アクセス解析〜"システム信仰"がサイトをダメにする
POINT
『ツールでできることとできないことがある』
『システム信仰の原因とは』
『「システムではできないこと」とは』
『「システムですべきでないこと」もある』
『運営者の使い勝手とユーザーの使い勝手』
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■ツールでできることとできないことがある
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前回の記事(※)で、
「ツールでできることとできないことがあり、ツールですべて解決できるという勘違いは、Webビジネスが失敗する大きな要因」と書きました。

アクセスログの解析ツールに限らず、あらゆるツール(システム)を利用する際には、運営者(人)との役割分担を明確にする必要があります。
至極当たり前のことですが、Webビジネスにおいてはなぜか"システム万能"的な信仰を持つ人を多く見受けます。
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■システム信仰の原因とは
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原因は、ひとことで言うと「見えていないから」です。
何が見えていないのかと言うと、
◎Web運営全体を通してやるべきこと
◎システムができること
◎人ができること
◎システムがやるべきこと
◎人がやるべきこと
◎誰がやるか
◎いつやるか
◎何を目指してやるか
などです。ログ解析における「見える化」は以前の記事(※)でも書きましたが、それ以前に、ネットビジネス全体において、このようなことが見えていないから、何でもかんでもシステムに依存する結果になってしまうのです。
(※)以前の記事:「アクセス解析〜効果的な解析のために必要な「見える化」とは」
典型的な失敗パターンとして、
サイトを公開する⇒別段何もしない⇒結果が出ない⇒失望する⇒ますます運営から遠ざかる⇒ますます結果が出ない
という、明らかなネガティブ・スパイラルに陥るケースがありますが、これは、システムでできることと、人がやるべきことが分からないために、
「システムができないことを、人もやらない」
ということが、原因のひとつだと思います。
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■「システムではできないこと」とは
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さまざまなシステムは、日々目覚しい進歩を続けています。
「誰でもプログラムが作れるプログラム」なんていうのも、近いうちに現実化してしまうんじゃないかと思えるほどですが、それでもできないことはたくさんあるわけです、当然ながら。
今後10年経っても20年経っても"自動的に"できないこと。
それは、まず
1.何を目的にするか
2.何が(現時点の)重要課題なのか
つまり、KPI(Key Performance Indicator=重要業績評価指標)の策定ですが、何も難しく考える必要はありません。ネットで何を目指していて、現時点では何をどこまですべきか。その上で、それができているか、できていないかを知り、なぜそうなるのかを考えることが必要です。
そして、次にシステムでできないことは
3.コンテンツのクオリティ(を上げる)
です。
そもそも、ログ解析やショッピングシステムにどんなツールを使っているかなど、ユーザーは何の興味もありません。それはあくまでも提供者の都合であり、ユーザーの興味はコンテンツやサービスです。ネットで商売をしたいのであれば、当然コンテンツ(写真や文章なども含めて)にコストをかけるべきです。
たとえば、Webサイトで食べ物を売っているとして、素人が撮ったデジカメ写真と、プロが撮ったクオリティの高い写真とでは、どちらが食欲が湧き、購買意欲が高まるでしょうか?素人が書いた通り一遍等の文章と、プロのライターが書いたコピーとでは、どちらが味や食感をイメージできるしょうか?
そう考えれば答えは明らかだと思いますが、それをするためにはコストが掛かります。導入したシステムでは、それは解決してくれません。
特にECサイトでは、まずそこにコストを配分すべきです。
しかし、現実は逆で、システムに投資したら、コンテンツに回すお金がなくなる。
そういうところが、あまりに多いのです。「こんなにも投資したのに、これだけしかリターンがない」と嘆く前に、投資すべきものに投資しているのか、ユーザーにとってはどうでもいいところにばかり資金を使っていないかを考えないといけません。
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■「システムですべきでないこと」もある
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弊社のお客様で、ネット注文が入ったら、必ず電話をかけるお店があります。
ショッピングシステムには、自動返信機能があり、
「○○様、ありがとうございました」というように、しっかり注文者の名前も差し込むようにできています。しかし、そのお客様は、それだけで済ますことは決してしません。電話で「誰が食べるのか」「いつ食べるのか」を確認して、お客様とコミュニケーションを図り、最適な状態の商品をお送りするのです。
そのプロとしての姿勢に非常に感銘を受けるとともに、
「システムでできることも、あえて人がやる」ことの大事さを考えさせられます。
もちろん、サイトの規模と運営体制のバランスによって、現実的にそれが不可能な場合もあります。しかし、何でもシステムで済ませようとしない、その商売人としての姿勢は、大いに見習うべきだと思っています。
ある健康食品通販の大手は、売上げ100億円になるまでは、手書きのニューズレターを送っていたといいます。そういうところに、お客様は「想い」を感じるものです。
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■運営者の使い勝手とユーザーの使い勝手
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ショッピングシステムは、商品データを読み込んで、動的にページを生成してくれるものが主流です。そうしないと、一品一品商品ページを作る手間が掛かってしまい、運営側の利便性を貶(おとし)めます。
しかし、その手のシステムは、写真や文章の位置、レイアウトなどが一定で、テンプレートに則(のっと)って生成されるものです。ユーザーからすれば、どのページも似たような印象を受け、運営者の想いなどが伝わり難いというデメリットもあります。
つまり、運営者とユーザーのメリットが相反する部分が出てくるため、私はできれば商品ページなどは静的に(手作業で)一ページずつ作ったほうがいいと考えています。ただ、商品点数などによって、現実的にそれが不可能な場合ももちろんありますので、その場合は企画などのコンテンツでカバーするべきです。そして、その企画のアイデアも、システムでは解決してくれません。
今回は、広くサイト運営全般に関わる内容になりましたが、もちろん、アクセスログ解析にもシステム信仰の弊害はあり、前述の"目的と重点課題の明確化"(見える化)は、解析作業には必ず必要なことです。
「アクセスログ解析が、どうも収益に結びつかない」と感じる人は、そこをもう一度洗い出してみてください。
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