マーケティング
【第1回】単品通販 事業開発の実際 執筆にあたって
POINT
『単品通販事業立ち上げについて』
『中国と日本のDMの違いとは』
『DMで最も重要なのは顧客と言う視座』
『事業化にあたって』
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■単品通販事業立ち上げについて
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このコラムも書き進み、4回目を終了。前回で解放されるかと思っていたがムトウ・マーケティング・サポート社(以下MMS)のHP担当からもう1スパン記述するようにご指示を承った。
では何を書くべきか悩み、悩みながら担当にご相談したところ、「できたら単品通販事業立ち上げについて書いたらどうか」と言うサジェッションを頂いた。
確かにこのところ単品通販への事業参入はめざましい。事に「健康食品」の分野では業界著名のメーカーが陸続と、名乗りを上げている。
味の素社はむろんのことキリン社、サントリー社を初めとして地方の大手酒メーカーも名乗りを上げている。果ては農協、個人に至るまで新しい販路としてのダイレクトマーケティング(以下DM)を目指しているように思う。
今後、この分野での事業拡大はこれらの既参入企業の努力によるところ大だ。
しかし新規参入が盛んになれば、当然の事ながら事業に躓いてしまうケースも出てくるに違いない。出来ることなら事前に事業化の進め方を理解して頂き、無駄な努力を削減することも肝要と思われる。
と言うわけで、今回はビジネスの特性と言うよりも、事業としてどう取り組むかと言う角度から考えてみたい。
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■中国と日本のDMの違いとは
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話は変るが、今、北京はオリンピックの賑わいで大分昂揚しているようだ。
実はこの5月に、北京を含む中国各地から日本のDMの視察団がやって来た。
30人の大所帯。申し込みは45人いたというから今や大人気だ。日本側の受け入れは、私も属している「日中DM研究会」。
初日に私と事務局長の山本で日本の現状、各ダイレクトマーケターの事業内容などのレクチャーをし、2日目から見学。単品通販では熊本のS社、総合通販では高松のSS社、テレビショッピングでは佐世保にJ・T社を回った。
各社で懇切丁寧なビジネス研修を受けて来た今のところ、中国のDMの中心はTV。いやTVしかメディアが無いかの勢いだ。しかし中国通販では、現在大変な逆風が吹いている。放映料の高騰だ。
倍近くになると言う。既に時間枠を取ってしまっているし、商品は在庫になって倉庫に唸っている。さてその事業をどう転換すべきかが重要な課題になっていた。
逆に今日本のDMはメディア・ミックスに突入している。佐世保のJT社はテレビ、インターネット、紙、ラジオを縦横無尽・相互連携して使いこなしている。しかし、売り上げの多くの部分を占めるているのは、実は、チラシ、カタログの紙媒体なのだ。
中国も、テレビショッピングは可としても、早晩紙媒体へ遷るべき、もしくはメディア・ミックスすべきと言うのが我々の提案だ。この考えがようやく最近理解して頂けたようだ。
しかし、中国の皆さんには、何の媒体にせよ、このビジネスの中心は顧客もしくは個客であると言うことを、まだ理解していただいてはいない。ようやく議論やテストが始まったところだ。まだ、テレビの力や紙の力で物が売れ、ビジネスが維持出来ると考えているようだ。
実際は違う。それを理解して頂くのにまだ時間がかかろうと思われる。
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■DMで最も重要なのは顧客と言う視座
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私はDMで最も重要なのは顧客と言う視座だと思っている。これがDMの基本だ。
店舗系マーケティングのように見知らぬ個客が店に来て、商品探索して、商交渉して、決裁して、自分で物流することによって商いが収斂(しゅうれん)するのではないのだ。
これでは、消費者が店を一歩出た瞬間、その店とその顧客の間は切れる。これではDMではない。
DMは顧客が初回購入をすませた瞬間から個客になるのだ。その個客と繰り返しのコンタクトをし、お互いに理解し合う事によって初めてビジネスが成り立つという物だ。
これが、私がこれから書かせて頂くDMの事業開発の中核とご認識頂きたい。
今まで売り上げや営業利益、経費、純利益と言った数値で事業を計測していた。
むろん企業である以上それらの数値は大切であろう。企業が上場のフェーズに至ればそれが大きな評価基準になろう。しかし、DMビジネスを実践して行く上ではあまり役に立たない。
売り上げ数字だけを見ていたのではその売り上げを造っている個客の数すら見えない。実際には何人もの顧客がその売り上げを造ってくれているからだ。このままで、来年もその売り上げを維持出来るか?
これもその数字だけを睨んでいるだけでは分からない。ビジネスに参加して頂いている顧客が何人いて、その一人1人がいくら購入して頂けて、何人が離反して行き、そしてまた何人新たに顧客になっていただけるかによってしか、来年の数字なんか読めないのだ。
単に顧客の数だけではない。その個客とマーケターの関わり方の深浅によってもこの数値は変化するのだ。
これから諄(くど)いほど顧客のお話をさせて頂くことになろうかと思う。
我慢して頂きたい。この顧客もしくは個客と言う視座が単品通販の真骨頂なのだ。
そして、これが全く新しいビジネスの姿なのだ。是非、このことを理解した上で事業化を進めて頂きたい。
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■事業化にあたって
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私がDM事業のコンサルタントとしてお手伝いさせて頂く場合、その当初に
3つのことをお願いすることにしている。多分、新規事業においては店舗系でも同じであろうが・・・。
その1 新規DM事業の基本的考え方を明確にして頂く。もしくは明確にする。
DM事業の戦略的3要素が顧客・商品・媒体であることは今まで何度も述べた。
この3つがその企業にとって何であるかを明確にして頂くことだ。これを揺るがせにしておくと次の段階でブレてくる。当然足元が揺らぎ、先が見えなくなってくる。
その2 事業計画をしっかりと立てる。
これも何度もお話しさせて頂いたことだ。しかし、私が申し上げている事業計画とは、売り上げという数値による計画だけではない。
先程来申し上げている顧客を中心にした計画だ。当然商品や、メディア・媒体の計画が含まれる。フルフィルメントの計画も避けて通れなかろう。
初年度何人の顧客を獲得して、次年度どうリピートすると同時にまた幾人獲得して、何人がロストして行くか。その行程をしっかりと構築するのだ。
その3 初年度はテストの年(とし)
そのような事業計画を立てても、実際にやってみなければ分からないことが山ほどある。例えばレスポンス率という厄介なもの。これはコンタクトした消費者もしくは顧客から、どのくらいの割合で資料やサンプルの請求、もしくは商品の実購入が行われたかの比率だ。これだけは実際にはやってみなければ分からない。いくら緻密な計画を立てても所詮机上の空論になってしまう。先ずやってみることだ。その上で、数値を把握して事業計画を練り直す。
DM事業は決して皆さんが思っているほど楽なビジネスではない。
結果次第によっては本事業化を止めてしまうかもしれない。いや、実際には資金がついていかず途中で計画自体を止めてしまう事が多くあるのだ。
問題になるのはその後かたづけだ。コールセンターはどうする、在庫はどうする。要員はどうする。かけた資金はどうなる、といったことも発生する。従って最も少ない傷で終わるような工夫をしておく必要がある。最小のコストで開発し最小のコストで運営するのだ。
ただし、テストと言ってもそれはこちらの勝手な理屈であって、顧客は本気だ。テストとして活動を開始し、何度かリピートされたお客様に事業中止のお話をさせて頂くことほど悲しいことはない。
現実にお客様は「うちの商品」を気に入ってくれているのだ。もっと使いたいと思って頂いているのだ。
確かに、撤退も一つの戦略だ。しかし決して顧客対応に粗漏があってはならない。
それではここら辺を踏まえておいて頂いて、次回から事業化についてご説明させて頂こう。
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