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すでに通信販売を展開しておられる企業はもちろん、これから通販を始めようという企業の皆さまのビジネスのヒントになると思われる切り口を取り上げ、成功企業の事例とともにお届けします。

株式会社アイ・エム・プレス    代表取締役 西村道子

【第3回】ネット時代の口コミ・マーケティング

2009年11月09日|トラックバック(0)

POINT

『Web2.0が口コミ・マーケティングを促進』
『ネット上の口コミはどのように利用されているのか?』
『通販会社における口コミ・マーケティング』
『時にはマイナス情報も受け止める懐の深さを』

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■Web2.0が口コミ・マーケティングを促進
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ブログやSNS(Social Networking Service)に象徴されるWeb2.0が注目されたのは今を去る3、4年前のこと。最近ではその言葉を耳にする機会こそ減少しましたが、商品の購入に先駆けてネット上に溢れる生活者の口コミをチェックしたり、あるいは購入後に商品の使い勝手をネットに書き込んだりといった行為は、私たちの生活に広く浸透してきてきました。

実際にいくつかのネットリサーチ結果を見ても、口コミによる商品購入経験率は7割を上回っているようです。こうした中、自社商品の口コミ・マーケティングを仕掛ける企業はもちろん、口コミ・マーケティングの展開を支援する企業、さらには広告や調査などにより生業を立てる口コミサイト運営企業が次々と台頭したのは、今もなお記憶に新しいところです。

そもそも口コミ・マーケティングはネットの普及以前から存在するもので、中でも通販業界においては古くから、広告やカタログの誌面で顧客に商品・サービスの体験談などを語ってもらうテスティモニアル(Testimonial)や既存顧客に新規顧客を紹介してもらうメンバー・ゲット・メンバー(Member Get Member、以下、MGM)などが広く用いられてきました。

しかしWeb2.0の台頭により口コミの発信量が一気に増大、またその伝播速度がスピードアップすると同時にプロセスが可視化されたことで、口コミ・マーケティングの可能性が一気に増大。小売・サービス業界に止まらず、これまでエンド・ユーザーとの接点が限られていたメーカーまでも巻き込んで、一躍、脚光を浴びることになったのです。


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■ネット上の口コミはどのように利用されているのか?
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次に、月刊『アイ・エム・プレス』が2008年4月に行った「口コミサイトの利用動向」に関する生活者調査(口コミ利用者250名、口コミ非利用者250名の計500名を対象としたネットリサーチ、調査協力:(株)GAIN)から、口コミの利用状況を見てみましょう。

まず、"商品の購入検討時に参考にしたことのあるサイト(MA)"では「商品情報サイト」が84.4%と最も多く、「ECサイトの口コミレビュー」が47.2%、「大規模総合掲示板」が20.8%でこれに続いています。また、"口コミサイトを参考に購入した商品・サービス(MA)"では、「家電製品」が44.0%と最も多く、「PC・PC周辺機器」が37.6%、「書籍」が22.4%でこれに続いており、そのほかでは「化粧品」「CD・DVD」などが上位を占めています。 

同調査ではこれらに加えて、回答者にネット上の口コミの利用・非利用理由を尋ねています。まず、口コミ利用者を対象に"ネット上の口コミが商品購入時に役立つ理由"を尋ねた結果では、「実際に使用した人の意見がわかる」が30.0%と最も多く、以下、「悪い点・批判が分かる」が12.8%、「真実・本音がわかる」が8.8%。逆に、口コミ非利用者を対象に"ネット上の口コミを参考に商品を購入しない理由"を尋ねた結果では、「信用できない・あてにできない」が32.0%と最も多く、以下、「自分で判断・確認するから」が18.4%、「サイトを見かけない」が6.4%でこれに次いでいます。

なお、同調査によると、"購入・使用経験のある商品・サービス、行ったことがある店舗について口コミサイトに書き込みをしたことがある"回答者は16.8%で、当然のことながら、前出の口コミによる商品購入経験率を大幅に下回っているのが現状です。大雑把に言えば、10人のうち7人がネット上の口コミを商品購入時の参考にしたことがあるのに対して、ネット上に口コミを書き込んだことがあるのは10人のうち2人というのが、ネットリサーチから見える現状といえるでしょう。

※「口コミサイトの利用動向」に関する生活者調査結果は、月刊『アイ・エム・プレス』2008年6月号、および弊社サイトに掲載されています。


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■通販会社における口コミ・マーケティング
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(株)ファンケルの事例>

では、実際に企業が主導する口コミ・マーケティングは、どのように展開されているのでしょうか? ここでは、通販会社における口コミ・マーケティングの取り組み事例として、月刊『アイ・エム・プレス』2008年12月号に掲載された、化粧品・健康食品をマルチチャネルで販売する(株)ファンケルのケースをご紹介しましょう。

同社はもともと、敏感肌に悩む女性の口コミや紹介で認知度を高めてきただけに、古くから顧客による紹介の促進に注力しており、化粧品分野においてこれを制度化したのは、1980年代の半ばのことだったそうです。現在の制度は、既存顧客が電話やハガキで申し込むと、被紹介者に無料の「ご紹介セット」が届けられ、その後、被紹介者が通販で化粧品を購入すると10%の割引が適用されるほか、紹介者にも「10%OFF」ハガキを送付。さらに紹介者、被紹介者の双方が専用ハガキで申し込むと、希望の化粧品・健康食品が進呈されるという、いわばダブル・プレゼント方式になっています(健康食品分野は別途)。

同社の紹介制度は基本的に、カタログ通販業界で古くから馴染みのあるMGMの仕組みと言えそうですが、同社ではこれとあわせて、自社主催のコミュニティサイト「ファンケル情報コミュニティ」内で、2008年10月から「クチコミ投稿キャンペーン」を展開しています。

これは化粧品、健康食品などの対象商品に"クチコミ投票"を行うと、「商品のクチコミを見る」ページに掲載されると同時に、毎月抽選で10名の投票者に3,000円相当の"お楽しみ袋"がプレゼントされるという仕組み。投票を促進する仕掛けにも気を配っているのが特徴です。

ちなみに、同社にとって紹介制度は、通販における新規顧客獲得策の中でも安定的な成果を上げる施策のひとつとなっています。また紹介者は、商品を使い始めて間もない顧客が多いものの、長期的に見ると優良顧客の割合が多いとか。さらに被紹介者についても、顧客全体の中で継続率が高い傾向にあり、まさに"優良顧客が優良顧客を生む"好循環をもたらしているとのことです。加えて同社では、自社が直接的に関与しない外部サイト上の口コミにも注目しており、情報誌やWebサイト、メルマガなどのコピーにこれを意識したキーワードを盛り込むなどにより、その活性化を推進しています。


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■時にはマイナス情報も受け止める懐の深さを
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今回はファンケルの事例をご紹介しましたが、このほかにも、企業による口コミ・マーケティングの展開方法は、これに取り組む企業の数だけあるといっても過言ではありません。ブロガーなどによる顧客や見込者の紹介を促進するアフィリエイト・プログラムの運営、SNS(Social Networking Service)の活用、ECサイトへの商品レビューの掲載、自社の商品・サービスにかかわるブログを集約する仕組みの構築などは通販業界でもおなじみのところ。このほかメーカーを中心に、αブロガーに製品情報やサンプルを提供することでブログへの書き込みを促進したり、最近話題のミニブログ「Twitter」を活用したりする企業も増えてきました(この原稿の締め切りの今日にも、Amazonアフィリエイト・プログラムに「Twitterで共有」機能が加わったことを知らせるeメールが届きました)。

一方、ネット上の口コミが注目されるようになって数年が経過する中で、口コミを活性化しようとコミュニティサイトを構築した企業の中には、撤退の憂き目にあった企業も少なくありません。その多くは、同様のサイトが乱立する中での利用者数の伸び悩みが原因と見られますが、中には口コミの不適切なマネジメントが命取りになったケースもあると聞きます。

口コミは本来、生活者が自らの想いを他者に伝えたいという衝動をもとに発信されるもの。したがって口コミ・マーケティングの展開に当たっては、生活者から寄せられた口コミにきめ細かく対応すると同時に、時にはネガティブな要素を含む口コミも真摯に受け止め、そこに不足している情報を補足する、あるいは自社の商品・サービスに必要な改善を加えてこそ、その真価が発揮できるのではないでしょうか。

12月8日に配信される第4回では、「通販にとってコールセンターって何?」(仮題)をお届けいたします。お楽しみに!

 

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