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長年流通、特に通販やコンタクトセンターを専門に取材活動を続けてきた実績より、市場動向や「顧客満足」に向けた企業の活動など事例を中心にお伝えしていきます。

JDM News.net   代表  流通ジャーナリスト 塩田信夫

【第1回】カタログハウス「通販生活」に学ぶ商品企画力

2008年09月29日|コメント(0)トラックバック(0)

POINT

『はじめに』
『ワンカテゴリー・ワンアイテム主義をつらぬく』
『ヒットセラーよりロングセラー』

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■はじめに
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通販各社のノウハウに触れたいけど、そうおいそれとは教えてもらえないだろう。

メーカーや小売業など様々な業種・業界も通販事業に関心があり、そういったノウハウを吸収しようと企業の担当者は必死である。個人経営や中小企業、産直通販などスタートしたばかりの会社ならなおさらだ。

私もよく質問されるが、そんなとき決まって話すのがカタログハウスやファンケル(化粧品)、山田養蜂場(ロイヤルゼリーの)、ふくや(明太子の)の成功物語である。

今回からカタログハウスとふくやを取り上げてみたい。両社のこれまでの商品戦略や顧客志向経営には、なるほどと目からうろこの様々な発見や工夫が見て取れる。


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■ワンカテゴリー・ワンアイテム主義をつらぬく
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カタログハウスのカタログは、「通販生活」と「ピカイチ辞典」の2誌。
「通販生活」は年4回、毎号150万部発行。「ピカイチ辞典」は年1回、190万部の発行である。いずれも有料で「通販生活」は180円、「ピカイチ辞典」は580円だ。

同社のカタログの特徴の一つが、掲載商品点数が100点程度とあまり多くないことだ。一つのカテゴリー当たり何点も出すのではなく、一つの商品に絞り込んで紹介する手法を取っている。一つの商品を「徹底的に研究、検査し推奨する」という考え方にある。

通販は業態だが、業種としては小売業だ。小売業の役割は消費者にとって有益と思われる商品、便利な商品、楽しい商品、健康にいい商品、美味しい商品をお客に、あるいは顧客に提供することにある。

かといって同じカテゴリーの商品を何十種類も並べ、その中から選んで買ってください、ではお客も自らの商品情報の中からひとつの商品を決めるのは大変だ。迷ってしまう。それこそ購入の機会損失につながりかねない。

カタログハウスの場合、一つのカテゴリーにつき1商品が原則だ。消費者(顧客)の代わりに同社が選ぶという立場をとっている。そのためのプロ、商品の専門家としての立場で選ぶのだから、商品が決定されるまでのハードルは結構高い。


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■ヒットセラーよりロングセラー
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手元に2年分の「通販生活」(夏号)がある。各誌の掲載商品の点数は、前年が101点、翌年が106点とほぼ同数だ。同じ夏号だが、前年と同じ商品点数は45点だ。

商品のネーミングが変わっているかもしれないが、約半数の商品が翌年の号にも掲載されているのだ。いわゆる夏の売れ筋定番でもあるわけだが、売れるからと言って毎回カタログに掲載するわけではない。

同社の売れ筋商品は10年、15年、またはそれ以上の年数で売れている商品がある。代表的な売れ筋でもある「メディカル枕」の場合、掲載回数は年に2回程度。同じ原稿(広告コピー)、写真を使わない。マンネリにならないよう意識的に掲載回数を少なくし、原稿も毎回変えているのだ。

最初の販売は1992年だ。80年にイタリアの整形外科の専門家が設計した枕で、当時は病院の入院患者用に採用された商品だという。

通販での販売価格は13,440円(税込み)。枕としては高いかもしれない。どのくらい売れたといえば、なんと販売開始して10年で70万個売れたそうだ。さらには「通販生活」の人気商品として94年から連続1位という売れ筋商品に育った。

カタログハウスはよほど自信があったのか、「2週間使って不満なら返品も可能」と。
寝具では珍しい「返品」も受け付けたのだ。

参考になるのは、カタログ(「通販生活」)での広告コピーの作り方にある。
この枕を購入して本当に満足している顧客が自分の経験を紹介しているのだ。

枕の特徴を説明するにしても使用者ならではの感想で構成されているコピーのほうが、はるかに説得力がある。

新しい商品情報は、購入者が教えてくれる。通販の特徴であり、利点が購入者リストであり、購入履歴のはず。こうした情報を積極的に使わない手はないというわけだ。

利用者が登場し推奨する通販広告は、今ではよくある通販のノウハウかもしれないが、ここのやり方や表現手法はまったくちがう。

「通販生活」の商品は、こうしたロングセラー商品が多い。毎回新しい商品を探し、売り方を工夫するのもいいが、こうした定番商品ならぬ、継続商品を育てるほうが通販向け商品として売上げも利益も上がるのだ。

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