マーケティング
【第17回】フルフィルメントで媒体、顧客、商品をどうつなぐか(2) メディアミックスということ
POINT
『メディアミックスと媒体の関係について』
『いつから、何処で』
『メディアミックスということ』
『本当に効果はあるのか』
『媒体の構造化との関連』
──────────────────────
■メディアミックスと媒体の関係について
──────────────────────
前回も少々メディア触れたが 良い機会なのでもう少しメディアミックスと媒体の関係についてお話ししてみよう。
ダイレクトマーケティングに関するメディア関連の用語としては
マルチメディア
メディアミックス
クロスメディア
などが上げられる。
この中でもメディアミックスは、ほぼ同時期に特定地域に複数の媒体でプロモーションを同時に仕掛ける と言う意味で使われる。
これは今までお話させて頂いた単一メディアではなく、複数の媒体を同時に使用するという意味で特徴がある。またダイレクトマーケティングでは有効な方法の一つとされている。
──────────────────
■いつから、何処で
──────────────────
いつ頃から このような手法が始まっているのだろうか。多分アメリカ流の通販として誕生したのだと思う。従って手法的にはそんなに新しい方法ではない。
ということは日本でもかなり昔から利用されているのだ。通販市場では、私の記憶している限りでは(株)カタログハウス社、(株)日本通信教育連盟(現:(株)ユーキャン)社などが古い方ではないだろうか。
日本通信教育連盟社 は今でも テレビとチラシを上手く噛み合わせて顧客にアピールしているようだ。最近では 後で述べる(株)ジャパネットたかた社あたりがやはり上手いメディア運営をしていると思う。 この企業はとにかく使用するメディアの種類もその数量も違う。
ラジオ、テレビ、CATV,チラシ、カタログ、インターネット、ラジオ、とほどんどのメディアを駆使している。今までの通販業のなかでは突出して多いのだ。
最近拡大してきている単品通販でも既にこの手法が応用されて来ている。
素材型商品通販でユニークな富士フイルム(株)社の化粧品と健康食品だ。
誰でも富士フイルム(株)といえば、何と言ってもカメラ用のフィルムであろう。その名を言えば銀塩カメラの生フィルムをまずイメージするが 既にそのイメージが薄らぐほど、ブランドの意味が変わってきている。殊に通販の場合は、「化粧品と健康食品の富士フィルム」というブランドに変わってきているのではないだろうか。
確かに昨今のデジタルカメラブームは銀塩カメラを凌駕し、その領域を大いに浸食している。むしろその機能を拡大、取込んで多様化に突き進んでいる。
この企業の目立つ媒体はテレビとチラシだ。松田聖子と中島みゆきという通販化粧品適齢の女優さんを上手く噛み合わせながら、「ハリーさん」というコピーで「アスタリフト」という化粧品を市場に提供している。
もう富士フイルム(株)と言うとフィルム屋さんではなくて化粧品や健康食品を思い浮かべるくらいだ。ところで(株)ジャパネットたかた 社 と 富士フイルム(株) 社 の媒体上の違いにお気づきだろうか。
(株)ジャパネットたかた 社のある部分のテレビCMでは、商品を販売していないのだ。通販ビジネスが媒体上で商品を売らないと言うようなことあるのか、とお思いかもしれないが実はあるのだ。
ただしその媒体には極めて明解な意図があるのだ。
その媒体自体では商品は販売しないが、お互いにリンクしている次の媒体で販売の機会を作っているのだ。
「何月何日あなたの家に我が社のチラシ(もしくはカタログ)が届きます。そこには弊社の商品が展示してあります。どうぞお買いあげ下さい。」と。これだけなら短いCMだ。提供でも、スポットでもそんなにコストはかかるまい。
一方富士フイルム(株) 社の広告は明らかにそれぞれ独自のCMだ。テレビ番組そのものでサンプル請求を頂き、本商品購入のお客様になって頂く手法になっている。チラシも同じ機能を持っている。お互いになんの関連もない。
むろんテレビでは商品名を流すので 富士フイルム(株)という「寄らば大樹のブランド」を離れても少しずつ「アスタリフト」へ移行という機能を果たすことになるが。
この媒体の使い方の違いが、同じような2系統のメディアを使っていても、それぞれ異なる意味を持っているのだ。
─────────────────────
■メディアミックスということ
─────────────────────
それでは、メディアミックスというのはなんだろうか。まず、構造を考えてみよう。
大きな構造としては先行媒体と本番媒体が存在するということだ。この2つの媒体がそれぞれ有機的に機能しながら新規顧客を誘い、既顧客に購入を勧めていく。
まず先行媒体は次の本番媒体の発信予告をする。
「何月何日 秋号の チラシを配ります」 というような短くて素っ気無い内容だ。だから短いコピーだけで良い。ただし、その中にはいくつかの働きを持たせてある。
例えば、その予告のテレビ放映を見たら明日来るチラシを、山のように来る新聞広告の山の中から引っ張り出してみようと、一瞬思わせることが必要だ。そのあと、忘れてしまっても良い。あしたの朝になって新聞の山を見たときまた思い出してもらえば良いのだ。だから重厚な媒体などは必要無い。その場に流れればいい。手元に残り、見直す必要(留置性と言うが)など無い。
そのために使われるのはやはりCATVを含むテレビが多い。むろん、ラジオでもいいし、Eメールでもいい。要するに軽く聞き流せるメディアでよいのだ。
しかし、一瞬間で内容を記憶し、頭の中の手帳の明日の行動欄に「チラシを見ること」と刻み込ませるためにはもう一工夫必要だ。それには顧客とマーケターを結びつける何かがなければならない。
今日は12月7日で昨日は6日だった。昨日ジャパネットたかた社のテレビCMが流れた。1分物だと思う。そこでMCの語りのなかで言われたのが「利益還元祭り」というキャンペーンと「チラシで応募すれば5万円当たる」というのと「期間中に商品を買えば10万円当たる」という文言だ。
実はこの文言に接してから これが私の頭に浮遊しているのだ。この文句を私の頭の中に刻み込むためのテレビCM、これが利いている。朝一番で新聞を取りに行く、チラシを流し読み、自分の欲しい商品を見付けさせるという行為を引き出させる工夫なのだ。
ちなみに当日予想通りのチラシ広告が入っていた。本番のチラシ広告は一番目を引く所に「利益還・・・・」と「チラシで応募すれば・・・・・」というのと「期間中に商品を買えば・・・・・」と言う文字が踊っている。そして紙面にはこの商品ジャンルに必要な「同一商品 同一サイズ露出」で商品が掲載されているのだ。(このチラシの作り方は 別途機会を見つけてお話しよう。)
ここで必要なのは「予告」の媒体と「本番の媒体」の機能を一緒にしておくこと。バラバラではまずい。まず先行の「予告媒体」で意識下にとどめて頂き、「本番媒体」で購入行動に移って頂く。そのためにキャンペーンや プレセントを下敷きにする。これがササッと流れていかなければ効果はない。
───────────────────
■本当に効果はあるのか
───────────────────
一番気になるのがこの点だろうと思う。殊に先行媒体は商品を販売しないのでそれ自体では売上は作らない。あくまでも本番媒体と一緒になって売上が出来上がる。
これを始めにやった人は勇気のある人だったろう。何せ、売上の見えないコストを使わねばならないからだ。
私も、この手法を単品通販の端緒から使用すべき、とは思わない。ある程度コスト負荷もかかる。技術的にも困難さを伴う。媒体作りに馴れてきたら徐々に取りかかったら良いと思う。しかし、効果はてきめんだ。
───────────────────
■媒体の構造化との関連
───────────────────
さて何度も申し上げているが 通販では顧客、媒体、商品の管理は大変重要な課題である。
「同一時期に同一地域に先行媒体と本番媒体を同時に投下する」というこの手法は機能の力点が異なる。先行媒体はあくまでも予告であり、その媒体自体では売上を作るミッションを帯びていない。本番カタログへの誘致を主たる機能としているからだ。
となれば通常媒体のように
売上=0(ゼロ)
と判定するわけにはいかない。
このような場合には、前回申し上げた構造化した媒体に「先行媒体」という働きを加味して管理することが可能になる。
先行単体もしくは本番単体と見ても良いし、または本番一体と見ても良いことになる。いかような見方も出来ることに大いなるメリットがある。
トラックバック(0)
・このブログ記事を参照しているブログ一覧:
【第17回】フルフィルメントで媒体、顧客、商品をどうつなぐか(2) メディアミックスということ
・このブログ記事に対するトラックバックURL:
http://www.scroll360.jp/mt/mt-tb.cgi/1366
新着記事
- 2012.01.30
- 【第36回】トラブル対応でなくした1000万円
- 2012.01.30
- 【第37回】日本版格差社会がますます深刻化してきた 年末の新聞、情報誌から読み解く日本の経済環境
- 2012.01.30
- 「ソーシャル時代における BtoC 型 Eコマース成功のポイント」他
- 2012.01.16
- 【第12回】市場は世界。打つ手は無限。ECにこそ必要なグローバル視点







コメントする