の通販会社「ピーチ・ジョン」流カタログ作りとは
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部屋で酒を飲みながらのDVDの鑑賞は、私にとって週末や休日の楽しみ方の定番となっている。最近、よく見るのが米国の人気テレビシリーズだ。
今、はまっているのは「ナンバーズ」天才数学者の事件ファイルという作品である。兄貴がFBI捜査官、弟が天才数学者で大学の若きエリート教授でもある。毎回の難事件を数学の理論や法則、公式になぞらえて解決の糸口を導き出していくというのが、ストーリー展開のパターンである。
日常社会のすべてが数学と関係しているというコピーが、毎回必ずタイトルバックに出てくる。
毎回、なぜその現象が、あるいは行動が、心理が数学の公式で説明されるのか不思議であるが、主役の多少早口な説明と数式で次へ次へと展開していくのだ。
「男はとかくデータで語るもの」というわけではないが、男はとかくこういう作品が好きなのだ。
「データを基に販売戦略や商品企画はしない」という経営者は少なくないが、通販の女性社長のなかでこの手の発言で知られるのが「ピーチ・ジョン」の野口美佳社長である。年商約200億円の女性下着通販の創業社長である野口氏は、
「大手広告代理店などが準備したデータはあくまでも参考、女の視点からこのデータ(分析や調査)を論破するのは簡単」
と言い切る。野口社長に言わせれば
「女性の消費者は欲しければ買う、欲しくなければ買わない、それが女です」
となる。
同社のカタログを見て下着を購入する顧客を、イメージで捉えるビジュアル製作が、通常の通販カタログとは一線を画している。ターゲットである女性がどのような仕事をしていて、どのような部屋に住み、どんな音楽を聴き、雑誌を読んでいるのかなど様々なスタイルを数値化したデータではなく、イメージで把握できるかを優先させる。自分たちのリピーターとなる「女の子像」を追及していく作業は、やはり女性ならではの感性の成せる業なのかもしれない。
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■商品だけではなく価値観の提供に心がけよ
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ピーチ・ジョンのポジショニングはどこにあるのか。野口氏の持論でもあるが、
「商品は商品でも単なる商品ではない。価値観を売ってきた。元気とハッピー、そしてセクシーという価値観を届けてきた」
という。カタログは自社で制作し、書店でも売る。専門店もある。つまり、通販会社であり出版会社であり、小売業なのだ。また、若い女性に独自のライフスタイルを提言するマーケティング会社でもあるのだ。顧客は10代後半からから20代後半の若い女の子と徹底している。
若い世代に支持される下着の通販会社は、たえず主張する会社なのだ。
今回紹介したピーチ・ジョンの独自性は、10代後半から20代後半の若い女性を対象にした「セクシーで可愛い」下着へのこだわりである。消費者、特に若い女性にとって一番信用できるメディアは口コミである。同社のカタログは商品だけではなく、口コミになりやすい表現やコピーがさらに商品を際立たせている。
通販事業はその気になれば誰でも簡単にスタートできる、と言っても過言ではない。複数存在する宣伝媒体、整備された物流システム、代金回収も様々な選択肢を提供できる、といった環境があるからだ。かといって誰でもピーチ・ジョンのような会社を作れるかと言えば話は別だ。
視点を変えれば、事業環境はさほど変わらないが、誰に何を伝えるかといったメッセージ性の欠如した通販では長くは続かないということだけは明らかである。
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