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長年流通、特に通販やコンタクトセンターを専門に取材活動を続けてきた実績より、市場動向や「顧客満足」に向けた企業の活動など事例を中心にお伝えしていきます。

JDM News.net   代表  流通ジャーナリスト 塩田信夫

【第3回】リピート商品を儲けの柱にする

【第4回】明太子のふくやの顧客志向経営とは

2008年12月22日|コメント(0)トラックバック(0)

POINT

『県外へ出店せず、博多名物にこだわる』
『わずか15坪の食品店からスタート』
『2台の電話と2人オペレータでスタート』

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■県外へ出店せず、博多名物にこだわる
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今回から明太子(めんたいこ)のふくや(本社・福岡市博多区)のお話です。
今でこそめんたいこは惣菜として定番の食材であり、スーパーの惣菜売りでも人気商品のひとつです。

そのルーツが九州の博多にあることも良く知られています。しかし、「明太子の元祖」がふくやであり、同社が明太子業界の最大手であることはあまり知られていないようです。

福岡の土産物の定番ともなっている明太子がどのように生まれ、今日の市場規模に成長してきたのか、そしてふくやの通販事業の成長物語の一端を紹介したいと思います。

そこには今では当たり前の食品、特産品など単品通販の成功のポイント、顧客志向経営の原点を見ることができます。
そこでふくやに関する問題です。3択問題ですから簡単です。

次の3つの中から間違っている答えをひとつ選んでください。

(1)ふくやは直営店を中心に全国有名デパートでも販売している。
(2)年間売り上げ約180億円のうち約5割は通販での売上である。
(3)DMでのレスポンス率は平均20%を超えている


答えは(1)です。

ふくやは創業当時から直販にこだわってきました。
博多の百貨店の一部でふくやの商品を置いてある店があるようですが、直営店による直販と通販事業がビジネスの柱です。

県外に直営店がないかといいますと、実は2店あります。モノレール浜松町駅ホームと羽田空港内の2店舗です。この店は福岡からの帰京客のお土産の買い忘れのためのお店だそうです。


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■わずか15坪の食品店からスタート
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今でこそ売上規模180億円の九州を代表する企業に成長したふくやですが、戦後、博多に引き揚げてきた創業者川原俊夫氏とその妻千鶴子氏によって始めた昭和23年当時は、わずか15坪の小さな食料品店だったといいます。

夫婦が生まれ育った釜山で慣れ親しみ、味わってきた朝鮮料理をヒントに開発した新商品が明太子だったのです。唐辛子を混ぜた独自の調味料にたらこを漬け込んだ惣菜ですが、完成まではずいぶん試行錯誤を重ねたと言われます。

当時は生でたらこを食べる習慣もなく、惣菜として認知されるまではずいぶん時間がかかったようです。それが徐々にお客の口コミによって博多名物の明太子の名が知れ渡ったと言います。

博多名物「明太子」が全国にその名が広まるきっかけは、昭和50年の山陽新幹線の博多への乗り入れでした。博多からの帰京客のお土産として全国に広まり、売上げが一気に伸びたのもこの時期です。

売上高の推移を見ますと、昭和40年度が2億5,000万円ですが、50年には5億9,900万円、翌51年には8億9,900万円と伸びていきます。
さらに10年後の61年には80億円と10倍もの急成長を遂げたのです。

昭和45年に航空便による全国配送を開始しますが、以前から全国のリピーターから「明太子を買いたい」「商品を送ってもらえないか」と、そうしたお問合わせが殺到していました。

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■2台の電話と2人オペレータでスタート
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販売手段として通販を始めざるを得ない状況があったのです。全国のリピーターの声に対応するための販売手段として、通販が本格的にスタートしたのは昭和60年です。当時、食材それも生ものの通販を行っている企業はほとんどなかった時代でもあります。

通販事業として立ち上げた当初は、電話2台とオペレーター2人でコールセンターとも呼べない環境の中、注文を受け付けていましたが、予想以上の注文にさばききれず現場は大混乱したといいます。

ここでふくやの企業理念といいますか、顧客志向経営について話を戻します。
同社は福岡でスタートした企業、博多で育ててもらった商品という思い入れは強く、地元に貢献できる企業でありたいということも企業理念の柱になっています。

それゆえ博多の名物「明太子」ということで、県外への出店はせず直販にこだわってきました。結果的に福岡でしか買えない名物というブランド化を実現したのです。

地元でしか手に入りにくい特産品の残された販売手法は通販です。

次回は通販事業を立ち上げた同社の顧客管理やリスト管理、地域密着型の企業風土などについてお話したいと思います。

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