マーケティング
【第21回】フルフィルメントで媒体、顧客、商品をどうつなぐか(4) さらにもう一回「商品は'商品'」だけ?
POINT
『「よりどりN点 一定価格」とは』
『1.あるマーチャンダイザの言葉。
1)「良い商品なんだけど」』
『 2)「そう、「よりどり」だよ」』
『 3)「新しい楽しさを求めて」』
『最後に』
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■「よりどりN点 一定価格」とは
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前回も商品の見せ方でエキサイティングな紙面作りができると言うお話をさせて頂いたが、今回もう一つ。今回は
「値頃感のある商品を 自分で選べて、自分でセットを作れる楽しさ」 をお客様に提案できる
と言うことをお話しさせて頂こうと思っている。つまり「よりどりN点 一定価格」 だ。
この手法もやはり、古典的通販企業が かつて開発し、そして洗練させていった方法だ。
長い時間がその効果性を少しずつ磨き上げ、一つの完成した姿を見せてくれている。
当然、古典的通販企業ばかりでなくインターネットの企業も取り入れ始めている。そこにはネットでなければできない工夫が色々と凝らされている。
ぜひこの手法も試して頂きたい。
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■1.あるマーチャンダイザの言葉。
1)「良い商品なんだけど」
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今から 20年ほど前 ある通販企業のマーケティングのシステムの構築をお手伝いさせて頂いた時の話。
ある日、担当のマーチャンダイザから 相談を受けたことがそのきっかけだった。
いわく、
「商品としては良い商品なんだけど、あまり日常的すぎて 訴求点が無い値頃商品があるのだが、何か楽しく売れる方法はないものかしら。」
その当時通販の商品というのは、
「ちょっと他の商品とは異なっていて、しかもその相違点が強烈に自己主張する力を持っていて そこを訴えればお客様の楽しみ心を満たす」
ことができる必要があった。
つまり個性が強ければ強いほど訴えやすかった時代だ。しかし実際の商品はまだまだ自己主張には及ばなかった。
しかも その企業は古典的大手通販企業、いわゆる総合系なので商品ジャンルが多かった。それぞれの部門に物言わぬ商品候補生がわんさと埋もれていた。
例えば「電気ポット」。
最近でこそ 新しいスペックで市場を形成し直している商品だ。
その当時はどこの家庭でも 台所の陰に一つはひっそりと佇んでいた物だ。しかもめったに出番は無かった。どこの電器メーカーも同じような仕様で作るので これといった特徴はない。せいぜいタイマーが付いているくらいだ。
しかし、さすがに日本の電気メーカーの作る製品だ。使用感や安全性、耐久性は大したものだ。いわゆる製品としてはしっかりとしている。しかし商品としては今イチというもの。
「この商品の持っている良さはぜひ我々も取り扱ってみたいし、ぜひ提案したい」と担当者はいう。
普段は何かと否定的ことが専売のようなバイヤーの小父さんまでが「こういう隠れた、良い商品も取り扱ってこそ 我々のカタログだ。」とのたまう。
数日後のカタログ掲載商品検討会の日。この電気ポットに類した商品達をどう評価するかに議論が沸いた。
その時、誰と無く、電気ポットの傍らに有田焼のコーヒカップをそっとおいた。全く偶然だった。
そのカップをおいた瞬間、ポットが単なるポットだけでなくなり、カップがありきたりのカップでなくなったのだ。その2つで一つの絵に変わった。
休日の朝のテーブルの上のアイテムに姿をかえたのだ、しかも生き生きと。
皆、唖然とした。
「これだよ。」 そのマーチャンダイザは言った。
この一言がスタートだった。
「これこそ これらの商品を世に送り出す手法なんだ。」
一つ一つでは淋しい風景だが、それらが幾つか集まる商品同士、急に語り出すのだ。そこに和音が産まれる。
たまたまあった唐津の湯飲みを配してみた。それはそれなりの風情だ。
コーヒーカップとコーヒー豆の袋を並べてみれば家庭の中の一つの部分を切り取ったようなる。
参加した人々がそれぞれ勝手に商品を組み合わせて試してみた。
組み合わせの度に新しい景色を作り出す。それは今まで見られなかった商品の存在感なのだ。
みな面白がって様々な組みあわせを試み始めた。そしていつのまにか熱中したではないか。
単品では商品になりにくいが、複数の商品を組み合わせることによって全く違う価値を生み出すことが分った。
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■ 2)「そう、「よりどり」だよ」
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そう、これが「よりどり」の原点だった。
それから多くの工夫と改良が加えられ、商品ページのある部分を占めるようなっていった。
少し整理してみよう。
まず「よりどり」と言うのは、「複数の商品から一定の点数と一定の価格を原則として、顧客自らが組み合わせを自由に行える商品群」といえる。
今までは「これ 一品」であった。「よりどり」は違うのだ。 例えば3品だとが4品だとか、点数を決める。その中で顧客自身が自由に商品を組み合わせる。
前回登場した「セット商品」とは異なり、自由なセットを自分で作り上げる。この自由さがたまらない楽しさを味あわせてくれるようだ。
しかも価格限定。たとえが「3品1万円ポッキリ」とは実にどの商品を組み合わせようと価格1万円は変らない。ならば自分の好きなようにセットを作ろうと思うに違いない。
テストを繰り返す内に幾つかの成功法則が生まれてきた。
・まず「よりどり」商品の単品あたりの単価は「よりどり グループ」の中では同じ価格とするのだ。
つまり「よりどり」の中ではどんな組み合わせのセットを作っても合計すれば同じ価格になる
と言うことだ。
3品の内どれを組み変えようと合計金額は1万円と言うことだ。
その為にはどの商品でも単品で3,333円である必要がある。
・従って「よりどり」価格はこの単品単位の価格の倍数であることが望ましい。
3品であれば1万円、6品なら2万円だ。
単品が3、333円なら考えやすい。
・そして「よりどり」商品は、できれば原則1セット単位でご購入頂ければ幸いだ。
「よりどり3品1万円」ならそれで購入一セット、6品で2セット、この単位でお買い上げ
頂くことが原則だ。
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■ 3)「新しい楽しさを求めて」
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ただしこの最後のルールは後年崩れてきている。
この「よりどり」商品に馴れた顧客から幾つかの要望が産まれてきたのだ。
例えば「有田のコーヒーカップと砥部のコーヒーカップそれに電気ポット一つ。」で原則1組とすると、
・有田のコーヒーカップを2組に 電気ポット一つ。
砥部のコーヒーカップはお買いあげなし。
価格1万円。
・1セットに別に単品を1個付ける
有田、砥部、電気ポットそれぞれ1つに有田をもう一つ加える。
価格 1万3333円
・単品を2こだけ 購入する。
有田を2組。
価格 6、666円
等々と様々なバリエーションが産まれてきた。
確かにルールは崩してしまうようだが 実はこれは非常に好ましいことなのだ。
通販の楽しさは、購入方法のバリエーションの楽しさでもあるはずだ。
我々は我々の都合で、これを無視して無用なルールを造り上げる。
そのうちルールが一人歩きして顧客をおいてけぼりにする。
きっとこのような仕組みは顧客から嫌われるだろう。
そう、購入の楽しさは顧客自ら作り上げ、我々に教えてくれるものだから。
通販業界は大らかだ。これらの要求を取り入れて自由に組み合わせ出来るようにしてきている。
「よりどり」 この手法をすでにインターネット通販では取り上げている。
・ヒット商品順
・入荷時期順
・コメント順
・組み合わせ順
などなど。
様々な見せ方をしてくれる。
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■最後に
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「よりどり」 と言うことについて述べさせて頂いた。いかがだろうか。
もう一度言いたい。
貴方の会社でも「よりどり」になるような商品は無いだろうか。
もしくは今販売している商品で「よりどり」に仕立て上げる物は無いだろうか。
この時代に良いお客様により多くのお買い上げ頂くことは非常に重要だ。
この手法も一度試して頂いたらいかがだろうか。
以下続く
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