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長年流通、特に通販やコンタクトセンターを専門に取材活動を続けてきた実績より、市場動向や「顧客満足」に向けた企業の活動など事例を中心にお伝えしていきます。

JDM News.net   代表  流通ジャーナリスト 塩田信夫

【第1回】カタログハウス「通販生活」に学ぶ商品企画力

【第2回】毎号100万部発行の会員制情報誌の人気の裏側とは

2008年10月27日|コメント(0)トラックバック(0)

POINT

『売り手の主義・主張に共感し、購読者となる』
『「購入後サービス」を企業ポリシーに』
『購買履歴をサービスと販促に活用』

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■売り手の主義・主張に共感し、購読者となる
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同じような商品を取り扱っているようで、商品の企画・開発の考え方や顧客サービスの捉え方は企業によって様々である。売り手の顔がなかなか見えにくいとされている通販の場合、どのように企業イメージ、個性を出しているのか。「通販生活」でおなじみのカタログハウスをひとつの事例として取り上げてみたい。

具体的なアピールとしては、媒体を通じて行うのが一般的だ。カタログハウスの会員制情報誌「通販生活」には、毎回100点余りの商品が掲載されている。
原則としてひとつのカテゴリーに一商品である。同社の開発担当者が消費者(読者)に代わってひとつの商品を選ぶ、いわゆる推薦するという見せ方に徹している。

同誌ではその商品に関する情報がこと細かく利用者の立場に立って説明されている。当然、マイナス情報も同様に紹介される。毎号100万人以上の顧客へ第三種郵便で配送される商品情報誌は、知る人ぞ知る隠れたベストセラー情報誌であり、生活情報誌でもある。その人気の秘密は、ページの半分以上占める読み物ページからも見て取れる。

この編集ページにカタログハウスならではの個性が出ている。扱うテーマは経済、政治、世相、文化ありとあらゆるものが企画のテーマとなる。原発や環境、医療、政治などビジネス誌や経済誌で扱うようなハードなテーマを一般の生活者の目線に合わせて、分かりやすく解説し、時には主張している。

好き嫌いがあって当然の編集も平気でするところがカタログハウスらしいところだ。この頑固な編集方針も同社の個性というか、主義・主張なのだろう。


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■「購入後サービス」を企業ポリシーに
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「売り手の主義・主張といえば、同社の顧客志向の政策のひとつに「購入後サービス」という考え方がある。通販の場合、この購入履歴は貴重な顧客情報であり、通販ビジネスを継続していく上では、欠かせない財産である。

この顧客情報をどう活用していくか、通販企業の腕の見せ所でもある。「安かろう、悪かろう」の商品なら別だが、自信をもって販売した商品の満足度で企業間の格差が問われるところだ。

特に通販の場合、購入後のフォローなどで満足感をどこまで追及していくのかで差が出てくる。3年、5年、あるいはそれ以上の期間で使用されることを前提に販売された商品のフォロー、例えば備品の交換、修理、廃棄処理、中古品となった場合の買取りなど、あとあとまでのサービスに目を向けたのが「購入後サービス」の捉え方である。

カタログハウスでは、この購入後サービスを同社の企業ポリシーとして定着させ、社内で組織的にシステム化している。この対応ノウハウは他の通販でも可能なはずだが、あまり見られない。こうした顧客履歴やそのほかの顧客データーは、更なる商品購入に向けた販促データーとしての活用でしか生かされていないのが実情だ。

当然と言えば当然だが、新規購入履歴を追い求めていく手法は通販にとっては当たり前である。しかし、その一方でリピーターとしての顧客層とどのように接して、関係を維持していくかをマーケティングの重要な視点で考えていくことも大切だ。

通販にとっては顧客との継続的な関係作りをどのタイミングで、どのようなサービスで維持していくかが、勝敗の分かれ目でもある。

同社の商品は、他の通販会社と比べ商品単価が割高と言う声もある。特性や機能、デザインあるいは希少価値性といった側面をみると、日常的、恒常的に道具としての商品をより確かな専門的な視点で選んだものを提供するという考え方を取り入れ、商品化するとそうなるのだろう。

そのため「道具」として長く使い込んだ商品を買い取り、新たに1年間の修理保証を付けて中古販売する仕組みもある。さらには、「購入後割引」という制度もある。

あまり市販されていない、見つけにくい商品が通販ならではの定番商品と言える。それゆえ価格はある程度一定である。しかし、それがヒットした場合、結果として量産し、商品価格の値下げが可能となることもある。

その場合、過去にさかのぼって値引きするというもの。例えば、3,000円以上の値引きの場合、金額の3割を次回購入時に値引きするという仕組である。こうしたサービスも他の通販会社には見られない同社独自のものである。


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■購買履歴をサービスと販促に活用
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同社の購入後満足の追求について、もう一つ例をあげよう。同社では耐久消費財に限り、何年かおきにメンテナンスやクリーニングの案内を送っている。小売業のほとんどが一度売った後の商品についてこれほどのフォローをしている例はないだろう。

これも通販ならではの強みを生かしたサービスではある。つまり商品の購入履歴を利用しているのだ。例えば同社のロングセラー商品「メディカル枕」は、毎日使うものである。日用品であるため7年ぐらいで交換の時期がくる。

この商品はウレタンでできているので、燃えるゴミとして捨てると有害ガスを発生する可能性があるという。

同社はそのため7年後に購入者にDMを送り、再購入を勧めるが、購入したお客には着払いで古い枕を返送してもらい、回収しているのだ。反応は意外と良くて年間約5,000人ほどが、再購買に応じると言う。

売りっぱなしにせず、顧客の購買履歴をいかに利用し、サービスと販促に活用していくか、通販ならではの顧客志向の販売戦略を示す事例と言えよう。既存の顧客へのサービスは一種の投資である。新規顧客を開拓するための経費も必要だが、顧客との関係性を深める政策も重要であろう。

 

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