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【第17回】ネット普及でさらに買い手主導の時代へ

2010年02月22日|コメント(0)トラックバック(0)

POINT

『ネット普及でさらに買い手主導の時代へ』
『様々な商品情報がネット上で比較されている』
『低価格路線に巻き込まれるな』

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■ネット普及でさらに買い手主導の時代へ
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司馬遼太郎の小説に「坂の上の雲」がある。登場人物の一人に明治海軍の名参謀秋山真之がいる。戦略戦術の天才と言われた彼の発想法について、こう書いている。

秋山の発想法は、「物事の要点は何かということを考え、過去のあらゆる型を見たり聞いたり調べること」とある。かれの海軍兵学校の試験は、すべてこの方法で通過したという。

小説から引用すれば、「教えられた多くの事項をひとわたり調べ、ついでその重要度の順序を考え、さらにそれに出題教官の出題癖を加味し、あまり重要でないか、もしくは不必要な事項は大胆にきりすてた。精力と時間を要点にそそいだ」という。

過去5年間の海軍兵学校の試験の問題集まで作ったという。過去問は大事という点では、今も昔も受験生の立場で考えれば同じだ。しかし、彼のすごいのは試験のために過去問対策をしただけではない。軍人として当然のことながら、欧米列強の戦術を見て、聞いて、調べ、情報を集めた。中国やアメリカでの駐在武官時代、それらを基に詳細なレポートを書いたことだ。そのために死に物狂いで多くの関連書籍や海陸戦史の論文に目を通し、場合によってはその著者、研究家に会って話を聞いたという。


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■様々な商品情報がネット上で比較されている
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唐突に「坂の上の雲」の話ではじまったが、要は発想法の話だ。

秋山の場合、過去の様々な事象を基に作戦を組み立てる際の参考データとした話だが、現代のマーケティングでは過去のデータをどのように生かせばいいのだろうか。全く次元の異なる話と言えなくもないが。

インターネットの普及に伴い、顧客とのリレーションシップの構築についてどのような変化があるのか。多くの消費者は商品ごと、あるいは1回ごとに購入先(取引先)を選ぶ傾向にある。ネット上で容易に価格比較が可能となり、特定の企業(ショップ)をひいきにするという意識は薄れつつあるのは事実だ。

買い手市場、買い手主導の時代になっているなか、ネットを単にメディア、ツールとしか見ない企業は生き残れない。商品や製品、企業に関する情報に簡単にアクセスすることができる時代だ。消費者同士の情報交換も盛んに行われている。商品に対する認知から購入までの消費者行動にも変化が現れている。店舗、通販に関わらず、ブランドや価格、品質、サービスなどの情報はネット上に行き交っている。


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■低価格路線に巻き込まれるな
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こうしたなかシステムや商品での差別化から、さらに販売する側に望まれているのは何か。例えば徹底して顧客とのリレーションシップを目指すなら販売業からサービス業の視点で企業体質の改善も必要となろう。また顧客からの信頼を得たいととなれば、企業の透明性や公開性を重視する企業風土の浸透に心がけることだ。要はこれらのことをどのように顧客や市場にアピールしていくのかという発想の転換が重要である。

今の市場のキーワードは、グローバリゼーションと業種業態を超えての競合激化、インターネットの普及などである。これらのすべての要因が価格引下げへとつながる。その対応策は、今更ながらターゲット市場の絞り込みと差別化、ブランディングなどの強化でしか見出せない。

例えばターゲットとなる市場のニーズを満たし、利益を上げるのが販売戦略だが、逆の発想で言えば満たされないニーズをいかに探り当てていくのか、となる。また消費者は価格だけでなく価値にも敏感だ。機能やスタイル、付加価値などの面で差別化を図る上での演出が十分か視点、発想を変えて自らのブランディングを考えなければならない時代に来ているといえよう。

 

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