ブランドとは「感動の商品」である!<前編>
POINT
『はじめに』
『ブランドとは何ですか?』
『ブランドのつくり方』
『(1〜1)新しいブランドのアイデアを立ち上げる(商品企画)』
『(1〜2)ブランドのイメージを一言で表す(呪文開発)』
『(1〜3)口コミで固定ファンをつくる(パブリシティ開発)』
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■はじめに
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今回より「感動の商品はこうつくる」の連載を担当いたします。
岩田事務所の岩田桂と申します。
大手印刷会社を定年退職し、現在は新潟で地域ブランドの立ち上げや企画塾を主宰しています。得意は新商品開発(ブランド開発)です。数多くのヒット商品を手がけたアイデア発想の職人です。

当講座は6回に亘り、「感動の商品(ブランド)づくり」について提言いたします。
皆様のビジネスの一助になれば幸いです。
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■ブランドとは何ですか?
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今、各社は、こだわりの「ブランド開発」に血眼になっています。
ブランドを手にすることが、企業生き残りの必須条件だからです。
ソニーも資生堂も日清食品も通販生活社も皆しかりです。
市町村による地域ブランドの開発も盛んです。
強力なブランドを有すれば価格競争から開放され、どこよりも高収益をあげることが可能となるからです。
このブランドを「感動の商品」と呼ぶことにいたします。
企業が喉から手が出るほどに欲しい商品のことです。
では「ブランドって、一体なに?」と、その定義を確かめておくことにいたします。
ブランドと一般の商品の違いを理解しておかねばなりません。
「ブランドとは」
◆ブランドという言葉は、ノルウエー語の「焼印」という言葉に由来しています。◆
◆自分の自慢の羊を見分けるために、焼印を押したのです。 ◆
◆つまり、ブランドとは「他の類似品と見分けるため」の印のことです。 ◆
ですからブランドをつけようと考える時は、そこに高い品質や希少価値などの特徴が絶対に必要条件となります。
この特徴を「ブランド・プレミアム(差別的優位性)」と言います。
感動の商品ブランド開発とは、この「ブランド・プレミアム」という知覚をいかに発掘し、それを形や言葉に置き換えて表現するかということに尽きます。
そしてこの「ブランド・プレミアム」の開発と顧客への刷り込みに成功した商品のみが、ブランドとして認知されるのです。マークをつけたり、シールを貼ったりすればブランド商品になるということとは根本から異なります。一般商品との違いは、ここにあります。
では具体的にブランドを開発する手順を考えてみましょう。
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■ブランドのつくり方
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ブランド開発には実は、その戦略があります。
それは3つの作業から成り立っています。
【ブランド戦略・3つの作業】
1)ブランドをつくる作業
(1〜1)新しいブランドのアイデアを立ち上げる(商品企画)
(1〜2)ブランドのイメージを一言で表す(呪文開発)
(1〜3)口コミで固定ファンをつくる(パブリシティ開発)
2)ブランドを守る作業
(2〜1)顧客の期待を裏切らない
(2〜2)ブランドを浪費しない
(2〜3)ブランドを腐らせない
3)ブランドを拡張、進化させる作業
以上の3つのいずれかが欠けても、感動のブランド戦略は成功しません。
この3つの作業が連動して初めてブランドは成立して、ビジネスに貢献するのです。
さて今回は、「ブランドをつくる作業」の具体的な進め方についてお話しいたします。
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■(1〜1)新しいブランドのアイデアを立ち上げる(商品企画)
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ブランドには他にはない「差別的優位性」(ブランド・プレミアム)がなければなりません。ですから皆さんの経営資源のなかに、この「ブランド・プレミアム」が発見、発掘できない場合は、ブランド作りを諦めてください。もしくはアイデアがなければ断念するしかありません。
しかし、この「ブランド・プレミアム」は些細なものであってもいいのです。
製造方法や素材、作り手の特徴など、なんでもいいのです。
このプレミアムの素はこの講座の後半で、できるだけ多く提言いたしますが、まずは以下の素材の表を参考にして、皆さんが入手できそうなプレミアムを探し、ブランドのアイデアを浮かべてください。
アイデアの方程式は
(素材)×(自社の経営資源)= ブランドのアイデア
とにかく出尽くすまでの数のアイデアをだします。
アイデアは量です。質ではありません。

ここに挙げたように、実は様々な素材がプレミアムになります。
「○○地域で△△作り30年、越後太郎さんが作り続けた商品」というのもブランドにすることも可能になります。やずやの「雪待にんにく」は風土をかぶせた一品として、成功しています。
映画やテレビの舞台になったシーンや台本などをプレミアム化する手も良く使われるのは周知です。時の話題に相乗りする作戦です。
「日本一の×××」をプレミアムとして打ち出すやり方もあります。
讃岐うどん、宇都宮餃子、横須賀軍艦カレー、喜多方ラーメン、博多万能ネギなどが好例です。
とにかく自社経営資源(ハード、ソフト)のプレミアム化を図る独創的なアイデアを浮かべ、製品化を検討することからスタートします。
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■(1〜2)ブランドのイメージを一言で表す(呪文開発)
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ブランド化のアイデアが浮かんだら、次は、その商品のプレミアムを分かり易い言葉で表す作業に取り掛かります。
プレミアムの特徴を一言で表す「呪文開発」です。
顧客の心に飛び込ませる「殺し文句」と考えてください。
「ここの、このところが、新しく、一番手です!」という特徴を一言で表すのです。
この作業はきわめて重要です。これは企業のトップの仕事です。
部下に任せられるほど甘くはありません。その例を挙げましょう。
◎翌日配達(アスクル)、違いを楽しむ人の(ネスレ)、
◎安全(ボルボ)、お口の恋人(ロッテ)、剃り残しなし(ブラウン)
◎雪どけのような口どけ(明治製菓)、どろりとしたケチャップ(ハインツ)、りんごと蜂蜜とろり〜とろけて(ハウス食品)
など、企業理念や商品の特徴を一言で、絶え間なく顧客に言い続けています。
研ぎ澄まされた呪文を顧客の心に絶えず焼き付けているのです。
この場合、他との品質や価格の違いを打ち出すだけの言葉では、力がありません。
品質や価格の違いなどは、どこの企業もやっていることですからプレミアム的な付加価値になりません。
顧客はそんなことに関心を持ちません。関心があるのは「どこが新しいのか」というただ一点に対してのみ、聞く耳を持ち、心を開きます。
もしブランドのアイデアが皆さんの手元にあるのなら、まず、そのプレミアム価値の「ニュー」を一言で表現してください。逆に感動的なミッションを表す言葉から、自社のブランドを見直すというやり方もあります。
ビジョン先行型のブランド開発です。
いずれにしても、ブランド戦略とは高品質な商品やサービスを基盤に、想定した見込み客の心の中に、たったひとつの呪文を、誰よりも早く植えつける作戦行動なのです。
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■(1〜3)口コミで固定ファンをつくる(パブリシティ開発)
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呪文を付加した話題のブランドの新商品は、それを広げる作業に入ります。
それはマスコミにリリースすることから始めます。
マスコミは常に話題のニュースを求めており、企業のトップの普段からの真摯な付き合いがあれば、記事に取り上げてくれます。もちろん話題性、社会性などを有するのが最低条件です。
宣伝もチラシも打たないで業績をあげている優秀な企業は、必ずこのマスコミのパブリシティを利用しています。パブリシティは広告と異なり、顧客の信頼度が高く、口コミへの波及効果があります。
この場合に力を発揮するのが前述の呪文です。的を得た呪文であれば、またたくまに口コミで広がっていきます。また見込み客だけに試用を働きかけて、口コミを誘発する手もよく使われます。パワーマン(影響者)のプロや著名人の推薦を受けて、それを公開するのも有効です。
かくしてブランドの新商品は、世の中にデビューをはたします。
そしてプレミアム価値が認められれば、じわっと売れていきます。
ここでブランドの成立過程をお話しいたします。ブランドはまず少人数の見込み客へのアプローチから始まります。それは口コミ装置を働かせ、さらにマスコミのパブリシティの力を借りて行われます。
最近ではブログなどのサイトが力を発揮しています。テレビなどのマス媒体広告などは使わないのです。
一般にブランドは広告によって作られると考えられがちですが、それは間違いです。
ブランドが立ち上がるのは、パブリシティによってです。
マス広告はブランドを大きく伸ばし、イメージを管理するために使われるに過ぎないのです。
ですから広告費もない零細企業でも、知恵と高い志があれば、話題を武器としたブランドを立ち上げることができます。以上がブランドをつくる作業の要点です。
次回は、「ブランドを守る作業」と「ブランドを拡張、進化させる作業」についてお話しさせて頂きたいと思っています。
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