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JDM News.net   代表  流通ジャーナリスト 塩田信夫

【第65回】広告も勧誘扱い?消費者契約法の改正案に疑問の声

2015年11月27日|トラックバック(0)

POINT

『広告の扱いに関する消費者契約法の改正案』
『改正にはさらに議論が必要』

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■広告の扱いに関する消費者契約法の改正案
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 9月に消費者委員会における、消費者契約法専門調査会が消費者契約法改正に向けた「中間報告」を取りまとめた。
事務局の報告によれば、情報通信技術の発達や高齢化の進展をはじめとした社会経済状況などの観点から、契約締結までの過程及び契約条項の内容にかかる規律などの在り方を検討するというもの。

 中でも論議を呼んでいるのは、広告の扱いである。中間報告に要約された内容から引用すれば、「勧誘」の用件のあり方である。
一言で言えば、それまで規制の対象外だった広告が契約の取り消しの対象となるかもしれないということだ。

  つまり、広告が「勧誘」に含まれるとする議論が進んでいるというものだ。不適切な勧誘の「範囲の拡大」である。
インターネット取引の普及などを背景に消費者が誤認に基づいた契約を取り消しやすくするのが狙いである。消費者保護の観点から、さらに踏み込んだ規制といえる。

 ならば「勧誘」の概念とは何か。

  中間取りまとめにおける「主な論点」から引用すれば、「消費者の契約締結の意思の形成に影響を与える程度の勧め方」とある。
不特定多数向けのものなど、テレビ広告やチラシは含まれない。客観的にみて特定の消費者に働きかけ、個別の契約締結の意思の形成に直接に影響を与えているとは考えられないからだ。これまでは広告は勧誘に含まれないとされているのだ。


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■改正にはさらに議論が必要
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  しかし、今回問題の所在として、情報通信の発達、とりわけインターネットの普及などの影響を受け、情報の発信や収集の方法、契約締結の方法が多様化したことにより、不特定のものに向けた広告などを見て契約することも多くなり、なかにはこれによるトラブルに至った事例も見られるとのこと。

  仮に広告が勧誘と見なされた場合、広告に不利益事実をより詳しく記載しないといけなくなる。しかもどのような広告が勧誘の規制対象になるのか、具体的な説明がない。

  事業者団体も「ほかの法令との整合性や実務に与える影響をまったく考慮していない」としている。
ネット社会といわれる今日において様々なメディアを通じて情報を集め、商品を購入している。様々な選択肢を含んでいるのである。

  消費者が「広告に書いていない」という理由だけで、返品や商品の交換を要求する事態が頻発しかねないのだ。
ほかの法令の表示(広告の)規制との整合性も問われる。勧誘規制と広告規制を同一視して同じ規制をかけるのもいかがなものか。
より具体的な問題の所在を明らかにした上での改正案でなければ、規制強化に反発する声はさらに強まるだろう。

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