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長年流通、特に通販やコンタクトセンターを専門に取材活動を続けてきた実績より、市場動向や「顧客満足」に向けた企業の活動など事例を中心にお伝えしていきます。

JDM News.net   代表  流通ジャーナリスト 塩田信夫

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【第10回】通販にも新たな業態改革、意識改革が必要だ

2009年06月29日|コメント(0)トラックバック(0)

POINT

『流通業界の破壊と創造の急先鋒となるか』
『次世代に向けた通販の業態改革を進めよう』

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■流通業界の破壊と創造の急先鋒となるか
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かつてはスーパーが競合相手の時代があった。

今から約50年ほど前の話だ。スーパーのダイエーが神戸・三宮で徹底した安売りで話題を呼んだ。「見るのは大丸、買うのはダイエーで」とは、当時、ダイエー創業者の中内功氏の言葉だ。

スーパーダイエーの安売り攻勢が、百貨店大丸を震撼させたといわれる。それほどの破壊力と想像力があったのだ。新たな流通企業、新たな流通業態の誕生の瞬間とはそうしたものだ。

この話の引き合いに出すのは、いささか恐縮するが、こんな言葉を今から10数年前に聞いたことがある。
「見るのはイトーヨーカ堂、買うのは通販のBだ」と。
今や株式上場通販会社の1社として成長したB社の社長から出た言葉だ。

 B社の本社のある駅前にも大手スーパーチェーンのイトーヨーカ堂がある。
「百貨店の商品には手が届かないが、スーパーの商品なら手が届く。同様の商品でもさらに安い通販なら数着買ってもらえる」
というのが、当時、同社の販売戦略の要であったのだ。

また、日本でも通販が二桁成長し、ほかの流通業の伸び率を圧倒していた頃である。大手通販企業は、通販の利便性を知った顧客を自社に囲い込もうと、大量にカタログを製作し、ばら撒いた時代である。
 
不毛のばら撒き合戦でもあった。顧客を取り込もうと通販各社が競い合った。
しかし、同社の競合はスーパーであり、商品企画の見本がすぐそこにあるというわけである。

スーパーの売れ筋商品を大量の折込チラシで売りまくった。スーパーでよく見る商品が少し安く販売されている。しかも毎月1,000円からでも買える自社割賦販売が功を奏した。

9,900円の商品が毎月1,000円の分割で購入できる、100,000円分のの商品なら毎月10,000円の支払いで済むというわけだ。客の購買意欲を刺激する販売戦略でもあった。

客は割賦を利用する間は、利息を払いながら同社の顧客として囲い込めるというわけである。同社長は「スーパーのバーゲン品でも安いからといって大量に買い漁るのは恥ずかしい。人の目が気になるからだ。通販なら人の目を気にせず、買い込むことができる。人目をはばかる商品でも買える。それが通販の魅力」と言い切った。

以来、同社は30から40代後半の主婦層の割安感を満足させていく商品企画と自社割賦、そしてキャッシングという金融商品で大きく成長してきたのだ。スーパーで扱う商品(企画)が、少しでも低価格なら必ず売れると踏んだのである。


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■次世代に向けた通販の業態改革を進めよう
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少しばかり前段が長くなってしまった。例にあげた通販会社の成長話ではない。かつて商品のショールーム代わりと揶揄されたスーパーが、電機製品や衣料品専門店に攻められ売上げが低迷している。スーパー自体も危機感を持ち、業態改革への新たな舵取りを迫られている。

ひるがえって通販はどうか。百貨店やスーパーと比較して値頃感があり、同様のファッション衣料がそろっているというだけでは、業態の独自性や優位性を保つには弱い。当然、次世代の通販という業態を見据えた企業改革が各社で行われている。

これまで実用衣料品や雑貨、ファッション衣料を中心に通販企業としてのブランディングを進めてきた企業は、媒体や生産メーカーとの提携やタイアップ、様々なコラボレーションに積極的だ。

反面、利益優先、売上げ至上主義を経営のモラルとしてきた大手通販会社の中には、売上げ構成比率から商品販売の比率が落ちてそれ以外の収益、つまり金融商品や不動産での上がりが売上げ構成比率で占めているという。

危惧するのは、こうした企業体質の中で厳格なモノ作りや適切な消費者サービス、クレーム対応を望めるのかである。今後、通販市場にも新たな成長の波がやってくる。市場の拡大が加速していく中で、新たな顧客意識や市場性を読み解く上での業態改革、意識改革が急務と言える。

 

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