マーケティング
やさしいデータベースマーケティング<後編>
────────────────────
■ターゲティング、売上予測、RFM理論
────────────────────
さて、今期のカタログを配布するとしよう。この時にこの顧客の層を使うのだ。利益を良くするためには当然優良顧客を、その中でも最も優良顧客のピカピカ層を第一に選択するだろう。
その次に優良顧客のギンギラ顧客を選択してもいい。それでも売り上げが足りなければリピートを祈って新規顧客を、もしまだカタログが余っているなら、休眠顧客にも配ってみよう。
そのような各層を混合することによって、期待する顧客の数を作るのだ。

これが顧客の選択、つまりターゲティングだ。
ところで層別、層別と言っているが、実はそこはひとりひとりの顧客の集まりである事を忘れないで欲しい。そのひとりひとりの顧客が、次にそのくらいの金額を作って頂けるか分かれば、もっと顧客選択しやすいはずだ。ここではちょっと安直だが、その顧客の総購入金額を購入回数で割ったものでも使ってみよう。当らずとも遠かるまい。各層の顧客の購入可能金額を累積することによって、大体どのくらいの売り上げになるか分かるものだ。こうやって売上金額の予測値をだす。
この時の最終購入日だとか購入回数というのはなんだろう。
これはデータベースマーケティング開発研究の過程で出来た仮説なんだよ。
直近(R;リーセンシー)で買って頂いた顧客は、今回も購入可能性が高い(のではないか)、購入回数(F;フリークェンシー)の多い顧客は、今回も購入可能性が高い(のではないか)、購入金額(M;マネタリー)の高い顧客は、購入可能性が高い(のではないか)という有名な理論だ。RFM理論という。
ついこの間まで一番精巧な理論と言われていたものさ。
結果的にはこの理論は正しかったんだがね。
こんな風にして自分のリストから選択した顧客は、全く何も考えないでリストの上から順番にピックアップした顧客よりはるかに購入可能性が高いはずだ。
それではどのくらい効果があるのか、と言うことになる。残念ながらそれは言えない。
言えば多くのクライアントからクレーム集中だ。
一つだけ言えるのは、実施した最初の顧客セグメントの効率は非常に高い、明らかにレスポンスを改善出来る、と言うことだ。
当たり前だ、今まで何もやってこなかったのだから。
ただ、その効果を継続するには技術を要する。
───────────────────
■RFMポイントの失敗談
───────────────────
ここで失敗談を一つ。
20年ほど前、まだデータベースマーケティングという言葉が何となく身に付かなかった時代の話だ。
我々が犯したいくつかの誤りがある。
この理論は、1930年くらいからアメリカで顧客分析のために開発されたRFMポイントという洗練された手法として喧伝されていた。「よし、やろう」と言うことで顧客のデータを集め、何とかデータベースらしい物を作った。
さてそこでRFMの「ポイント」の考え方に困惑した。そこでそれぞれの値ごとにポイントを賦与することにした。これが第一の失敗だった。例えば1回購入して頂いたら10点、2回だったら20点のような発想法だった。3ヶ月以内の購入だったら10点、6ヶ月以内の購入だったら5点、と言う風に。
まったく顧客の行動を客観的に考察しようと言う発想ではなかった。
従ってあまり当らなかった。
第2の失敗は「R」の多用だった。たしかに「R」の値は強かった、つまり直近で購入して頂いたお客様は、実に次回も買って頂きやすかったのだ。従って購買日時の近いお客様ばかりを選んで訴求し続けた。しかしそのうち明らかにリスト力が弱って来ているのに気が付いた。
確かに顧客の中には購入間隔は長いが、購入金額の大きい方がいるので当然だった。
この反省が、何とかして科学的に顧客を見る目を持とうと言う願望だったんだね。
───────────────────
■すべてにRFMが利くとは限らない
───────────────────
ところで、気を付けて頂きたい事が一つ。RFMが利くからと言って、どのダイレクトマーケターでも、これが出来るとは限らないよ。
例えば、インバウンドで化粧品を販売している単品通販業の方。確かに個客全体、又はその動きを俯瞰(ふかん)するには良いだろうけど、こちらからコンタクトしないのだから顧客選択をしてもあまり意味は無い。もし、いっそのことこの機会にアウトバウンドに切り替えるんだったら効果的かもしれないがね。
───────────────────
■科学的にビジネスを見るために
───────────────────
データベースマーケティングと言うと、何となく取っ付きにくい存在だったよね。
けれど、今では多くの企業で研究され評価され続けてきて実用化されている。例えば2000万人のリストを持っていて、1シーズンに1000万冊のカタログをロールアウトするとすれば、嫌でも1000万人のリストをそぎ落とさなくちゃならないんだもの。
顧客を選択する技術はどんどん洗練されていくに決まっている。
ソフトウエアのベンダーさんからも
・仮説を見つけ出すツール 〜データマイニング
・人の言葉を解析するツール 〜テキストマイニング
・人の心の動きを解析するツール
・WEBで即時に解析するツール
なんて言うのもどんどん出てきた。
コンピュータも安くなってきてPCレベルでも、記憶容量100GB(ギガバイト)なんて言う機械さえ販売されるようになってきた。
個人情報に気を配りながら、良い解析を代行してくれるアウトソーサー(例えばミックさん)もどんどん増えた。
ぜひ恐れずに試して頂ければよろしいと思う。
何よりも、より科学的にビジネスを見ることが出来るのだから。
トラックバック(0)
・このブログ記事を参照しているブログ一覧:
・このブログ記事に対するトラックバックURL:
http://www.scroll360.jp/mt/mt-tb.cgi/160
新着記事
- 2010.08.30
- 【第20回】ツイッターでつぶやく前のノルマ
- 2010.08.30
- 【第23回】今だから読んでおきたい通販書籍はこれだ「不満50+3解決術」(通販協会編集・刊行)を読み解く
- 2010.08.30
- 「なぜ「食べるラー油」は大ヒット商品になったのか」他
- 2010.08.16
- 適切な広告予算を検証する!今さら聞けないリスティング広告出稿の基本(費用編)(木根)







コメントする