マーケティング
製造業の単品通販〜商品を分析するには
POINT
『顧客と商品の関連を知る』
『商品間の関連を知る』
『顧客と商品の関連を見る』
『商品間の距離を測るということ』
『顧客と商品の関連で同時購入性を高める』
『他の業態では?』
前回は良い顧客とは一体誰なんだ、と考えてみた。いろいろなことが分かったと思う。
そして次は商品を考えてみようと思う。
商品の分析も様々あるだろう。
ここではダイレクトマーケターが一番興味のあるテーマ、
「この個客は今回はこの商品をお買いあげ頂いたが、次回は何を買われるか」
を見てみよう。
顧客ではない「個客」だ。
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■顧客と商品の関連を知る
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既顧客がどのような商品に興味を持つかを知ることは、流通を担当する人々にとって大変興味のあるところだ。店頭であれば個々の顧客と会話をすることによってそれを聞き出すことも出来だろうし、あるいは顧客の売り場での購買行動をじっくりと観察することによって、理解できるかもしれない。目の前のお客が暗にそれを教えてくれるだろう。
ダイレクトマーケティングでは顧客の顔が見えないままに商品の品揃えをしなければならないのだ。テレマーケティングで問いかけることも可能であるし、あるいはアンケートやモニターを通じて類推する事も可能であろう。しかし、顧客と直接接点を持たないダイレクトマーケティングでは、どの顧客がどのような商品にウォンツがあるのかを顔を見ながら聞くことは出来ない。
昔、サンフランシスコの有名な百貨店で聞いた話である。
そこでは、顧客が売り場で商品をお買いあげ頂いた後、必ず次の売り場をそれとなくご案内することをルールにしているそうである。
例えばフェラガモの靴を買われた顧客には、ネクタイ売り場への声かけを行い、顧客によってはその売り場まで同道してまでご案内するそうである。
どうしてそのようなことが出来るのであろうか。すべてではないが多くの売り場には、その当時からコンピュータの端末を備え付けており、その顧客に関するすべての情報を売り場で見ることが出来る仕組みが備えてあった。その顧客の顧客属性、アメリカ特有のデモグラフィックデータは当然の事ながら、RFM、過去の購入商品、接触履歴など。そして同時に、今購入した商品に関連してお薦めした方が良い商品群が表示される。
実にその店ではフェラガモの靴を購入された7%の顧客がネクタイをご購入されると言うことであった。たかが7%の顧客がと思ったが、その店のカタログ販売のレスポンス率と同じだと知って驚いた。
むろんこのような顧客を知る技術は店頭だけで開発されたシステムではなく、バックヤードで稼働しているダイレクトマーケティングのシステムと同期しているのである。
顧客とその顧客の購入可能商品の関連を知る上で重要な課題は、商品間の関連を知ることである。
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■商品間の関連を知る
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「商品間の関連」というのは何だろう。女性が好む商品だとか、いつも買われる定番商品だとか、ある曜日や一定期間に売れる商品、クリスマスシーズンのヒット商品などなど、色々あるに違いない。
しかし、今は「多くの顧客が1回の購買行動で同時に買う可能性の高い商品」と仮に定義しておこう。むろんそれ以外の定義も多くあると思われるが、その顧客が1回の購入、つまりある商品を購入したすぐ次に購入したいと思われる商品を発見する、事とする。
ただし、同時に買われる商品を知ったとしてもそれだけでは十分ではない。
次に買われる可能性のある商品というのは多数存在するであろう。
知らねばならないことは
「どのくらいの可能性で同時に購入されるか」
を知ることだ。単に「同時に買われる」では、たまたま買われることもあろうし、また、ほんの少しの人が同時に購入するケースもあるであろう。
ここでは、同時に買われる度合を知ることである。
つまり「どの商品とどの商品がどのくらいの可能性で同時に買われるか」
が「商品間の関連」と考えるのだ。
それではどのような手法で商品間の関連を知ることができるのだろう。
単に商品ごとの売り上げや数量を漫然と見ていても、そこからこの商品と関連のあるデータは思い浮かばない。そこで顧客と購入商品の観点から見ることにしよう。
もう一つのポイントは顧客同士似た顧客か、異なる顧客かを商品という観点から見ることだ。この似ているか似ていないかを見る方法も、その顧客の購入商品、つまり同一の商品を購入しているかどうかの視点から見ると言うことである。
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■顧客と商品の関連を見る
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少し模式的になるが考え方を整理して見てみよう。今、(縦)列に顧客をならべ、(横)行に全商品を配置した表として顧客データベースをイメージして頂きたい。
むろん実際には顧客は数千人から数百万人存在する。全件を分析対象に出来なければサンプルを抽出してもいいではないか。行で展開している商品は単品ではなくてもよい。本来は単品ベースが良いのであろうが、1回のカタログ発行で数千アイテムを掲載するのであるから、無限とまで行かなくも
膨大となり、コンピュータで処理出来ない量になってしまうことがあり得る。
また、お薦めするのは単品ベースでなくても良いのであるから、当面は「商品ジャンル」などとする。これなら、一般的に数十から数百止まりで千を超えることは滅多にあるまい。従って処理の単位は商品ジャンルに、つまり「ネクタイ」とか「男性化粧品」という事になる。次にその表に一人の顧客が購入した商品全部に印を付ける事にする。当然購入しなかった商品はブランクである。この図から商品同士の関連、つまり商品間の距離を見ることにより、顧客間の距離が有意であるかどうか調べる。
今、貴方のショップに個客が3人いたとする。aさん、bさん、cさんだ。
それぞれ貴方のお店で既に商品を買われたお客様だ。個客aさんは商品1と商品3を買われた。個客bさんは商品2を買われた。そしてcさんは商品1を買われていたとしておこう。
商品から見れば、商品1を購入したのはaさん、cさん、商品2を購入したのはbさんだけ、商品3を購入したのはaさんだ。この顧客a,b,cの間に購入商品から見て何が言えるだろうか。
そこでこういう仮定を立ててみよう。
1)顧客aと顧客bの距離と、顧客aと顧客cの距離を比べると「顧客aと顧客bの距離」の方が「顧客aと顧客cの距離」より遠い。
なぜならば、顧客aと顧客cは共通の商品1を購入しているからである。
一方、顧客bは商品1は購入していず、商品2のみ購入しているから。
2)また、顧客bと顧客cが商品3を購入する可能性は顧客bよりも顧客のc方が高い。
なぜならば顧客cは、商品1を買っている顧客aと同じ商品1を購入しているが、顧客bはそのいずれも購入していないから。
もし、この仮定が正しいのなら、顧客aと顧客cはきわめて近い顧客と言うことになる。このように購入商品により顧客同士遠いか近いかを測り、それぞれ近い順に並べ換える。そうすると商品間の距離に基づいて調べた顧客の距離が判明することになる。
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■商品間の距離を測るということ
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商品間で遠い近いと言うことがあると分かったとして、実際にはどのように計るのだろうか。全データを手で並べ替えるかい?
そんな心配する必要はない。ここでも統計の力を借りることにする。
使用するのは「数量化理論3類」などいう手法である。「数量化理論3類」と言うのはこの場合のように、それぞれの商品の距離をある値として算出してくれる。それを利用して計測するのだ。
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■顧客と商品の関連で同時購入性を高める
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このように理解された顧客と商品の関係は重要だ。ことにカタログ作成などには大変価値がある。カタログ作成にはページネーションという概念があり、見開き単位でどのような商品を配置するかによって、同時購入性を高めることが可能だからである。また、複数ページに渡る場合は、より近いページ
に同時購入性の高い商品を配置する等の工夫が出来るだろう。女性のファッション商品と男性用のアウトドア用品ではどう考えても同時購入性は低いだろう。従って出来たら別ページ、もしくは別の冊子として編集した方が良いだろう。
実は非常に重要なのは、この商品群、もしくはジャンルのその向こうには一人一人の顧客がいることである。あたかも商品を括って同一購入性を狙ったように見えるが、実は顧客群を選び括っていることになる。
事実上、顧客のターゲティングを商品ジャンルに基づいて実施していることになる。
実際に目撃した事例である。非常に家具に強い総合カタログを発刊している企業があったが、総合ということでかなり分厚いカタログで情報提供を行っていた。そこで、その中からファッション関係だけを別刷り分冊にしたところ全体の売り上げが向上したということがある。これなども顧客ターゲティングを意識して分析したか否かは別にして、同時購入性の高い商品の括りが利いている事例と言えよう。
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■他の業態では?
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このように、商品同士の遠近から商品の同時購入性を導き出し、顧客に提示するのは決してカタログビジネスばかりでは無かろう。店舗でも充分考えられることである。
ロードサイドの洋服店チェーンで顧客の購入商品の組み合わせを分析した企業があったが、店舗の人が当然と思っていた買い方を、実は顧客はしていないことが分かったことがあった。
背広、ネクタイ、Yシャツの三点セットはともかく、式服ばかり何枚も購入する顧客や、バーゲンとカジュアル専門顧客、洋服店なのに靴しか興味を示さない顧客が現実に存在するのである。これらの顧客を知り、どのようなプロモーションを展開するかは大変重要な事だと思われる。トラックバック(0)
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