マーケティング
【第12回】フルフィルメントって何だ"仕事を切り回す裏方仕事さ、次は債権管理という仕事"
POINT
『教えられた債権管理の大切さ』
『まずは不良債権を作らない努力をしよう』
『キチッと入金してくれるお客様ばかりではない。』
『督促ということ』
債権管理というのは、発生した商売の債権を確定させ、請求が必要なら請求し、入金を受け付け、引き落とすのが通常の処理である。
しかしこの処理も実に多様な変化がある。まずは考え方から。
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■教えられた債権管理の大切さ
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まだ私が駆け出しのシステムエンジニアの時代の話だ。
むろん、世の中の仕組みなんかは殆ど分らなかった。しかしそれではクライアントのシステム構築のサポートも出来ないので(当時 システムエンジニアの仕事はOSを中核としたソフトウエアによる支援が基本だった)中小企業診断士の本なんかをペラペラ捲って多少とも理解したいと思っていた。
ある時、ダイレクトマーケティングのシステムを全面的に更新することになり、メーカーのSEとしてプロジェクトに参加した。アプリケーションのシステム内容については辛うじて理解することが出来た。
しかし、債権管理の話になったとき、プロジェクトの内部で意見が割れた。一方は会計を仕事にしている方々で、徹底的に管理すると言う派、そして一方はシステムの巨大化を恐れ適当なところまでとする派。 私は只でさえシステム規模の膨らみに懸念を持っていたのでつい、後者の味方をしてしまった。会議は相当紛糾した。妥協点はいつまでもたっても見いだせなかった。結論が出ず、遂に役員決裁となった。
担当役員が次の会議の冒頭、結論を述べた。鋭意開発の方向だった。そして彼はこう続けた。
「我々は商人だ。商売で大切なことは沢山あるが、その最たるものは債権管理だ。なぜなら、商売は代金回収をきっちりやってこそ収斂するのだ。商品探索やマーチャンダイジング、媒体作りという段階でいくら頑張って頂いても、一番殿(しんがり)の代金回収がしっかりできなければ、それは商売ではない」
と。
我々はビジネス全体を見て仕事をしていない。自分の部分だけで仕事をしている。部分最適、もしかしたら部門最適に陥っていたのではなかろうか。 私は目が覚めたような気がしたものである。
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■まずは不良債権を作らない努力をしよう
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出来たら未収金、不良債権など作らない方が良いに決まっている。
しかしどうしてもこれは発生してしまうし、顧客にも不快な思いをさせてしまう。
そこでまず、不良債権を発生させないことに集中すべきだ。
前々章(「受注」のところ)で述べたように受注の段階でその商売の回収が可能か否かを判断し、場合によっては思い切ってその取引を止めてしまうことも必要だ。
一番シンプルなのは化粧品のトライヤル販売などのルール化だ。特定の「売らないルール」を決めておき、それに該当する顧客にはトライヤルといえど商品を販売しないことだ。
例えば
・与信をかけてオーバーする方はお断わりする。
お客様単位に販売する上限額を論理的に決めておき、その範囲を超える場合は取引をお断わりする。
<既存顧客の場合>
今回請求額 + 未出荷残高 + 売掛残高 ≧ 既存顧客初審限度額
で算出することが可能だ。
・顧客情報でブラックになっている顧客は差し止める。
明らかに前回の取引に対する入金がないお客様(ブラックというが)には先ずご入金から
お願いする。
・未成年は受注保留にする。
最近はあまり見られなくなったが、未成年の場合は親御さんなどの了承を得てから販売する。
・クレジットの承認待ちは保留にする。
承認が必要なクレジットや割賦ではその期間の取引はご遠慮頂く。
・入金方法の変更は留意する。
これは販売が確定した後で、入金方法の変更がある場合だ。
例えば代引きからクレジットへの変更などは留意しなければならない。
代引きは基本的に現金決済なので問題は無いが、クレジットは支払日までの
期間が長いので未入金の確定が遅延する可能性がある。
従ってこの変更には充分注意し未入金の発生を未然に阻止すべきであろう。
などなど、考えれば様々な予防策があるものだ。
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■キチッと入金してくれるお客様ばかりではない。
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しかし請求に対してキッチと請求金額通りに支払って頂ける顧客ばかりではない。
入金金額が不足している場合はともかく、請求金額より多い金額を入金して来るお客様もある。いわゆる 過払い金だ。
取りあえずは、一次的に加入金として預かり金処理をし、しかるべきタイミングに返却するか、次回の購入時に引き当てる。
入金方法だって、クレジット、代引き、銀行振り込み、口座振替、コンビニ入金などいろいろあろう。これもたまにはとんでもないのがある。
例えば切手による入金だ。さすがに最近はあまり聞かなくなったが、以前は特異なケースとして存在したものだ。これは通販の入金が多様化していない時代に切手で入金して頂いていたことがあった。その名残に違いない。
入金場所だって一様ではない。ある古くからやっている通販企業でのこと。お客様が、会社の受付に直接やって来られた。片手にはカタログを持っている。そして、「この商品をここで売ってくれ、今支払いをする」と言われた。
その時、販売の方法としても入金の方法としても"持参"ということを考えていなかった我々は驚いたものだ。しかし考えてみれば地域に密着した企業ほどこのようなケースがあっても不思議はない。
希には、誰が入金したか分からない場合がある。こんなことは本来あり得ないのだが、振込先が正しく間違った場合などだ。つまり振込先の記号・番号などは正しいのだが、振り込まれた方は違う取引先に入金するつもりであった場合などだ。残念ながら一応は不明金として処理をしておくしかない。
ではそれでも入金をして頂けない、つまり未入金のお客様はどうすれば良いか。
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■督促ということ
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すべてのお客様がキチッと入金して頂ける訳ではないが、比較的多いのが未入金、つまり入金期日までに請求金額が入金されないお客様の場合だ。
当然のことながら請求、督促はコンピュータの仕組みの中に登録され、しっかりとカウントされている。つまり督促する度に督促回数が増えてゆくのだ。
督促の手段も幾つかある。例えば葉書、そして電話。最近はメールという方法もある。
この督促回数と手段を組み合わせるのも一つの方法だ。
電話というのは直接顧客と対話と言うメリットもあるが、それ程キツイことは言えない。しかし会社側と対話したと言う重みは未入金顧客に心理的にプレッシャーをかけるだろう。
葉書は直接対峙しないのである程度キツイことを伝えることが出来る。しかし、無視することだってできるのだ。
そこでこれらのコンタクト手段の特徴を利用して督促内容を段階的に変える、つまり強めてゆくことも出来よう。
トータルで5回督促をかけると決めてあるとすれば、最初の3回は電話で督促することにし、
・一回目は入金が遅れていることをさりげなく
・二回目は期日がとうに過ぎていることを直接
・三回目はしっかりと入金頂きたい旨を
伝える。それでも入金がなければ手紙やメールで
・四回目はこれが最終督促であることをはっきり
・五回目は、致し方なくしかるべき処理(例えば債権譲渡など)をしたことをはっきりと伝える。
督促などと言うことは、あまり、好ましいことではない。
またそのような対話を顧客とかわすのも爽としないであろう。むしろきれい事だけですませたい。
しかし、やはり、冒頭の担当役員の言うとおり、入金あってのビジネスだ。
地味で、多少の困難さはあっても"業"としては大切な機能なのだ。
次回以降は、「単品通販のマーケティング」をお伝えする。
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