マーケティング
【第5回】単品通販 商品開発のアクティビティー
POINT
『企業の一番強い技術から生まれた「アスタリフト」』
『ビジネス開発の全体を見る』
『DMの商品化とは』
『本商品の工程とサンプル添付資料作成』
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■企業の一番強い技術から開発「アスタリフト」
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最近テレビで「アスタリフト」という化粧品の広告が流れているのをご存知だろうか?
そう、松田聖子と中島みゆきが一匹の犬を挟んで軽妙な演技を見せているあれ。それでは、もし見たことのある方々は一体どこの企業がこの商品を開発、販売したかもご存じだろうか?
ご存じない。当たり前だ。
何と、あの「富士フィルム」社だ。
前回のこのコラムで自社の中からどうやって売れる商品を探すか、と述べさせて頂いた。結果として、その企業の一番強い技術を発見し、そこから商品のイメージを見つけるべき、ともお話しさせて頂いた。
実にこの「アスタリフト」と言う商品もその通りなのだ。
フィルムという商品の基礎技術。写真をより美しく見せる為にフィルム膜を厚く被っているコラーゲン、素材を破壊することなく肌に運ぶ為のナノテクノロジー、写真の劣化を防ぐたもの抵酸化技術など、過去の実験、開発で残された数百に及ぶ素材やテクノロジーから選択し結合したものであるという。
しかしそれらは素材だ。
偶然発見できた物でも無ければ、思いこみで作った物ではない。きっと長い実験とテストの繰り返しが行われたであろう。その結果として「アスタリフト」と言う製品に結実したのだと思う。
大変興味あるのはこの商品が、店舗ではなくDMというマーケティングにのせて販売すると言う仕組みだ。
ではこれらの製品をどのような作業でDMの商品にして行くか考えてみよう。
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■ビジネス開発の全体を見る
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下記のEXCELの表を見て頂きたい。
※表ををクリックいただきますと、拡大イメージをご覧いただけます

これはちょっと古いが実際に私が使用した、ある化粧品企業の通販用商品の開発アクティビティ表と開発のためのスケジュール表だ。
むろんこれは商品だけを取り上げているのであってこれ以外の作業は山ほどある。(それはおいおい説明して行こう。)
通販進出の企業と言っても千差万別。豊富な資本と人材を惜しむことなく投入する企業もあれば、本業の片手間に通販をやってみたい、と言うところもある。ことの大小、認識の違いはあれ、やるべき作業は変わりない。きちんとアクティビティーを詰めてスケジュール化しなければコントロールは出来ず、後追いで無用な作業が次々に発生し、なおかつ予定は大幅に乱れる。
したがって内容はともかく、このような工程で作業をして頂くことにしている。
昔痛いほど教わったものだ、
「スケジュールがあっても失敗する、ましてスケジュールがなければ必ず失敗する」
と。
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■DMの商品化とは
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DMの商品化と言うと一般的には商品(プロダクト)そのものをイメージされやすい。確かに店舗系の商品は製品から商品化が終われば、すぐ店頭にならぶ商品となる。これがDMでは違う。
当然、先ず商品そのものとしては商品開発の工程が加わる。
その上で製品そのものが決定する。そしていわゆる本商品の開発が行われる。
商品開発と同期してサンプル、もしくはテスト商品の開発が行われる。
これは本商品に先んじて使用される「お試し商品」と位置づけられる。
平行して「プレゼント」の開発が行われる。これは例えば「お試し商品」をパッケージする「ポーチ」であったり、「石鹸」であったりする。
これだけではない、商品や「お試しセット」に付随する添付資料を作らなければならない。
何度も言うがこれらがDMの商品なのだ。プロダクトだけが商品ではない。
これらの作業がそれぞれ同期をとりながら進捗して行く。
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■本商品の工程とサンプル添付資料作成
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少し、内容に触れてみよう。
1)本商品
まずは本商品の工程を見てみよう。こんな具合だ。
・DM向け新商品の開発が企画部門で企画される。これは前回にお話ししたとおり、DMで販売
すべき商品のコンセプトを作り上げる。主に企画部だが研究、工場部門も参画する。
DMビジネスの共通理解の徹底がポイントだ。
・新商品テスト開発
研究部門と開発部門が協力してテスト商品を、コンセプトの理念を素材に落とし込んでテスト
商品を作る。当然本生産とは行かないので、例えば化粧品であれば小さい釜を使って作られる。
・テスト評価
先ず、商品開発意図が商品に表現されているかどうかを、企画部門がテストする。
この時官能テストを行い、実際使用して頂きその結果を採取する。
併せて幾つかの肌パターンの方々に依頼しパッチテストを行う。
それぞれのテスト工程が終わった後の参加者全員参加でテスト商品の評価会議を開催し、
テストプロダクトの評価を行う。むろんのこと、評価基準をあらかじめ設定しておき、可否の
結論をだす。
・これで商品決定。企業によっては「商品カード」と言う文書を作り、商品登録をする。
・もし化粧品のように関係官庁届け出の必要あるものであればその旨のドキュメントを作成する。
そこでも問題なければ正式に商品として決定する。
・商品と併せて開発されるのがパッケージだ。ことに化粧品の場合はユーザーが女性であること
で感性に訴える要素が多い。
従って原価に占める位置も低くはない。ことに金型から作るとなるとことだ。
これらの工程を経ながら本商品を確定して行く。
サンプル開発に関しては、本商品の開発途中から枝分かれして進められる。
本商品と同一で良い場合は、一部の不要な工程が飛ばされる。
ここでもやはりパッケージが問題だ。
本商品のイメージを引くため、同じ姿形をした物が良いには決まっているが、新たに作るにはコストが掛かりすぎる。そこで有りネタを使うのだが、これもどれでも良いというわけにはいかない。
見た目も、使い勝手も、丈夫さも、コストも充分納得出来る物でなければならない。
2)サンプル添付資料作成
さてさて、商品は出来たとしてDMではそれだけではすまない。大事な添付物が必要だ。
ことに単品通販はテスト商品を試用して頂き、安心、納得して頂き、本商品を購入して頂くと
いうプロセスを走らせる。従って個客に訴えかけるドキュメントが必要だ。
・内容物一覧
何をお届けしてあるのかを明確に示しておかねばならない。
最近はテスト商品も有償の場合があるので、なおさら当然のこと。
・挨拶文
サンプルを注文して頂いた御礼、サンプルをお届けするご案内。
・企業説明
自社の説明とさりげないPR。まずはご理解頂かなければ。
・取扱説明書
私は、実はこれが一番大切だと思っている。それなのに何とおざなりな取扱説明書が
多いことか。見るからにコストをかけたきらびやかな取説があるが、いざ読み始めて見ると
全く何を言っているのか分からない。見る気もおこリャしない。
化粧品に限らずどんな商品でも正しい取り扱い方があるはず。その使用法だけではなくその順番、所要量、注意事項、これが丁寧で簡潔な文書で語りかける必要があるのに。
試用して頂くと同時に、ここで自社の根底に拘わることを説明している文書を読んで頂ける、ということも重要なこと。商品の取り扱いを通じて交流出来るような文書が必要。
やはり文字による情報伝達は一番大事だ、おろそかにしてはいけない。
・注文書
もし試用して頂き納得して頂ければ、つぎは購入。その段取りを用意しておく。
お客様に決して手間をかけてはいけない。
あとは先述の表を見て頂ければご理解頂けると思う。
この表のそれぞれのアクティビティーの後に、およその期間を入れておいた。当然のことながら企業の緊急性、要員の数、協力企業の有無、個人の力量によっても異なろう。一応、12ヶ月で準備をする前提で作成してある。
これは化粧品の場合であるが、他企業においてもそんなに異差はあるまい。
以下次号に続く。
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