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長年、大手通販企業様のコンサルタントとしてご支援してきた実績より、成功のために必要なやるべきこと、を伝えます。

Ohkura.com Consulting   代表 大倉 伸夫

やさしいデータベースマーケティング<後編>

改善の指示は絶えず顧客から〜「改善型マーケティング」を考える<前編>

2006年07月11日|コメント(0)トラックバック(0)

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■「改善型マーケティング」とは
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どんなに巨大なダイレクトマーケティング企業でも、その成長のプロセスはジグザグだ。それはまるで急な坂を息を切らせて山を登るようだ。

大小内外を問わず、問題を起こし、それを改善し、そして又登り、そして又問題を起こす。そして又改善する。一歩後退二歩登坂だ。

一見華やかに見える企業だって実は改善の連続だ、大小はあるけれど。

その問題に対する姿勢を私は「改善型マーケティング」と呼んでいる。(ほんとは「トヨタ流の」と入れたいがトヨタさんからまた怒られるので止めておこう。)

2回にわたって考えてみたい。


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■毎日の行事「歌留多(かるた)とり」
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もう十年位前になるだろうか。
今ではテレビショッピングの雄に育った九州のある企業にご訪問したときの話。

契約書の並べ直し

コンサルテーションに入る前に、この企業の仕事の流れを伺いながら、オフィスのいろいろの場所を拝見し、又現場の方々とお話をさせて頂いていた。

受注セクションまで行った時に実に奇妙な光景を目にしたのだ。
妙齢の女性数人が、左手にA4の半分くらいの用紙の束を持ち、右手でそれを一枚ずつ床の上においているのだ。床には縦横に紙の列が並び、時折吹いてくる風に飛ばされようとしている。そのたびにそちらの方に行っては押さえつけ風から守ろうとし、そして又床の上に置いているのだ。

その当時まだCRMなんてのは無かった時代で、従ってコンピュータに直結した端末(ダム端という)が数十台並んでいる真新しい近代的なオフィスでの話。

それにしても珍しい光景、当然私の悪い癖、俄然興味を起こし何をやっているのかご案内頂いた社長さんに伺ってみた。話をうかがって驚いた。

実はこの企業では通販の支払い方法の一つに割賦を取り入れており、しかもその手数料を自社負担にしており、そのこと自体がお客様に受け入れられていて売り上げを押し上げているとのこと。

女性達が片手に持っていたのはその契約書。
じゃぁ、何をしていたかと言うと、割賦の証書は個人別に割賦月数分の枚数が出力される。しかし、信販会社との契約は月別。従ってそれを全てもう一度月別に並べ直しているのだ。

「歌留多(かるた)とり」と言っていて毎日の仕事の終わりに行う行事。
この時の枚数が多ければ多いほどその日の業績はルンルンとのこと。

しかしその企業は丁度上り調子のタイミングにいたので、毎日毎日契約書が増え続け、「歌留多」の厚みも増し、従ってお嬢さん達の残業の連続。遂には一つの山が崩れて、他の山の用紙が紛れ込みそのまま信販会社に持ち込まれトラブルのモトにもなった、とのことも頷ける。唖然としてしまった、のはご推察のとおり。


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■業務活動の歪み
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ダイレクトマーケター(以下DM)が成長して行く過程で必ず直面する課題が幾つかあると申し上げた。その一つが事業の成長(数的増加)に伴う業務活動(処理増加)の歪みだ。

毎年毎年増加し続ける受注、増える物流量、配送の間違い、返品処理の遅れ、比例して多くなるクレーム、従業員の疲弊やモラルの低下等々。全ての改善の必要性はこの歪みから発生してくるようにも見える。

何故処理能力を超えるような作業が発生するのだろう。通常であれば時間内に充分こなせる仕事が、何故終わらないのだろう、と思い悩むところだ。

女性達は時間内で仕事を終わらせる工夫を幾つもしていた。
まとめる人と仕分けする人を分業する、確認をする、日付の付いたボックスを利用する、などなど。涙ぐましいばかりだ。

通常、真の原因、課題の本質はそのセクションには(今の場合女性達だね。)無いのだ。仕事量が急増したり、残業が増えたり、顧客とのトラブルが多発していることは表面に事象として現れた事柄なのだ。
むしろそのような問題を※惹起(じゃっき)した元々の課題を発見する必要がある。

従って、この場合、何故「歌留多取り」をしなければならないのか、何故そのような仕組みになっているのか、にまで問題を掘り下げて行く必要がある。

課題は決して自ら課題だと言って姿を現しはしない。いつも隠れている。
それは現象と言う形を取ってしか現れない。しかもいつも現場に、現場の業務に阻害という形を持って現れる。

※惹起(じゃっき)・・・(問題を)ひきおこす

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■課題はいつも前工程にある
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簡単に言えばその作業自体に問題があったわけではなく、そのもう一つ前の工程にこそ問題があったのだ。しかもごくごく単純な問題が。課題の存在場所はいつも前の工程という。

ちょっとコンピュータに知識のある方だったらお分かり頂けると思う。
契約書を印刷する直前のプログラムにソート(並べ替えのプログラム)の仕組みをそっと仕込んでおけば何ということは無かった筈。顧客別から日付順顧客順に設定しておけば、何も改めて「歌留多取り」をする必要が無かった筈だ。

なぜ、そうしなかったのだろう。単純な疑問が湧く。
そこにも何か困ったことがあったのではないか?


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■顧客からのメッセージ
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今、私がお話ししているのはあくまでも改善であり、改革ではない。
改革はビジネスの基本を再構築することであり、改善は既定のビジネスの業務を作り直すことである。

大きなポイントはこのような点だ。

1)問題は必ず発生する。問題のない企業なんか無い、成長期はことのほか。

2)その情報は必ず外部(この場合はお客様だよ。)からやって来る。
  少しずつ、しかし確実に。

3)内部の問題のように見えても、必ず外部にも影響をもたらしている。

4)問題の現象は見えるが根幹は発見しにくい。だって前工程での課題が多い。

5)発見された問題のひどさ具合は比較的計数化しやすい。従って改善結果も
  目標値も設定しやすい。

6)改善行動に移れる。

DMは全てが顧客を向いたビジネスなのだ。
全ての顧客との事業活動は、数値化されて情報システムに蓄積されている。
そして顧客対話によって企業が成り立っている。
これこそ「改善型マーケティング」の真髄だと言える。

この企業も、中間に信販会社が入っていて良く見えなかったのだが、代金回収では幾多のトラブルを起こしていたようだ。当然その声は聞こえていた、微かに。それは顧客からこの企業に投げかけられたメッセージだったのだ。

まだCRMが未成熟の時代、オペレータ個人個人が顧客対応(おもに受注だが)をしていた時代、企業として受け取るべきクレームとは認識されていなかった。つまり問題を顕在化することが出来なかった。

改善の指示は絶えず顧客から投げかけられる。
それをどうすくいあげ、改善に結びつけるかが我々のマーケティングのあり方だと思う。

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