【第12回】企業が迷走する理由。ケータイの電話番号はどう入力する?
POINT
『中内功の妄言』
『経営コンサルタントなんていらない』
『ネット通販でも全く同じ』
『客の気持ちという実情』
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■中内功の妄言
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「ウチはただの安売り屋じゃない」
一大流通チェーン「ダイエー」を築き上げた故中内功さんの台詞です。98年の歳末に行ったイトーヨーカドー「消費税還元セール」は、購入金額の消費税分をレジの目の前で値引きする演出により客の心を掴みました。そして各社が一斉に真似するなか、ダイエーの施策はこうでした。
「1万円購入ごとに500円の商品券をプレゼント」
中身は同じですが、単なる値引きではなく「ダイエーで買う」ことにステータスがあるというニュアンスで、冒頭の台詞に繋がります。ところが結果はイトーヨーカドーには人が溢れかえり、ダイエー店内から閑古鳥の鳴き声が響きます。
「見るは大丸、買うはダイエー」
大丸百貨店で商品を見て、買うのは安いダイエーで買いましょうという創業期のキャッチコピーと比較すれば、その「迷走」ぶりが浮かんできます。そしてこれはダイエーほど大きな会社でなくても起こることです。
経営を続けているとつきまとうのが「迷走」です。
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■経営コンサルタントなんていらない
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まず、「迷走」するメカニズムを見てみます。商売が軌道に乗ると周囲には「イエスマン」ばかりが集まりはじめます。成功にすり寄るタイプの増加に加えて、成功の自負心から苦言を呈するものを遠ざけることでイエスマンだけが残るのです。こうなると「客の声」も「クレーム」としか受け取れなくなります。また商売が成功しているときに覚える「全能感」は普通の倫理観と、正常な判断能力を奪うことも迷走を引き起こす理由です。
一方、商売が停滞している時も迷走します。こちらは「不安」からです。売り上げ不振に製造業が小売りをはじめ、アクセサリー販売業がラーメン屋をはじめます。しかし、本業が上手く行っていない時に安易に新規事業に参戦して、戦力を分散させるのは危険です。当然ですが他業界にはすでに「敵(商売敵)」がおり、彼らも鎬を削る争いを日夜繰り返しています。そこに「素人」が参戦するのです。つまり、後発のハンデを背負いながら少ない戦力で戦いに挑むわけで、同時に苦しい戦いを展開している「本陣」の戦力を削ぐことを意味し、二羽のウサギを追う諺そのままとなります。
迷走は好不調に関係なく訪れるものですが、ここに「経営コンサルタント」が登場すると迷走は悪化します。
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■ネット通販でも全く同じ
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首都圏近郊の中堅流通業の社長は異業種交流会で紹介された「経営コンサルタント」のスマートな経営理論に心酔しました。コンサルタントにいわれるがまま「改革」に着手し、理論通りに進まないことを社員の努力不足と嘆き非難します。理論に心酔した社長は、 改革に協力しないものを「反抗」とし冷遇します。しかし理想的な前提条件の上で述べられる「経営理論」は、現場で使えないものが少なくありません。当然のように現場から不満の声が上がります。この声が高まると酔いから冷めた社長が「妥協」をはじめ、理想と現実の振幅にたゆたい、「迷走」に突入します。そして社長の求心力が低下します。
「経営コンサルタント」で自分の事業を大きくしている「先生」は希です。もちろん、全てではありませんが、そんな「先生」に何を学ぶのでしょうか。答えは常に現場にあります。そしてネット通販事業者なら、その答えは自社のサイトです。
通販事業者の相談を受けて驚くことがあります。「自社サイト」 を利用したことがない経営者の多さにです。その理由をこう述べます。
「自分で買っても仕方がない」
売り上げや利益から見ればその通りですが、社長が自分の店を利用してはならないという法律はありません。また自社サイトを利用する意味は数字ではありません。それは「客の気持ち」を知ること
なのです。
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■客の気持ちという実情
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自社サイトを利用する。たったこれだけのことを実践するだけで迷走することはなくなります。商売とは客のためにあり、説明不足、不親切、商品の探し方などで客に不便を押しつけていることに気がつけば、逆に「迷走」している余裕などなくなるのです。
これは「ケータイ通販」あるいは「ケータイサイト」にも通じます。ケータイ利用を相談する社長のほぼ100%がケータイサイトを利用したことがないと言います。利用者の気持ちが分からずに、 どうして商売ができましょうか。だから迷走するのです。
一例を挙げます。ケータイサイトでの「電話番号」を入力する「枠」はどちらが親切でしょうか?
A:市外局番:市内局番:番号と、それぞれの入力枠を用意する
B:ひとつの入力枠だけ用意する
Aは連続する数字が見づらく、あるいは「?」の入力が面倒ではないかという配慮から、あらかじめ「入力枠」で区切るというものですが、私はBをお勧めしています。多くのケータイには「プロフィール機能」があり、これを利用して電話番号を呼び出せば「一括」で入力できるほうが便利だからです。また「入力が面倒」という理由も実情に即していません。「いまどき」の人は両手でケータイを操作し、入力作業を苦にしません。また小さな画面を苦にするのは私たち「大人」の発想です。また、アラフォーの私でもログインIDやパスワードは「貼り付け(パソコンのクリップボード)」 に記憶させており、これにより入力する手間を軽減しています。これらは使っていないと分からないことです。そして使い方が分からなければ迷走するのは当然のことです。
自分の店を日頃から利用していれば、客が何を望み、どこに不便を感じているかを知ることができます。だから迷うことはありません。冒頭の中内功さんに戻ります。ダイエーの一号店は「主婦の店
ダイエー薬局」でした。不況下にスーパーマーケットで一万円を使うことがどれだけ勇気のいることかと思いを馳せれば迷走などしなかったことでしょう。
◆社長のための裏マニュアル
「週に一度は自社サイトをチェックすることで迷走を防止できる」
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