マーケティング
製造業の単品通販〜ダイレクトマーケティングの受注予測って何だ?
POINT
『商品の受注を予測する』
『2つの予測?需要予測と受注予測』
『個々の商品(もしくは商品ジャンル)の受注の仕方には癖がある』
『購買の癖をパターン化しモデル化する』
『実データからどう予測するか』
『本当に予測出来るの??様々な課題』
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■商品の受注を予測する
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マーチャンダイザーや発注担当者がいつも悩むのは、今自分が売ろうとしている商品は一体全体どのくらい売れるか?だ。一般的にどうするか?
彼らは街を歩き回り、スタイルブックやファッション雑誌を見、テレビのバラエティー番組から流行を探り、最後は街で同じファッションの人たちをカウントして比率を求めたりする。まったく涙ぐましい努力だ。
一方で、過去自社で同じような商品がどのくらい売れたかをコンピュータで調べあげ、その数字が今上り調子なのか、下り調子なのかを見極めて数字を決める。
マーチャンダイザーは自分の企画した商品であるから当然のこと、思い入れがある。エイヤッとばかり数字を上げる、しかもいつも多目多目だ。
片や仕入れに責任を持たなければならないバイヤーは「この商品はそんなに売れないよ。」とばかり発注量を下げる。これも多め多目だ。
適正量が売れれば良い。しかし、どうしても「当らない」のがこの販売予測だ。
海外、例えばイタリアで買付けた商品に至っては最悪だ。殆どが小さなブランドで納期なんかありゃしない。納品数量も分かりゃしない。お客様から先付け納期の受注を頂いてもいつ納品出来るか分からない。
初回発注か追加発注かは別にして、最適な発注点、発注量を決め、なおかつ販売期間中にすべて完売にするには受注の量をキッチリと読むしかない。むろんそんなことを言っていられないのが発注期限だ。いつも身の後に迫ってくる。
このレポートの冒頭で、商品の受注予測は未完であると述べたが、それでは片手落ちなので、今回はダイレクトマーケティングがどのような方法で受注予測にチャレンジしているかみてみよう。
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■2つの予測?需要予測と受注予測
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実は通販の商品の販売予測は厳密に言うと2通りある。
まず、実施しているマーケターは非常に少なくなったが、本カタログを発信する前に予めテストカタログを特定顧客(コントロールという)に届けて受注を試す方法がある。
コントロールというのは、このマーケターの代表的顧客で、いつもこの顧客群を追いかけることによって、様々な情報を得させて頂く方々だ。
モニターとは違う。自分がコントロールであることを顧客は知らないのだ。マーケターから言わせれば定点観測対象だ。
このテストカタログは本カタログの1ヶ月か2ヶ月前に本カタログとまったく同一のデザイン、内容で作成、発信される。当然テストカタログが発信される以前に掲載商品構成は決まっており、それ以降のフルフィルメント(受注から入金にいたる一連の処理)は本カタログと同様に行われる。
このテストカタログ実施のための予測もされる。テストカタログ発信時点での予測は「需要予測」と呼ばれ、基本的にテストカタログ、本カタログ両方の予測を行う。テストカタログ終了時点の受注量は、本カタログの傾向をかなりな程度で示しており、重要な数値として取り扱われるのはむろんだ。
一方、テストカタログは受注量の予測以外にも使用される。写真やコピーのテストも兼ねており、その結果を見てカタログ自体も修正される。
従ってテスト終了後のカタログは厳密に言うと同一ではない。
また、テストカタログは本カタログと商品内容が同一でありながら数ヶ月前に発信されるので季節性がシフトし、レスポンスが異なるのは当然である。従って本カタログのレスポンスにそれぞれ微妙な影響を与える。
数ヶ月後に本カタログが発信される。こちらの受注量の予測は「受注予測」と言われる。
一般的に行われる受注予測は本カタログによる後半の予測のことを指す。
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■個々の商品(もしくは商品ジャンル)の受注の仕方には癖がある
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本カタログを配布し、ある一定の期間受注経過した後、その間の受注数に基づいて最終販売値の予測を行う。一般的にはカタログ配布後、1週目から2週目に受注のピークが来る。時系列で見た累積値を見れば一番高くなる。それを過ぎたあたりでシーズン終了までの予測を実施する。
そしてグッズ類のように追加発注できる物は追加発注し、アパレルなど
納品まで時間がかかるものは発注を予定していても予測が満たされなければ、発注停止など商品の適正在庫を維持する。ここら辺は単品でも同じだ。
ある通販業のレスポンスのパターンは同じか?
いや、この間の商品の受注曲線のパターンをよく見ると、ある一定の法則があるのが分かる。
秋冬シーズンの「炬燵」のようにカタログを発信してすぐは売上げが上がらず、ある期間が過ぎてから上がって行く商品群がある。考えてみれば当たり前だが、季節の前半は暖かくて炬燵などは不要で、寒くなり始めてから慌てて手配する、というわけだ。
ディスカウント商品の受注曲線のように売上げがすぐ上がり、すぐ累積値のピークが来てしまい、以降それほど受注が取れない商品群。
それにその中間ぐらいに位置する、ほぼ一定の量で推移する商品群がある。
面白いことに、女性用の高額商品、例えばブランド物の財布などはシーズンの終わりが近づいて初めて受注が立て込んでくる傾向がある。つまり狙っていた商品なのだが、やや値嵩(ねがさ)なので、すぐ購入するのに逡巡(しゅんじゅん)して、ネットや店舗などで価格比較して、シーズン終わり、つまりもう購入期限ギリギリに発注するからであろう。
このように受注累積の曲線にパターンがあるなら個々の商品ごとにどのパターンに当てはまるかを類推することによって予測ができないだろうか、というのがこの予測の発想だ。
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■購買の癖をパターン化しモデル化する
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そこで個々の商品の時系列の受注累積値で基本パターンを作成することにする。データはどうするか。データは過去に販売したすべての商品のレスポンスを使う。これを分析し、受注カーヴ(曲線)の類型を作る。通常5から6本の基本になる受注曲線が描けるものであり、後はその曲線を芯にして他の曲線に交わらない範囲で前後数本のサブ曲線が描ければ上々。
これを受注パターンとでも呼ぼう。
この受注パターンは各マーケターで異なる。当たり前だ、取扱商品も発信カタログも異なるのだ。同じ筈がない。この基準となる受注パターンができたら次に、基準レスポンスカーヴ(曲線)の受注線一本一本に対して式を作成する。つまり、予測する日までの受注数量を計測する事によって、商品の最終受注数量を算出する式を予め作成しておくのだ。この式を作成することによって受注曲線から最終受注を類推することができる。
受注の予測にはこの基準レスポンスカーヴとそのカーヴ毎の受注予測式を用意しておく。何もないよりは良いだろう。
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■実データからどう予測するか
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実データによる予測はこうやる。
いよいよ追加発注の日が近づいてきた。ある商品の発注量を決めなくてはならない。
そこでまず受注予測する商品の、その日までのデータを全部取り出し、受注予測日までのレスポンスカーヴを作成する。この予想対象データと基準になるレスポンスカーヴを1本ずつすべて比較する。そして予測対象カーヴに最も近いレスポンスカーヴを基準の中から選択する。期待するカーヴが見つかったらそのカーヴの保有している受注予測式を取り出し、予測日までのレスポンスの数値を式に当てはめる。そして求める結果を算出する。・・・・と言う手順ですべての商品を予測する。
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■本当に予測出来るの??様々な課題
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実際には様々な課題が発生する。
ある特定の日にロールアウト(発信)したカタログはすべての顧客の手元に同日に届き、同日読まれると言うことではない。
配達する物流業者の都合や受取人の事情もあるだろう。出荷日を過ぎたカタログが何かの都合で配送センターの脇に山のように出荷待ちをしているのを見たことがある。つまりそのようなカタログが多ければ多いほど受注日がずれるのだ。それもデータの内、といってしまえばそれまでだが。
また商品には大化けとうことが良くある。("良く"はないかな)
思いもしない、こんなのがと思われる商品が山のように売れるのだ。本来は嬉しい悲鳴だ、しかし、実際に売るべき商品はない。受注が来てもお断わりするしかない。誰も予測のつかないほど大化けする商品が、これらの基準レスポンスなどを軽く無視して発生することがある。
以前は、受注が来ても在庫確認出来ない受注はお断りしていた。「商品がないのだからしょうがない」というわけだ。最近ようやく「在庫が切れていて売れなかった商品も」データとして把握すると言うフルフィルメントに変ってきた。いわゆる受注の機会損失、「売り損ね」商品だ。
このような不可避な条件が重なり、「予測と言うのはなかなか当たらない」という事になる。
「当る当らない」のような占いのレベルでビジネスが出来るのかと言う議論もあろうかと思う。しかし、実際の現場のマーチャンダイザーやバイヤーは「サイコロを投げて決める」ような全く論拠のない数値によって初回発注、補充発注するわけには行かないのだ。少なくとも科学的な評価を組み込み、彼らの予測数値も利用し、決定の拠り所としている。
しかし、最終的にはやはり、彼らの決断によることは当然である。
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