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長年流通、特に通販やコンタクトセンターを専門に取材活動を続けてきた実績より、市場動向や「顧客満足」に向けた企業の活動など事例を中心にお伝えしていきます。

JDM News.net   代表  流通ジャーナリスト 塩田信夫

【第64回】行列のできる店にみる価値基準とは

2015年09月28日|トラックバック(0)

POINT

『マーケティングの世界における個人の価値基準』
『買い手、個人によって異なる価値基準』
『売り手側の検証』

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■マーケティングの世界における個人の価値基準
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 多様な価値観、消費者意識のなかで日々市場を読み取ろうと模索するマーケティング担当者の
苦労は絶え間がない。厳しい市場競争の中でヒットなり成功戦略を生み出したときの達成感が
たまらないという仕事人の宿命でもある。

 大げさな前フリとなってしまったが、個人の意識、概念、価値基準といったものが、
現実のマーケティングの世界でどのように反映されるのか、ときおり考えてしまう。

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■買い手、個人によって異なる価値基準
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 身近な話として行列のできるラーメン屋の場合はどうか。
東京八丁堀のオフィス街の一角に話題の喜多方ラーメンの店がある。注文を聞いてから粉を量り、こねるところからはじめるというこだわりがある。喜多方ラーメンの店ではあるが、醤油ベースと煮干の風味の異なる2種類のスープが楽しめる付け麺も売りの店である。

 開店早々から行列のできる店である。食の店は当然「美味しい」ことがまず前提であり、
それ以外の価値基準が必須となる。「麺の素材、打ち方にこだわりがある」「注文を聞いてから粉を量り、こねる」「2種類の風味の異なるスープ」「長時間行列に並んでやっと食べた」...など。

 よく言われるのが「長時間並んで待った」という体験である。口コミの最大ポイントにもなる。
並んでまでして食べない、のが一般的だろうが麺好きにすれば話題のラーメンの味を
確かめたい、ほかの店の味と比べてみたいという思いが強い。
そうした思いがあるからこそ並んででも食べたいという衝動にかられるのかもしれない。

 今や麺好きのこだわりは趣味的領域にある。
各系列の麺の特徴から基本的スープの仕込み方法や材料のこだわりを語るのである。美味しければいいという一般的な麺好きとはちがう。

 話がそれてしまったが、行列を作ってまで待つ消費者の心理について考えるとき、商品の希少価値性期間や数量の限定相場から見た割安感マスコミからの話題性などが大きな要因となる。

 このラーメン店の場合、少数派のこだわり麺好きが行列を作り出し、それを見た一般の麺好きが
「どんなものか」と並び始め、その様子(行列)をマスコミが取り上げ、一般の客が行列に並んで
待つという「体験」をするためにさらに行列を作るといった構図が伺える。

 いずれにしても行列を作ってまで食べるとなると、商品に対する期待値、つまりそれなりにハードルは高くなる。繁盛店であることは十分に期待に応える味を提供している証であろう。

 ガラリ変わって価値基準について、よく言われるのが「値札」「相場」という言葉に弱い人がいる、自分の価値基準を持たない人ほどその傾向が強い。自分にとっての価値は、他者には判断できないものである。モノやサービスの価値は買い手、個人によって異なるのだ。

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■売り手側の検証
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 当然、売り手も商品が客によって価値が異なることは理解している。提供する商品の価値を自社の顧客層がどう受け止めてもらえるのか、日々マーケティングのなかで検証している。

 そのための想定と検証の繰り返しである。特にネット通販の場合、店舗販売と比べて媒体変更に関わる時間や費用対効果の面で有利である。細かなテストの繰り返しといっても過言ではない。


 

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