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多くのECサイトを手掛けてきた実績をもとに、戦略的なWebサイト構築・運営のノウハウをお伝えします。

  前野 智純

【第41回】いち早くって、誰目線で?

2016年04月11日|トラックバック(0)

POINT

『アジア市場は飽和状態』
『商品の「日本クオリティ」に需要はあるか?』
『現地目線のECリサーチ&行動スピードが重要』

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■アジア市場は飽和状態
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 日本とシンガポールでEC事業をやっていると、双方の温度感の違いにいつも悩まされます
何もECに限った話ではないのですが、各国の企業がボーダレスな販売戦略の中でアジア市場の攻略を「とっくに」試みている中で、日本の中では「業界で初めて進出!」とかがニュースになっていたり。

 例えば、日本のブランド牛は、かなり海外に視野を向け始めていますが、その中でもまだほとんど出していないところはたくさんあります。それはそれで、日本に来た時だけ食べられる牛肉という位置づけでいいと私は思っているのですが、やはり横並びでどうにか海外に出したがるんですね。で、補助金で海外の展示会に出たり、どこかの会場で商談会をやったりすると、それが「業界で初めて海外に売り込み」などと、結構大きなニュースになったりします。

 しかし、肝心の現地バイヤーの反応は、決まって「いや、今ごろ出てきても飽和状態だし・・・」というもの。
展示会は、他の商品もあるから一応行くし、行政の予算で日本から商談会の招待が来たら、「アゴアシ付き」なので行ってもいいか、くらいの感覚です。むしろ、彼らにとっては「何をいまさら??」という気持ちが正直なところです。


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■商品の「日本クオリティ」に需要はあるか?
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 そもそも、和牛(Wagyu)というのは、すでにオーストラリアがブランディングしていて、日本はその後になって、各産地ブランドで出していこうとしているので、現地の目線で見ると、なんだかよくわからない感じです。

  「初めて海外へ!」っていうのは、あくまで日本の目線であり、実は同じ業界の海外の会社はとっくに進出していて、そのニュースは一体誰目線なんだと。そういうのは、現地の目線で見ないと、必ず間違ってしまうんです。

 アジアの中では、日本は中国や韓国企業とよく競合しますが、彼らの行動スピードは、日本のそれをはるかに上回ります。スピードで負けているから尚更、「日本クオリティ」などと、品質に活路を見出そうとするのですが、どこまで行っても、まずマーケットありきです。仮に需要のない品質であれば、それは自己満足であり、趣味の世界です。そして、その需要を計る方法は行動しかなく、行動量を増やすにはスピードを上げるしかありません

 我々は、日本では出品者側に立ってサポートしていますが、シンガポールではバイヤー側の立ち位置でイベントに参加したりしますので、双方の温度差をモロに感じます。この温度差は本当に凄まじくて、日本ブランドに特化したアジアのある展示会は、日本では行政機関を中心に結構予算を割かれていますが、特に補助金で出ているところが多いからか、現地での評判はさっぱりです。本気で「何しに来てるの?」という反応が、あちこちのバイヤーから聞こえてきます。


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■現地目線のECリサーチ&行動スピードが重要
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 ECにしてもそうなんですね。例えば、我々の主戦場である東南アジアでも、主要な国はすでにスタープレーヤーが勢ぞろいしています。楽天のように、そこと正面衝突しようとしても、現地の市場を知り尽くして、且つ巨額の資本を保有するプレーヤーたちには、太刀打ちできません。まだまだこれからどうなるかわかりませんが、とっくにスタートしていて、すでに知名度のあるプレーヤーを、後発の日本企業が脅かすのは、並大抵ではありません。

 もちろん、様々なニッチ分野で、可能性は山ほどあります。現に、美容系や女性下着などなど、分野に特化したECで頭角を現している企業のトップが、実は日本人だったりするのも、よくあります。彼らは、補助金などとは縁のない世界で、とっくに進出しているのです。

 日本では「越境EC」が盛り上がりを見せていて、我々もサポートしていますが、越境で売れるのは、基本的にその国にないものか、その国よりも格段に安いものです。海外の日本人を対象にするならまだわかりますが、それではマーケットが小さすぎて、なかなかビジネスにはなりません。それ以前に、現地になくて需要があるものって、今やあまりないのです。

 どこに需要があって、何が正解(売れる)か、それはリサーチでは半分もわかりません。行動しないと見えてこない世界が大半です。その確率を上げるには、スピードしかないのです。そのスピードは、日本目線ではなく、現地目線で常に考える必要があります。

 

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