マーケティング
製造業の単品通販〜単品系通販の個客はこう変化する(4)
POINT
『「個客期」→「スリープ期」』
『個客期 (個客自らが発注行為をする)』
『その為には何をやるか』
『顧客ロストと言うこと』
『一番大切なこと』
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■「個客期」→「スリープ期」
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前回は顧客が本商品を初回購入してから数度の購入に至るまでの過程を見てみた。
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■個客期 (個客自らが発注行為をする)
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顧客をマネージするTSR(テレフォン・セールス・レップとも)の努力で1人一人の顧客が、化粧品のような少々複雑な商品の知識を身につけてゆく。
それと同時にその商品が、自身の肌質に適合しているのを実感しその使用を持続して行く。
それは「特定商品の習慣化」で、その商品が顧客の生活の中に根付いて行く課程そのものである。

この時期の顧客行動の特徴は何であろうか。
1つに、注文形式の変化が挙げられる。今までは2ヶ月に1回来ていたパンフレットやオペレータのコンタクトに触発されて受動的に購入していたのが、自分から注文してくるようになるのだ。勧誘による購入と、
自らの発注では天と地ほど異なる。習慣化とはいえ競合商品のテストの機会も多くあるだろうし、別の商品を勧める隣人もあるに違いない。
それでも商品が無くなると自ら電話を取るほどであるのは、明らかにその商品に代表される企業に思い入れを持ち始めている※1証左であろう。
それをもたらすのは実に対話によって生まれた顧客とマーケターの学習関係だ。その結果としてマーケターが何もしなくても自ら発注するという顧客行動へと変化をもたらすのだ。
別の見方をすれば最小のマーケティングコストでビジネスをすると言うことだ。
これがこの期の最も大きな購買行動の変化である。
その他の顧客行動としては「口コミ」がある。これは顧客が意識するかしないかは別にして、自分が納得している商品を第3者である見込み顧客に、商品そのものや企業を教え※2称揚し、結果としてその人の購買意欲を刺激することである。時には購買に結びつくこともあるだろう。しかし、直接購買に結び付かないにしろ、商品知識の移植ということでは大きな効果を発揮する。
口コミは大きな社会では行われない。いつも数人、もしくは2人の世界で行われる。しかしその数は問題ではない。1つの社会に属する1人の顧客は別の社会の構成員でその社会での口コミもあり、次々と増殖して行く。
むろん、その逆のケースもあり得る。マイナスの評価が伝わるときは極度の負の効果をもたらしかねない。
このような小さな社会の中で、一人の実施経験の情報を保有している人を中心に、情報が伝播して行くのがコミュニティーの特徴である。
例えば旅行という商品を考えたときに、中心にあるテーマを持ったツアーコンダクターがいる。その回りにそのテーマに興味を持つ顧客がいる。
そして必ず外部にそのコミュニティーをサポートする支援者がいる。
そのテーマに知識を有するオーソリティー、指導者であることが多い。
マーケターは何処か。マーケターはもう一つ外側から、宿、交通手段、コミュニケーションの等の支援をすることになる。
最後のケースとしては、顧客とマーケターとの協業にまで発展するケースである。
一般的に顧客はマーケターの広報宣伝活動より同じ立場の人からの教示に関心を示すものである。
その顧客が何を言ったかによって最終判断を下す場合が意外に多い。
カタログやチラシに使用者の使用意見や経験談を述べさせることによってその商品の信頼性を高め、評価を上げることに協力する。
多くの場合は著名人もしくはよく知られた人であるが、それでも単なるモデルではなく、マーケターの代弁者として語っている場合もある。
この段階では既に単なる顧客の域をでて、マーケターと一緒に行動する顧客になってきている。
また、このような人を自社の顧客データベースから探すのも楽しみの一つだ。
むろん、ヤラセは全く論外であるが。
※1証左(しょうさ):事実を明らかにするよりどころとなるもの
※2称揚(しょうよう):ほめたたえること。称賛。
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■その為には何をやるか
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この期の顧客にいかに対応するか考えてみよう。先程定義したように、最も特徴的なのはこちらからのアクセスに対する反応ではなく、自らの行動である。
当然その行為に対して「礼」を返すのは当然だろう。多くのダイレクトマーケターで自ら発注してきた個客に、受注タイミング以外で「礼」を述べているケースはほとんどあるまい。(貴方がやっていたら失礼。)
逆にこんな礼を欠いたことはない。必ず対応しているオペレータが御礼のコールを入れる。もしくは感謝の文を書く。簡単で良い。心をこめて。
あるいはもっと積極的に提案をして行くのも必要に違いない。気を付けて頂きたい、販売ではない。ことに化粧品などの商品は新しい素材を使ったプロダクトが次々と考案され、発売される。その使用法を現在の手当の方法に加味して伝えることはより重要であろう。
季節性もあるだろう。前述のように化粧品は加齢、季節、肌質が最重要課題であるなら、そのような個客情報を熟知しているのはマーケターだ。
季節別のより肌理の細かい使用法の提案、集中ケアなども効果をもたらすに違いない。
あるいは情報交換の中で積極的に自社の実際の姿を示して行くのも必要であろう。新しいポイント制度の導入、新商品、現在製造をしようとしている商品、定番の動向などなど。
マーケターが開催するイベントや社会貢献活動への参加も必要かもしれない。
演劇、演奏会、スポーツなどの主催開催に当って無償のチケットやプレミア・グッズなどの提供もあるだろう。
筆者の知見では、九州系の単品通販企業が自社単独で発行している小冊子がある。
これはその企業のトップが、この「感動と潤い」の無い社会を何とか変えて行きたいという思いから、ブックレットを継続的に発行しているのだ(言い換えると「いた」)。それも偉人賢人の類ではない。市井の一隅を照らしている人々の生活の記録である。これを、本商品送付時にさりげなく同梱しておく。読まれないかもしれない、読まれるかもしれない。
彼はこの冊子を通じてメッセージを届け、何かを顧客に訴えたいのだ。
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■顧客ロストと言うこと
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顧客はどのフェーズにいるにしろマーケターから離反して行くことは否めない。
すべての顧客がすくすくと育ち、ライフ・タイム・バリュウを継続的に進展させるなどということは無い。
必ず、ロストする。
あるマーケターでは10回以上の購入のあった個客を良い顧客としていたが、その個客達の11回目に対するリピート率は95%であったという。つまりどのように良い顧客でも「絶対」ではなく必ずロストするのだ。
◇いつロストするか。
既に顧客獲得した時からロストは始まっている。サンプル請求顧客の半分は対象外だ、トライアル購入の多くは本商品購入に繋がらない。
習慣的使用に購入が進んでいる時期にも、個客として大切に扱って居る時期にもロストは起る。
◇個客の離反は何故起るか
むろん、様々なトラブルが発生しそれに巻込まれることもあろう。商品が気に入らないこともあろう。新しいもっと良い商品が出現したのかもしれない。新しい素材や原材料が開発されたのかもしれない。
大切なのはその離反の原因をチャンと知っていることだ。多くの場合、なぜ離反したのか原因を探ろうとせず、商品に帰一させているようだ。
顧客の離反の理由を知ってこそ対応が取れる。その為にこそ対話が必要なのだ、小さい社会が必要なのだ。
◇この山のようなロスト個客どうする。
前回も述べたが今や個客は財産だ。企業を形成し、売り上げをもたらし、利益を上げさせて頂けるのは個客しかない。ロスト個客と言えやはり財産なのだ。これを放置しておく必要はない。
個客獲得には膨大なコストがかかることは前に説明したとおり。ロストとはこの獲得コストをドブに捨ててしまうことだ。何とか回収しなければならない。
幸いなことにロスト個客のすべての情報は蓄積されたままになっている。
ここで問題がある。ロスト個客のタイミングとはいつか、つまり個客のスリープはいつから始まったかと言うことだ。基本的にはその取扱商品によって異なるだろう。例えば化粧品で言えば、特定商品(例えばクリーム)を最後に購入して以降6ヶ月間購入がなければロストと判断し、次の1日目からスリープに入るとする、などと決めている。顧客情報を分析をしての結果だ。
むろん、スリープ期間も影響してくるだろう。すべてのロスト個客がスリープではない。一般的に1年スリープ、2年スリープ、3年スリープに分けて考えた方が良い。それによって顧客評価の重みを変える必要があろう。
また、その個客が商品購入やリピートをして頂いていれば個客情報として残されているはず。とすればロスト個客としての価値を計ることは可能なはずだ。そして1人一人の価値を並べることは出来るはずだ。その中から顧客に復帰して頂ける可能性を判定出来るはずだ。
こうして再計算され、選択された個客に対してプロモーションを打つ。
通常のプロモーションのついでにカタログを送って様子を見ると言う方法もあるかもしれないが、あまり効果はない。やはりロストしたことを念頭に入れたプレミアムや特典を意識しなければならない。「貴方はかつて自社にとって良い個客でした。一刻も早くまた良い個客に帰って頂きたい」
という気持ちを明らかにすることが必要である。
このような手法をスリープのウェイトアップと言う。
既に多くのマーケターが個客獲得の新たな方法として実施している。新規顧客の獲得に比べて既に多くの情報を蓄えているので、それだけの効果はあると言う。
個客戦略の一つに加えるべきであろう。
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■一番大切なこと
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ここ数回のコラムで、顧客の消費者からロストまでの変化を考えてみた。
一番大切なことは
・マーケティングから見た貴方の顧客のフェーズを理解する。
・その顧客がどのタイミングで、どうフェーズ間を変遷するか理解する。
・そのプロセスを描いてみる。
・そのタイミング、タイミングで顧客とどう対話するか構築する。
ということを考えながら顧客を知ることなのだ。
次回に続く。
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