マーケティング
アパレル系通販って?関西から発信、今や古典
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■関西系モデル、ファッション・アパレル系通信販売の歴史
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「それはちょっと矛盾じゃないか?」と言われそうだが、アパレル系通販で扱っている商品がすべてファッションやアパレルと言うわけではない。
今は総合通販と言う表現になり、生活雑貨や食品まで幅広く取り扱っている。
しかし紙面割りで多いのは、やはり衣服関連である。従って一応ファッション、アパレル系と言わせて頂こう。
どんな企業があるかというと、浜松のムトウ、京都のニッセン、大阪の千趣会、四国のセシール、シムリーなどがその代表だ。
ところがよくよく見ると、関東にもアパレル系が無い訳ではない。上尾のベルーナ、海外通販にエディーバウアーなどがある。「それじゃ何も関西が本家ではない。これも矛盾か」と言われそうだ。
確かに現在では関西が主発信地区ではない。今ではテレビショッピングでも、Webでもファッション、アパレルを取り扱っている。
そこでここでは、どちらかというと日本の通販市場で早く、かつ卓越した技術を開発してきた企業としてとらえたい。
実にセシールが2000億円の売上を作ったのは1992年だ。
これはそれまでの1980年代に営々と努力を重ねてきた結果である。
後続の企業群は(海外系は除いて)、そのビジネスモデルを踏襲して初期成功をクリヤーできた、と苦しい定義だが許して頂きたい。
では関西系モデル、ファッション・アパレル系通信販売の特徴をあげてみよう。
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■特徴1 安価な商品
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ファッション、アパレルが通販市場をにぎわしたのは1980年代。
その第一次を謳歌したセシールも今や売上半減で1000億円台にシュリンクしている。
いろいろの理由があるだろうが、その中に低価格問題もあろう。
カタログを拾い読みにしてみると、1000円台から始まってスーツで7〜8000円くらいまで、中には数百円の商品も散見できる。
今や商品の生産現場は中国。日本国内で商品企画を行い、中国の工場で生産、もしくは買い付け、国内で媒体作成というのが一つの流れになってきているようだ。当然狙いは価格対応にあるはずだ。
カタログではそのような低価格品が網羅されるので、購買点数が多くなっても1回購入当りの金額や利益は少なくなる。
これは多くの方がご存じだと思うが、セシールが顧客獲得をするために"パンティーストッキング、一足50円"と言う謳い文句でチラシを撒いたことがある。
パンティーストッキングはすでに消耗品になっていたが、地方ではそんなに普及はしていなかったようだ。おまけに実店舗ではそれほど廉価ではなかった。
結果、大いに売れた。箱単位で売れたという。
その結果、顧客リストの基礎が作れた。
しかし、一方では後に言われるように「廉価な下着のカタログ」というイメージを作ってしまったのも確かだ。
このイメージは今でも抜けないのではないだろうか。
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■特徴2 顧客獲得の高騰
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これは何もファッション、アパレル系の企業ばかりではないが、顧客獲得コストが高騰し続けている。
ことに最近の顧客情報の守秘から、その困難性はいよいよ増している。
少し算数をしてみよう。
顧客獲得の為にチラシを使用したとしよう。チラシ1枚あたり制作・印刷4円、配布コストが5円、つまり1枚あたり9円と仮定しよう。
1000枚配布して9000円。レスポンス率が3%とした時 33件の受注。
1顧客の購買単価が1万円として33万円の売上。そして一人当りの獲得コストは、掛かったコスト9000円を獲得した顧客33人で除して272円。
これなら十分採算が取れる。しかし、これは15年前の数字だ。
チラシのレスポンスはこの間かなり低下しており0.3%くらい。これだと3件しか受注が無いことになる。購買単価は変わらないとすると3万円の売上。一人当りの顧客獲得コストは3000円となる。
無論商品や配布の地域、制作技術によってレスポンス率が異なる。
しかし、昨今のデータで調べると1顧客獲得コスト1万円などというケースもあるようだ。
(最新の情報は通販協会さんの資料をご覧下さい。)
ちなみに新しく通販に入ってくる多く企業がこの点を誤解される。流通業の伸びない今日、まだ上昇気流にいる通販に是非参入したい、店舗は要らないし、メディアを使うのでコストは低いはず・・・・。
で、どーッと参入してくる。
ところがお客様はいっこうに来ないし、リストは集まらない。
レスポンスは0.3%以下だって?
・・・と言うことで早期撤退に繋がる。
実は事業開始時期の顧客獲得が最もコストを必要とするところなのだ。
その割に本商品は売れない。従って、十分な事業計画や資金計画が無いと、半年で終了と言うことになってくる。(これについては単品通販の所でつぶさに見てみよう。)
顧客獲得コストが高くて、なおかつ1回当りの購買単価が低ければ、企業は一体何をしなければならないか。
そう。1回きり購入の顧客では無く、複数回ご購入頂けるプロセスを作らなければならない。
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■特徴3 ライフタイムバリューによるリピート依存
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これを通販人ではライフタイムと言っている。
つまり、一度獲得した顧客がその通販企業との長い、もしくは多回数の取引と、その間の使用金額がそのマーケターに対して最大であるようなビジネスモデル、これがライフタイムであり、その間のマーケターに与えるであろう利益がライフタイムバリューである。
このライフタイムバリューと言う考え方は、繰り返し購入して頂くという意味で「リピート」と言う。
リピート購入をして頂くためにはそれなりの仕組みが必須だ。
ここで気をつけて頂きたいのは「リピート」というのは前回述べた3つの通販
意匠ごとにそれぞれ考え方が違うのだ。
1.単品系では同一商品を繰り返しご購入を。
つまり、健康であるためには「この健康食品」をいつまでも続けて服用して
頂く工夫を。いつまでも若くいたかったら「この化粧品」をいつまでも使っ
て頂くお願いを。これを仕組みで行うことだ。
2.グッズ系はお客様としてリピートを。
ディロンギ製のオイルヒーターを買う方はせいぜい3台くらいだろう。
これは実はリピートでも「買い増し」という部類。
これ以上を買われることは少ない。
そこで今度はこのお客様に我々のカタログのファンになっていただいて
別の商品でリピートをして頂く工夫を。
3.そしてファッション・アパレル系はジャンル間の移動でリピートを。
つまり、前号ではスカートをご購入頂いたお客様に、今回は女性用スーツを
ご購入頂く工夫を。出来たら冬物の毛皮のコートのご予約を。
・・・と言う具合に、それぞれ異なることになる。
実は、なかなかこの概念もご理解頂くことが困難なようだ。
ついつい、単品系が上手くいっていると聞けば単品系のプロモーショをやってしまうものだ。
その結果じゃんじゃん電話を掛けまくって、結果的にお客様に怒られることになる。
ではそのリピートをどう作るか。
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■特徴4 そこで顧客データベースとデータベースマーケティングが
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昔、通販業界のある偉い方にお会いするといつも怒られたものだ。
「通販業は言葉とビジュアルで訴求するビジネスです。データを捻り回して作るものではありません」と。
私もそう思う。
「4.4.2の法則」というのがある。
つまり通販事業を考えるとき
商品 4,顧客 4,媒体 2
で考えろと言うことだ。
確かに商品や媒体を合計すれば顧客より多いし、顧客と言っても獲得、維持、ウエークアップと様々な局面があろう。
ただ、実際のところ顧客のことを知らなければ、どの個客に対して的を絞ったら良いのか解らないのだ。
顧客リストが1000万件あるからといって、1000万冊のカタログを発信するわけにはいかない。
顧客からの受注には歩留まりがつきものだ。歩留まりギリギリの冊数に押さえるのは顧客管理のミッションだ。
・・・と言うことでやはりデータベースマーケティング(以下DBMと言う)はファッション・アパレル系には重要な技術だと思っている。
ならば、どの顧客に何を訴求すれば良いか知ろうではないか。
まだ世の中でDBMなどと言う言葉だけがあった時代に、果敢に取り組んで行ったのが、実はこのファッション・アパレル系の通販企業である。
ここで簡単にDBMとは何かを考えて見よう。
1.まずは顧客を知ることである。
顧客が何人いるのか。このままで行けば来年は何人になるのか。
減少方向なのか増加方向なのか。去年やったあのキャンペーンで獲得した
顧客リストは今どうなっているのか、そのくらいセル間移動やロストして
いるのか、などなど。
2.顧客をセグメントする工夫をする。
全てのお客様が良いお客様では無い。良いお客様を単に過去の売上金額や
購入回数で判断するのではなく「次回の我が社のキャンペーンで反応して
頂ける可能性の高い顧客群は一体どこのグループなんだ。」と知ること。
その為に巷に流布しているひとつの概念がRFM。
つまり「100日前にご購入頂いた顧客より50日前にご購入して頂いた
顧客の方が次に買って頂ける可能性が高い」とか「50回ご購入頂いた顧
客より100回ご購入頂いた顧客の方が次に買って頂ける可能性が高い」
とか「200万円ご購入頂いた顧客の方が100万円ご購入頂いたお客様
より次ご購入頂ける可能性が高い」のではないかと言う仮説である。
ここのポイントは「可能性」という点である。今までのデータ上、結果的
にこうだったではない。次回の顧客の行動が予測出来なくてはならないのだ。
又、ある商品を購入した顧客が次どのような商品を購入しやすいかを知る
ことも重要だ。
3.個客をターゲティングすること。
さてカタログ構成が決まり、顧客が決まったならば具体的にどの顧客が、
どの商品に「購入可能性が高いか」知ろうではないか。
そしてその個人を目指してカタログ、メディアを発信しよう。
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■通販業の特権、DBM
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このDBMを業界的に引っ張っていったのはこのファション・アパレル系の通販業である。
今日では、先に述べた3つの形態のマーケターでも何らかの形でDBMを実施している。
これこそ顧客情報が命の通販業の特権だもの。
・・・というわけで私もDBM派の端くれではある。
☆企業名の敬称は略させて頂きました。
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