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資金調達や需要予測、予約販売など多様な活用に注目浴びる

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長年流通、特に通販やコンタクトセンターを専門に取材活動を続けてきた実績より、市場動向や「顧客満足」に向けた企業の活動など事例を中心にお伝えしていきます。

JDM News.net   代表  流通ジャーナリスト 塩田信夫

【第69回】クラウドファンディングの市場が500億円規模に拡大
資金調達や需要予測、予約販売など多様な活用に注目浴びる

2016年09月21日|トラックバック(0)

POINT

『拡大するCF市場』
『多様な目的で活用されるCF』
『CF活用 成功のポイント』

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■拡大するCF市場
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 矢野経済研究所の調査によると、我が国における2015年度のクラウドファンディングの市場規模は369億3400万円(前年比68.1%増)と好調だった。2016年度はさらに拡大し前年度比31.5%増の477億8700万円になる見込みだ。

 クラウドファンディング(以下CF)の最大の特徴は、インターネット上のプラットフォーム(仲介事業者)を介して、個々の出資額は少額でも、多数の人々に出資を募ることで、一定程度の資金を集めることができるところにある。

 この場合のクラウドは「群衆」という意味である。「Crowd」(=群衆)と「Funding」(=資金調達)を掛け合わせた造語だ。これは、直接金融の究極ともいえる一つの形であり、特に信用力が乏しく銀行等からの資金調達が困難な起業家や個人にとって極めて有効な手段といえよう。

 一言で言えばインターネットを通じて社会貢献につながる事業や新規に起業を目指したい個人投資家への支援のための投資が「CF」である。事業やその将来性に共感し、資金を投じることができる。

 CFの種類は寄付型、購入型、投資型、貸付型などに分類されるが、中でも最も成長が期待されているのが、購入型である。支援者がプロジェクトへ出資し、事業化すれば商品やサービスのリターンが受けられる仕組みである。

 新商品の開発資金集め、特産品購入によるまちおこし、途上国の貧困層支援のための事業資金の調達、様々な夢や目標の実現のため企業や個人が参加し、日本でもその規模は年々拡大しつつある。


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■多様な目的で活用されるCF
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 CFの仕組みを利用した資金調達は企業だけに限らない。特定のプロジェクトや、アーティストの創作活動や映画製作、研究者の科学研究・発明品の開発、被災地支援、まちおこしなど、多様な資金需要に活用できるため、政府が成長戦略として取り組んでいることや、その一環として制度面での整備が進められてきたことも成長要因として大きい

 政府の成長戦略である「日本再興戦略2013」において、CFの制度整備について検討し、投資家保護を講じる制度設計を促した。2014年には国土交通省はCFを活用したまちづくりを推進するために、マニュアル作成や支援制度等に取り組んでいる。更に地域活性化資金等の手法で集める「ふるさと投資」が内閣官房を事務局として、地方公共団体、地域金融機関や仲介事業者等により推進が図られている。この様に、日本再興戦略を契機とした各種取り組みが、官民挙げて進められてきた背景がある。

 CFの目的は本来の出資を募るだけではなく、多用な目的がある。テストマーケティングや予約販売を目的としたケースも多いのだ。CF先進国である米国などでは、とくにプラダクツ関係の企業での活用が多いという。

 つまり、先行予約販売による在庫負担のリスク軽減や商品販売時の需要予測、販売前のPR,メディアを通しての話題作りなどのために活用しているケースが多いのだ。そのほか販売ルートの開拓や技術・サービス支援活動、メディア掲載のためのPR、集客・ファンの囲い込み(事前の)、社会的信用・ブランド化など様々である。

 今では関係書籍も多数出版されており、この仕組みを利用して夢や目標の実現に取り組んでいるのは、個人や中小の事業者ばかりか一般のメーカーや流通業、科学者、研究者、政治家と幅広い


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■CF活用 成功のポイント
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 私もこの仕組みを活用したプランをいくつか考えてみたくなり、関連のセミナーにも参加してみた。そのなかでいくつかの成功に向けてのポイントに触れた気がする。いくつかポイントを紹介してみたい。

 まず、(1)入口として活用するのはいいが、そのあと継続的な事業プランが希薄だと長く続かないこと。(2)支援者の生活圏ナンバーワンは東京であること。ライフスタイルの多様性、多様かつ豊富な情報拠点、人・モノ・コトへの関心度の深さが際立っているということか。

 (3)フェイスブックやツィッター、ブログ、メルマガ、様々なSNSによる拡散がどれだけ可能であるかが肝となること。加えて自らもコミュニティーを持っていることが重要である。

 事情通によれば、(4)成功のための法則がいくつかあるとのこと。意外に思えたのが3分の1法則なる言葉だ。つまり最低資金の30%は自分で集める努力ができる人であること、その意味でのコミュニティーを持っていることという。

 また、(5)成功している開催期間の平均は45日という。短すぎても長すぎても成功しないのだ。(6)リターン金額は最低10,000円を基本にしたほうがいいという。

 (7)期間中は集中して、SNSでの情報拡散に努めることが成功につながる。企画力、文書構成力、ユーチューブなど動画の利用も重要である。企画もさることながら何よりも共感を持てる内容か、(8)魅力的なリターンの設定を基にした目標金額の選定にあることなどが成功へのポイントといえよう。

 CFを活用し、一つのプロジェクトを立ち上げ、成功パターンをヒントに次のCF企画へつなげていくという考え方もありである。それには十分な準備とコミュニティーの存在も不可欠といえるが、商品企画・開発力、プレゼン力、コミュニケーション力は不可欠である。

 資金提供者は、その案件が応援したいと思えるかどうかが重要なのである。経済的な対価は別として、まずは応援に値する将来性や社会性を兼ね備えているか、資金提供者がファンとなれるかが判断材料となる。

 CF市場の関連団体ともいうべき「日本クラウドファンディング協会」も昨年設立されたばかりである。特定のプロジェクトやアーティストの創作活動や舞台・映画製作、研究開発、被災地支援、まちおこしなど、多様な資金需要に活用できるのは大きな魅力である。

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