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長年流通、特に通販やコンタクトセンターを専門に取材活動を続けてきた実績より、市場動向や「顧客満足」に向けた企業の活動など事例を中心にお伝えしていきます。

JDM News.net   代表  流通ジャーナリスト 塩田信夫

【第10回】通販にも新たな業態改革、意識改革が必要だ

【第11回】健康食品通販にみる成功要因とは?

2009年07月27日|コメント(0)トラックバック(0)

POINT

『継続顧客の維持には限界がある? 』
『コストと顧客獲得のバランスのなかで』
『顧客の声が最大の武器』

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■継続顧客の維持には限界がある?
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 民主党の鳩山由紀夫代表が今月23日、衆院解散後初めてとなる街頭演説を埼玉県内で行った。75歳以上が対象の後期高齢者医療制度を「官僚に任せきった政治が堕落した結果」と批判した。政権交代後に「いち早く廃止する」と断言し、集まった多くの中高齢者の喝采を浴びた。

 この制度の本質はさておいて、米国での医療保険の実情がテレビで紹介されていた。米国では医療保険に入っていない、いわゆる無保険者が約5,000万人ともいわれている。こうした実態を聞くと皆保険制度の日本で生活する我々は恵まれていると実感する。

 米国で医療格差が容認されたままというなら、その背景にあるのは何なのか疑問があった。たまたま読んだ新聞記事にこんな話が紹介されていた。

 「米国社会では幸福を追求する権利は保障するが、その結果は保証するものではないという考え方が支配的だ」というものだ。さらに取材記者が補足して説明している。「欲しいものを誰もが一律に手に入れられる仕組みを国が用意する必要がない」加えて「機会の平等は保障されても結果の平等は保障されない、と聞いていたがこうした考えか医療にまで及んでいるのか」というものだ。

 そのせいか米国では日本以上に予防医学に積極的だ。健康食品についても認可されたものについてはある程度の効能効果をうたうことは認められている。そのためか日本での健康食品市場の更なる拡大を期待する業界内では、相変わらずこの手の市場緩和は外圧に頼る以外に方法がないのかという声もある。


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■コストと顧客獲得のバランスのなかで
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 ずいぶんまえおきが長くなったが、今回は健康食品の話である。今話題の単品通販のヒット商品は健康食品である。各社、コストと顧客獲得のバランスの中でそれぞれに成功要因を求めている。「単品リピート通販」とも言われているが、ビジネスの基盤を構築するまで大変なリスクが伴うビジネスでもある。

 ある大手通販企業に、健康食品で伸びた企業がある。売上げ確保のための一つの事例として紹介するが、多くの通販企業が抱えている命題でもあろう。このA社の場合、購入を促す手法として採用しているのが、定期購入システムである。毎月自動的に顧客に商品を送り届けるというもの。毎月1本から3本までなど、購入する数量で割引となる。

 顧客にすれば「継続して飲むから効果が出る」「どうせ継続して注文するなら毎月商品がなくなる頃に送ってもらえば煩わしくない」「代金はそのつど払えばいい」となる。顧客の心理をつかんだシステムだが、顧客が自分で中止を連絡しない限り商品が送り届けられる。

 その間、電話による使用感アンケートや新商品紹介など電話があり、継続することを促される。この仕組みとコールセンターの役割が儲けの要でもある。

 例え何十万人の会員がいたとしても実際の稼働率は低い。売上げ拡大を図るなら積極的な広告宣伝活動が不可欠、機会をみては利用促進のためのアウトバウンドも重要だ。健康食品の通販利用者は自分の健康維持、健康促進に関心が高いため移り気でもある

 ほかに効果が期待できそうな商品が出れば、そっちへ行く。企業は新規購入者との入れ替わりの中で、利益確保に頭を痛めているのが実態だ。そのための販売手法が定期購入システムだ。

 また、直接お客と接する機会がない通販企業にとって、いかに自社をPR、アピールするかが重要。商品の信頼、企業への信頼、顧客のファン化を進める上でも有形無形のイメージ戦略をとっている

 A社が各種ボランティア活動や、福祉活動、文化セミナーなどに積極的に実施しているのもそんな理由からである。顧客の共感を得る上では重要な企業活動でもあると位置付けている。

 一度つかんだ顧客を「贔屓客」に高め、顧客のロイヤル化と言うが、実際はつなぎとめるための継続的な販促企画がどこまで功を奏するかにかかってくる。定期的なDM発送に始まって季刊、月刊の会報誌の発送もその一つ。さらにはスリーパー客の再活性化のための販促企画などだ。


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■顧客の声が最大の武器
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 一つ忘れてならないのは、満足して購入し続けてくれる顧客の声が最大の販促の力となるということだ。どんなに企業が商品の良さを紹介しても企業のイメージ戦略にコストをかけても実際に購入して満足した顧客の実績がない限り、意味がない。見込み客はすでに利用して満足している多くの顧客の声が知りたいのだ。

 実はA社が最も力を入れているのが、この顧客層とのコミュニケーション作りである。商品の「語り手」として、信頼されるのは長年継続して利用している顧客なのだ。

 商品を顕在的・潜在的に欲している人たちを特定して呼び寄せる、つまり購入してみたい気持ちを起こさせるタイトルやコピーは重要な鍵であるが、説得力があるのは顧客の声なのだ。

 ある有名な通販企業のトップが言った言葉がある。

売る人と買う人の関係よりも、使っている人と買う人の関係のほうがはるかに近い」と。

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