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長年、大手通販企業様のコンサルタントとしてご支援してきた実績より、成功のために必要なやるべきこと、を伝えます。

Ohkura.com Consulting   代表 大倉 伸夫

【第30回】単品DM ちょっと上級 「市場導入とメディア (6‐5)」

2013年11月11日|トラックバック(0)

POINT

『通販支える人の仕組みと組織』
『組織はどう作られたか』

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■通販支える人の仕組みと組織
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 大学で開発した美容液

最近 多くの通信販売、ことに単品DMのマーケットが沸騰しているようである。
通常の通販企業ばかりでなく 新規がどんどん参入しているようだ
かと思えばおおよそ通販とは関係の無い企業や組織が参入している。

例えば 私が一番驚いたのが 大学が中心になって開発した化粧品が市場に出回っていることである。
コピーは「大学との協同開発から生まれた」。
考えてみれば 大学の研究機構の力と人材、「皮膚科学研究チーム」の高い知識、寛い経験、多くの肌情報を使えば化粧品開発も困難ではあるまい。
今や通販は組織や企業を越えて組織化されている と言うのはオーバーか。

単品通販の商品には特徴がある。
化粧品、健康食品 それに食料品がメインだ。

これらを含めて市場の伸び率が7%弱(通販協会)となっていると言う。

これだけ魅力的なマーケットでは 多くの企業が参入したくなるのは当然だろう。
ますます異色の企業の参入を期待したいし、驚きながらも業界の発展を見守りたい。


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■組織はどう作られたか
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前回まで 化粧品を中心に単品通販のビジネスの立ち上げを見てみた。
今回は主に通販のマーケティング以外の面から見てみたい。

「ピッキング・パッキング」という言葉がある。

この言葉はアメリカ型通販で古くから使われていた用語で、「摘み取り・箱入れ」とでも訳すのだろうか。ようは受注商品のリストを見ながら 棚から購入された商品を摘みあげ、注文通りに箱詰めすることだろう。
言葉の示す範囲は狭くても実際の作業は幅広い。
発注、入荷、棚入れ、ピッキング、パッキングラベル貼り、出荷などなど。
でも これも一つの組織の名称だとなっている。

また「フルフィルメント」と言う言葉もその後から出てきたように思う。こちらの方は文字通り訳せば「十問の実行」だろうか。
「物流」もしくは他と差別化して「通販物流」と訳しているかたもある。
しかし我々はもっと広義に解釈して「受注から入金に至る一連の活動」と考えることにしている。
従って 物流活動も仕事の一環に入るし お金の管理も入る と言うわけだ。

前回まで考えてきたことはこの部分を除いて ダイレクトマーケティングの3要素(顧客、商品、媒体)、核になる部分を議論してきた。 
では商品コンセプトができたとして、チラシができたとしてどうやって単品ビジネスを経営して行くか、又どんな組織にして行けば良いか。少し考えてみよう。


1.ビジネスのスタートでは。

 一番困難なのはこの立ち上げの時の態勢つくりだ。
兎に角 通販に知識ある要員が少ない。
また通常のカタログ通販と単品通販を混同し その違いを理解している方もいない。

 いま検討プロジェクトのメンバーを、今後も単品通販を担当される候補の方々という前提で見てみよう。

 要員候補の皆さんは以下のとおり。
 取締役会の下に 

  A氏 社長   別の系列企業もご担当されプロジェクトでは決済のみ参加。
  B氏 部長   このプロジェクトのリーダーで責任者
  M嬢      長らく製品開発、マーケティングを担当
  C氏      工場で生産管理関係を担当されていた。
  D氏 担当   入社三・四年目か。 
  L嬢 担当   本年入社
が継続業務を実行されると方々としていらっしゃるとする。
  
  お人柄。社歴、スキルなどは以下のとおり。

  A氏は本社の役員や子会社の社長も兼ねており このプロジェクトに参画されていても実質作業はできない。
  従って取締役会及び決済関連をご担当頂いている。

  B氏は現在ある部門の部長職。
  今回通販部門の部長に指名された。
  長らく営業関係を担当し、関東方面の店舗系市場形成に尽力されていた。
  従って店舗での販売に関しては充分なキャリヤをお持ちだが通販に関しては全く初めてだ。
  そのせいか若干の緊張感もあるが、非常に積極的でフランクだ。  
  気鋭な人柄でもある。まだ若く 夢もあり、若い方々を引っ張って行く力もお持ちのようだ。

  このプロジェクトの実質的な責任者で、終日こちらに勤務。
  勤務地に特に希望は無い。
  残念ながら通販の知識はなし。 

  M嬢 
  長らく商品の企画や開発に従事しきたマーケティングのベテラン。
  開発中の通販商品のコンセプトを作成 試作品の管応テストも自ら実施するほどである。従って媒体作成の素材は提供できる。
  商品開発の経験が長く、しかも積極的に参画してきている。 
  ただし 通販業務に関する知識・経験は全くお持ちでない。

  C氏   
  地元の出身。
  生産現場、物流部門(狭義のフルフィルメント)に経験深く、化粧品取り扱いの知識・ノウハウもある。
  人柄も温厚で多くの協力者が社内にいるようだ。

  D氏 工業系の学校を出て、入社三・四年目か。
  まだ企業に落ち着いて 腰を据える気になっていないようだが、それなりの実力はあるように見受けられる。
  まだ若いこともあり様々な場面で自分を試してみたいと思っているようだ。

  L嬢 一番若く、従って柔軟であると思われる。
  企業経験なし。
  インターネットに興味をもち、検索程度は自分で習得。

 今日では 通販がチャネルとしての重要性が認識され、多くの 若く優秀な人材が配属されて来ているが、一頃以前はマーケティング理論家や、現業に辣腕を振るう方々が多くいらっしゃったようにお見受けする。
従って今回の通販プロジェクトの皆さんは 無理して組織の中から優秀な方を捻出して頂いたようだ。
この方々でどうビジネスを切り盛りして行くか、重要な問題だ。

 一つ言えることは、多くの業務と量をこなさねばならないので 業務をかねて頂く必要がある。
本来なら一人一業務が最適なのだと思うがそれではこのプロジェクトの運用が廻らない。完全に人手不足になってしまうのだ。

 もう一つ言えることは 幸い要員の皆さんの年齢構成が適当であることと。
極端にご高齢もいないし、最も若い方で短大卒。事業部長が四〇歳そこそこか。
いずれも野武士と見受けた。

 もう一つの課題は情報システム関連の経験者が不在なことだ。
通販に必須な情報システムスキルを持った方がいらっしゃらないと将来に禍根をのこす。

そこで仕事の内容とスキルを調べて組織図を作成した。

まず事業部長はB氏。多分これは問題ないだろう。

その下 二部門制にした。
「企画・マーケティング室」と「工場(担当)」だ。この2つが当面事業を推進する。
「企画・マーケティング室」のヘッドにはM嬢を当てた。
なおかつその下をやはり二つにわけ、「商品企画開発」と「販売促進」を作った。「商品企画」はM嬢の直接兼務。
「販売促進」は「媒体ネット関連」とし L嬢。
これはL嬢の未経験の媒体関連を M嬢が支援できるだろうと言う読みによる。
そして「工場」はC氏をヘッドに「物流、品質管理、発送、情報管理部門にD氏をあてた。
所謂フルフィルメント全体だ。  
「総務」はC氏が兼務。

情報管理と言っても作成された管理用リストを的確に配布するくらいが限度でシステムを構築するわけではない。

ここで当然問題として浮上したのが情報システムの開発部門だった。
ここは今後の「1to1マーケティングを推進する場合絶対必要であると言う認識から再検討された。

幾つかの代案がでて絞り込まれた。
(1)新規にシステム作成する
(2)外部のシステムを借用する。
(3)運用を外部に委託する

ここでA氏の提案により外部から、システム及びシステム要員を借りてくることにした。
たまたまこの企業は近隣のシステムハウスに外注していたのでそのつてでコンタクトし、通販システム開発、運用だけを委託する。

但しシステムの基本計画のところは外注するわけにはいかないので内作に拘った。
その結果、新たに情報戦略を企画、検討、提言して頂ける人を得ることになった。
システム開発室としてコンサルタントに参加頂くこととした。
本来なら全て内作で実施したいところだがこれ以上コストを掛けられなかったのだ。

これで何とか形だけはできた。
無論様々な課題を抱えていることは承知の上であるが。

2.そしてn年後

 そしてn年後を見てみよう。

(1)まず 基本的母体に変更はなし。
   新たに 「マーケティング室」に「媒体関連」の組織を作った。
   役割は媒体企画から作成までとし販売力を強化した。
(2)一番大きな変更で外部ではあるがコールセンターを設置。
    マネージャー以下N名を外部要員で構成。
(3)システム構築
    情報システム構築を念頭に
(4)外部支援として 総務部、経営企画室、研究開発部それに工場が協力を惜しまなかった。
(5)データーベースマケティングのアドバイザリースタッフの協力を得た。いれた。

以上 かなりの変化だが組織として変更・追加された。


 「ピッキング・パッキング」と言う言葉がほとんど使われなくなったように「フルフィルメント」と言う言葉もそのうちなくなるのだろうか。 
その代わりに新しい言葉が生まれてくるのだろう。
生まれてくる仕事(売上)と用語が新しい組織を作に違いない。楽しみである。 

 

次号に続く

 

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