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長年企業様のブランディングに関わり、独創的なマーケティング手法やアイデア開発手法を用いた企業のコンサルには定評があります。

岩田事務所   代表 岩田桂

「先発一番手の法則」それがブランド開発!

2007年04月24日|トラックバック(0)

POINT

『カテゴリーファーストが最強の戦略』
『絞り込んで強みを出す』
『主力ブランドをひたすら磨こう』
『固有名詞で呼ばれていますか?』

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■カテゴリーファーストが最強の戦略
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今回はブランドを立ち上げた人々の、熱い想いをご紹介します。
自社が顧客から固有名詞でよばれることを夢見た人々の足跡です。

先発一番手の法則!それは初恋のようなもの

乗り遅れまいと後発参入した「横並びモノ」や「ものまねモノ」は、確実に価格競争に巻き込まれます。価格の決定権がなく、顧客にとっても価格以外に選ぶ理由がないからです。

しかし現実は、「先発商品より品質が上回り、安ければ勝てる」と言う、後発組が後を絶ちません。これは「二番手のベター商品作戦」として、20世紀に多くの経営者が信奉した考え方です。
マネシタ商法とも揶揄(やゆ)された作戦です。

しかしそれは幻想でしかなく、危険な発想です。参入すれば価格下落の無間地獄が待ち構えています。まして市場にはモノが溢れ出ている状態です。

では我ら中小企業はどうすれば、価格競争以外の手で生き残れるのでしょうか。
その回答は簡単ではありませんが、ブランド開発に一つの答えがあります。

ブランド戦略とは、以下のプロセスをたどります。
     
◆自社の得意とする分野や技術で
◆これまでになかった価値を創造できそうなカテゴリーに
◆先発の一番手で乗り込み
◆絞り込んだ見込み顧客の心に
◆たったひとつの魅力ある呪文を植え付け
◆その呪文を守り通すこと

に尽きます。

事業とは、これまでになかった価値を独自に生み出し、その価値を認めてもらう活動です。ですからソニーのウォークマンのように、あるいは初恋の人をみる眼差しのように、顧客は最初の商品や価値を「優」と認め、それを購入してくれます。

そこには価格競争は存在しません。

「カップヌードル」「コカ・コーラ」「バーモントカレー」「ポカリスエット」
「スターバックス」「ネスレ」「久保田」「ボルボ」「プリウス」「マイクロソフト」
など、いずれもカテゴリーファーストの特権が与えられたブランドです。

そして、ブランド名が企業の金看板となる時、それが経営者の伝説や神話として語り継がれます。

まずは小さなカテゴリー(部属、部類のこと)でいいのです。
見込み顧客も少人数でいいのです。
そのゴマ粒みたいに小さな分野に、熱き志で、独自性に富んだ事業展開をすることからすべてが始まります。

何とか顧客を感動させてやろう、あるいは社会に貢献したい、口には出せない顧客の気持ちを上手に具体化してあげたいと言うような、先駆者の熱い志が世の中を動かします。

高収益率とは、社会に存在価値を認められた証しであり、ご褒美なのです。
カテゴリーファーストこそ、ブランド開発を目指すのに譲れない条件です。
「ここの、この部分でまず一番になる」という熱き志を持つことが大切なのです。


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■絞り込んで強みを出す
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総合と名のついた企業が軒並み苦戦しています。
総合商社、総合建設、総合家電メーカーなどは、生き残りをかけた企業の再編成に遭遇しています。
「何でもできます」という事は、「何にもできない」ということだと顧客は判断するからです。

かたや専門性を売りにした企業や業態は押し並べて好調です。
下着のワコール、モーターのマブチ、家具の大塚など自社の強みに磨きをかけて、日本市場から世界へと優位性を発揮しています。

愚かな企業は総合化を目指し、賢い企業は専門化に磨きをかけます。
では自社の強みを磨くためにはどうすればいいのでしょうか。

それは次の5つの絞り込み視点を、具体的に事業で展開することです。

1)顧客を絞り込む

⇒自社の優位性を発揮でき、支持を受ける顧客層を明確に絞り込み、固定ファン化していく。
万人向けからの脱出を計る。
子供服のミキハウスやマルボロ。

2)製品ラインを絞り込む

⇒ブランドの過剰な水平展開やバリエーション展開を止めて、中心商品だけに絞り込む。
他のジャンルを手がける力があったとしても、むやみにやらないでひたすら商材を絞り込む。
ブレーキの曙ブレーキ工業やコロッケの神戸コロッケなど。

3)チャネルを絞り込む

⇒自社の価値を表現できる販売ルートだけで、売り続ける。
直販だけ、会員制だけ、訪販だけ、インターネットだけ、法人だけ、業務用だけ、
一流料亭だけなどの「だけ、だけ」限定チャネルに絞り込む。

4)価格を絞り込む

⇒他社が狙う低価格はさけて、敢えて高価格帯に絞ってみる。
ローレックスの時計、エルメスのバックなど。

5)コンセプトを絞り込む

⇒商品やサービスの狙いを、ワンポイントに絞り込む。
「あれも、これも」から、「これだけだ」と明確にする。利用場面を絞り込むのも自社の強みとなる。
アデランスやダスキンなど。


以上の視点で自社の資源を絞り込むと、専門化の道筋が見えてきます。
この発想は「小が大を売る」という、究極の「魔法の杖」をもたらします。
非価格競争への挑戦とは、言葉を変えて言えば「ブランドつくり」への挑戦のことです。
優秀な経営者はこの熱き志に燃えているのです。


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■主力ブランドをひたすら磨こう
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新商品が次々と開発されては、市場から消えていきます。
それでも経営者をはじめ開発担当者、そして前線の営業担当者は新商品が大好きです。

好きな理由は、以下の3点の思い違いからきています。

1)商品や商品ラインの拡張がないと、前同110%以上の売上がクリアーできないと思っている。

2)とにかく売り込みやすい。取引先もお客様も、「新」というモノには目がないと信じている。

3)新任担当者の評価は、新商品の開発だけが評価されると本人が思い込んでいる。
先輩が育てた主力ブランドを守り、発展させても評価されないと思っている。

などです。

しかし、これが無間地獄の始まりなのです。なぜなら企業にとっての命綱は、今ある主力商品が担っているからです。
自社を代表するその主力ブランドの売上が陰ってきたら、企業の存続すら脅かされます。ですから「新商品はありがたい!」などと、浮かれている場合ではないのです。

さらに企業には「製品ライン拡大症」の悪癖が存在します。
簡単にいえば、成功しているブランドの商品ラインの安易な水平展開を、売上稼ぎの新商品として企画し、売り出そうとします。
自惚れに近い企業の「ブランド権威の安易な拡大」という、抗し難い勢力や圧力が必ず存在します。

しかもこれは、工場を回すのに好都合であり、当然、それが短期的に売上増をもたらすから、誰も反対できない大変に厄介なものです。
「ブランドの浪費」という悲しい現実が待ち構えていることは既にお話ししました。

そして結果として、収益の命綱だった主力ブランドを壊滅させて、誰も責任を取りません。待っているのは価格下落の叩き売りです。こんな悲惨な例はいくらでも散見され、そして今日も繰り返されています。

では新商品は企業にとって、役に立たないのかという疑問が湧いてきます。
そんな事はありません。ブランドの拡張戦略は、企業の収益の拡大には欠かせません。問題はその拡張のやり方です。

その手順は2点あります。グリコのポッキーや日清食品のカップヌードルが参考になります。

その1)
まず自社の主力ブランドを、時代に合わせて進化させ、高度化させることに全力を上げる。

⇒陳腐化させない連続技で徹底的に磨き上げていく。
主力ブランドで稼いだお金は、この主力ブランドに再投入していくのが基本です。
ブランドマネージャーは「攻めのキーパー」なのです。
また、技術があるからと言って、場当たり的に成長しそうな分野に新商品を投入しても、大方は失敗に終ります。

その2)
商品ラインを拡大する際には、主力ブランドの価値がさらに高まるような、新たな補完商品を加えていく。

⇒主力ブランドを座標の中心に置いて、その事業領域と商品領域の中で、ブランドワールドとしての商品ラインを検討していきます。
ですから間違っても、主力ブランドを陳腐化し、否定するような領域外の商品を作ってはなりません。この領域をドメインと言います。
普通は短い言葉、すなわち「ドメインフレーズ」で、顧客に解るように表現されています。
カゴメは「トマトと野菜カンパニー」と定義しています。
カゴメはこのドメインの下で総合化を図っています。
「翌日配送」はアスクルのドメインです。


以上の2つの視点が、商品拡張戦略には極めて大切です。特に得意とする領域の設定、すなわちドメイン設定がブランドを守り抜く決め手になります。
売上が陰ってきたら、それは主役をもっと輝かせろという声なのです。
安易に新商品を出さないことが肝要です。


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■固有名詞で呼ばれていますか?
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普通名詞で商売をしている企業は概ね業績が悪く、価格下落に巻き込まれて収益が出なくなっています。中国の生産で、価格下落を強いられているモノはすべてこの部類に入ります。
全国の野菜や燕三条や東大阪の工業製品もこの範疇(はんちゅう)です。

○「ジュース」「テレビ」「パソコン」「スーツ」「ハンバーガー」
○「建売住宅」「枝豆」「パック旅行」「スプーン」「牛乳」「カレー」

など、すべてが普通名詞で、品番とも言います。
一方、成功している商品や企業は、いずれも固有名詞で商売しています。
例えば

○「関アジ」「魚沼コシヒカリ」「黒埼の茶豆」「カロリーメイト」
○「インテル」「松坂牛」「京野菜」「ルイ・ヴィトン」「ブラウン」
○「ブルガリアヨーグルト」「虎屋の羊羹」「赤福」「おたふくソース」

など、価格競争に巻き込まれずに、それだけの価値を持ち、価値を守る場所で、価値を適価で販売しています。これをブランド商品と言います。

ところがこの「固有名詞」型のビジネスは簡単には構築できません。
「固有名詞」として認知されるためには、これまでになかった新しい価値の事業を独自に起こさねばならないからです。自社商品でなくてはならない理由や、選択基準を自ら作り出して、その価値を認める顧客に、選ばれる工夫や努力が必要なのです。

その努力の結果として、会社名や商品、サービス名が、その新市場を代表する名前として初めて認められ、固有名詞として認識されるのです。

まとめます。
これまでにない新しい商品・サービスを上手に固有名詞化させると、中小企業でも、大企業を凌(しの)ぐほどのビジネスが可能になります。今、大手と言われる企業も、ほとんどこのような経過を経て、大きくなってきました。

これを「先発一番手の法則」と言います。

ですから、他社を追随した後発商品やサービスの名前が、「固有名詞」として認知されないのは、この法則によります。

初恋の人と同じで、人は最初の一番手しか「優」と認めないのです。
「普通名詞」型の企業と「固有名詞」型企業の、この違いはまさに戦略の違いそのものからきています。

これは最初から経営者が意図して、「固有名詞」で商売しようとしていたかの違いからきます。創業期から社名、パッケージやロゴマーク、看板、会社案内や株主総会にまで、意図して個性付けを行おうとした、その経営者の哲学やこだわりの集大成が、「固有名詞」という名前に現れてきます。
「固有名詞で勝負しよう」と熱き想いを抱くことから、感動商品づくりが始まります。

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