Home > 通販支援Blog > マーケティング > ダイレクトマーケティングを説く! > 【第2回】事業計画と顧客 顧客をベースにする計画立案

マーケティング

ダイレクトマーケティングを説く!ナビゲータ写真
記事一覧へ

長年、大手通販企業様のコンサルタントとしてご支援してきた実績より、成功のために必要なやるべきこと、を伝えます。

Ohkura.com Consulting   代表 大倉 伸夫

【第1回】単品通販 事業開発の実際 執筆にあたって

【第2回】事業計画と顧客 顧客をベースにする計画立案

2008年09月16日|コメント(0)トラックバック(0)

POINT

『事業戦略を見て唖然とすること』
『事業計画のキーは顧客』
『顧客から売上計画を作るモデル』
 1)新規顧客獲得による売り上げ
 2)顧客リピートによる売り上げ
 3)顧客獲得と既顧客向けオペレーション

───────────────────
■事業戦略を見て唖然とすること
───────────────────

さて、いよいよ事業を開始するにあたり事業の計画を立案しておかねばならない。

多くの企業は、トップの指示によって担当者が選ばれ、事業開発を委嘱される。事業の大枠は既に何らかの形で(通常は役員会で)決定され、それに従って進められるのだが、この指示の書き物くらいよく分からないものはない。

極端に言えば

「新規事業として通信販売事業を開始する。事業開始はXX年XX月、商品は新基礎化粧品シリーズ、対象顧客は弊社の弱点であったXXXX層の女性。売上目標はYYY期にNNN億円。」

というような調子だ。

つまり企業の戦略の一端として新たな事業分野へ参入して行くことのみが決定、指示を受けるのが普通だ。こう決まったから後は自分で考えろ、と言う訳だ。この文中には明日からどのような行動をすべきかと言う指針は全く無いのが普通だ。せいぜい期待売上金額を見て唖然とし、やがて溜息をつくのがオチだ。

しかし、特に新規事業として単品通販に参入するダイレクトマーケティング(以下DM)事業計画の立案は重要だ。これ無くして行動するのは危険極まりないことなのだ。


───────────────────
■事業計画のキーは顧客
───────────────────

このコラムで事業計画の全体を説明するにはちょっと紙幅がたりない。そこで計画立案で一番困難な点をお話ししたい。

どのマーケターも一番重要であり、なおかつ困難なのは年度別売上金額の組み立てだ。つまりどの程度の売上を作るビジネスにするか、もしくは経年どのくらいの売上を作るかだ。多くの企画書を拝見すると、ほとんど鉛筆を嘗めなめのようだ。なぜそれだけの売り上げが出来るかの回答が無い。

例えば既に店舗を展開している場合だったら、それを叩き台として組み立てる事が出来る。しかし全く新しい事業としてのDMでは皆目見当も付かない。
殊に全く見えない「顧客」にはお手上げだ。

繰り返しになるがDMで重要なのは顧客もしくは個客という視点だ。売上を作る段階でも実は顧客を大きなポイントと考えるのだ。

なぜそれが可能かと言えば、DMでは顧客をキーにモデルを作ることが出来るからだ。そのモデルに従ってビジネスのサイズを考え決定するのがごく自然だろうと思う。


───────────────────
■顧客から売上計画を作るモデル
───────────────────

DMの顧客の考え方は2つある、つまり、顧客獲得と顧客リピートだ。
従って顧客モデルもこれに従って設定され、時系列的に作られる。

1)新規顧客獲得による売り上げ

顧客獲得のためには見えない消費者に対してマスのマーケティングを行う。
しかしその効果を計測するためには対象となる人数を理解しておく必要がある。
そうなるとテレビやラジオといった、一体今何人の消費者が試聴しているか分からないメディアよりも、新聞折り込みチラシや小冊子のように配布数が限定される方が都合がよい。 

配布数の分かっている特定地域に、購入率の分かるオペレーションをすることによって効果を評価出来る。
また配布のコスト、折り込みチラシであれば制作料、配布料といったものは予め想定できる。最近は広告会社がインターネット上でこれらのコストを明らかにして顧客を募っているので、比較的精確な数字が把握出来るようだ。

新規の顧客獲得比率に関してもそれらの広告制作会社が類似商品の数値を蓄積しているので参照にさせて頂くと良いだろう。

これによってコンタクトする消費者の数、そのレスポンス、メディアのコストが分かる。
あと商品単価、おおよその利益率が分かれば、1プロモーション当りの売上、利益の概要は把握出来るはずだ。

テスト商品やサンプルは本商品と比較してコストが割高になるのが普通であり、従って単純に新規獲得だけでは利益が出しにくいとは思うが。

これで新規顧客獲得のモデルが出来上がる。後は規模で何回市場に打って出ることが出来るかだ。

ここで大切なのは、過剰期待はしないことである。あくまでも配布してリターンがあるまでは仮定の数値なのだ。


2)顧客リピートによる売り上げ

新規顧客の獲得と併せてタイミングを見ながら獲得顧客に対してリピートプロモーションを展開する。既顧客なので住所などの個人情報が把握出来ている。葉書、小冊子、カタログのようにこちらから送付出来るものが使われるのが普通だ。

まず対象顧客の数だが、今保有している顧客全体という訳には行かない。

実は顧客数の減衰が起っているのだ。主にポスト・オフィス・リターン(POR)とスリープだ。

PORというのはその名の通りメールを出してみたが帰ってきた、つまりその住所に住んでいない人たちだ。スリープというのはその名の通り顧客として機能しなくなった人たちだ。これらの数をあらかじめ読み込んでおく必要がある。仙台のように人口移動の激しい所もあろうし、山間部のように比較的安定しているところもあるだろう。

つまりここでの対象顧客は

「獲得顧客 ― POR― スリープ」

と言うことになる。

メディアのコストは制作、印刷、配布とあるが、これらも代理店、制作広告会社がおおよその数を把握しているので利用させて頂くのが良いだろう。
これらを掛け合わせると既顧客に対する1回のオペレーションの姿が見えるはずだ。


3)顧客獲得と既顧客向けオペレーション

新規顧客獲得のモデルと既顧客のモデルが出来たら、期待されている売上金額を作るためにそれぞれ何回オペレーションをすべきかを考える。
 
例えば、健康食品と言う商品を合計5000万円売上る計画を立てるとしよう。年間1顧客当り1万円の売上を期待するとしたなら、延べ5,000人の顧客を集める必要がある。

では延べ5,000人の顧客を集めるには年間新規顧客を何人集め、減衰を考慮したリピート顧客を何人にしなければならいかを組み立てる。
その上で新規獲得、既顧客向けのプロモーションを設計する。これを1年分時系列としてプロットするのだ。

できたらこのとき、単一の顧客数ではなく複数の顧客数を設定しておくと良い。
つまり最も大きい期待値と最も低い現実値、そしてその中間に実施値として、より現実的な値を設定するとよい。これは決して見えない数値を糊塗(こと)しようとするではなく、予定と実績の対比を行うのと仮定した変数を修正するのが主たる目的である。

初年度分の計画が出来たら次年度、3年度と作成する。
一度モデルを作ってしまえばEXCELでプログラム化出来る。変数さえ決定すればいつでも見る事ができるし、実績対比も可能である。

それではいつまでもそのモデルで良いかと言うとそんなことはない。経験上申し上げると、5年位が精確性の限度のような気がしている。

流通業が低迷する中、DMマーケットのみが拡大し続けていている。今日はインターネットがブレークし、モバイルが勃興しそうだ。しかも真水で。

このような時代に一定のビジネスルールが5年以上続くとは思えない。

それほど、流れは速いのだ。

トラックバック(0)

・このブログ記事を参照しているブログ一覧:

【第2回】事業計画と顧客 顧客をベースにする計画立案


・このブログ記事に対するトラックバックURL:

http://www.scroll360.jp/mt/mt-tb.cgi/552

コメントする

Home > 通販支援Blog > マーケティング > ダイレクトマーケティングを説く! > 【第2回】事業計画と顧客 顧客をベースにする計画立案