【第7回】下請けに「ありがとう」と言えない会社のリスク
POINT
『ありがとうと言われる仕事』
『大切にしない会社の実例』
『大切にする会社の実例』
『ありがとうの輪廻』
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■ありがとうと言われる仕事
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金持ちになりたい、人を使いたい、名前を知られるようになりたい。仕事の目的は人それぞれあるかと思います。私は「ありがとう」といわれる仕事をしたいと独立開業しました。会社員の本分は所属する組織への利益貢献で、「顧客主義」を掲げても本気でそれを実行すれば客と会社の板挟みになることは避けられません。ならば「自己責任」でやってみようと。そして今、私の周囲には「ありがとう」が溢れています。道徳の時間でも自己啓発でもなくこれは自慢です。
ありがとうを量産する簡単な方法は「下請けを大切にする」ことです。通販業者の下請けといえば「仕入れ先」や「物流業者」、それに「ホームページ制作業者」といったところでしょうか。彼らを大切にすることがありがとうを育てることになり「実利」を呼びこみます。実際には「取引先」と呼んでいるのですが、仕事の発注先というニュアンスを明らかにするために「下請け」と本稿では記します。
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■大切にしない会社の実例
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こんな言葉をご存じでしょうか。
「虐めた方はすぐに忘れるが、虐められた側は一生忘れない」
下請けイジメもこれに通じ、些細なことがプレッシャーとなり、禍根を残すことがあるので注意が必要です。
ディスカウントストアを営むU社長の好きな言葉は「切磋琢磨」です。互いに競争し、高めあうことがビジネスを成長させるというのが持論です。実態はどうでしょう。仕入れ値は1円未満の単位で値下げさせ、総額5000円の値引きに2週間交渉することを厭わず、さらに僅かなミスを見逃さずに値引きを要求します。納期は常に最短を求める一方、自社の倉庫が塞がっているあいだは業者にエンドレスで保管させます。そして全ての取引で「最高級」を要求します。短い言葉でまとめれば「低価格、短納期、高品質」。これが彼のいう切磋琢磨で、できないと告げる業者には努力が足りないと、契約打ち切りをほのめかします。
U社長との取引は切磋琢磨ではなく「条件闘争」です。下請けたちは最新商品や売れ筋商品も値切られることに嫌気が差し、U社長から1円でも多くせしめようと条件を練ることはあっても、彼を利する情報提供など夢想だにしません。
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■大切にする会社の実例
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自分が相手の立場になれば分かることです。不利な条件ばかりを押しつける人を好きになる人はいません。
一方、こんな会社があります。訪問すると社長自らが出迎えてくれ、帰りは玄関までお見送りいただきます。お茶にお菓子は30分ごとに新しいものに交換されお土産まで頂戴します。仕事にはシビアで求める要求は高いのですが、一度決まった価格をごねることはありません。そして口癖が「ありがとう」。下請けの皆さんがいらっしゃるから私たちは商売ができると繰り返します。これに触れ「役に立ちたい」と思うのは自然な感情です。打ち合わせ以外でも、頭の片隅で常に役立つ情報を探し方法を考えています。下請けのマインドはまるで社員のそれです。
下請けを大切にしろと言うのは道徳的な教訓ではありません。下請けを「外部ブレーン」として使うテクニックのひとつなのです。
社内には似たような情報ばかりが集まります。これは「集団」が同質性を帯びる傾向があるのでやむを得ません。しかし下請け企業は集団の外側におり、未知の情報や発想をもたらしてくれることが期待できるのです。
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■ありがとうの輪廻
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下請けに「ありがとう」といいます。この言葉はぐるっと廻って自分に返ってきます。宗教的な話ではなく現世利益としてです。東京都足立区の行列ができる焼き肉屋「スタミナ苑」のホームページは私が管理しており本稿における「下請け」です。仮に私が「下請けイジメ」に遭っていたとします。店の評判を聞かれた際に「ここだけの話」という陰口を止めることはできません。しかしイジメどころか「常連だけのメニュー」をサービスされるほど可愛がっていただいている現実の前に私は胸を張ってこういいます。
「最高です」
もちろん、スタミナ苑は掛け値なく美味しく事実を述べているに過ぎないのですが。
下請け企業にはその家族、友人、知人がおり、いつ彼らが「客」になるか分かりません。つまり下請けを大切にすることはその関係者という「クチコミ部隊」を育成することに他ならないのです。ところが下請けをぞんざいに扱う企業は残念ながら少なくありません。
●●急便のドライバーが集荷に遅れた。または時間を守らなかった。限度を超えたものは再発防止のために注意する必要があるでしょう。しかし、こんなことを考えてから話をしてください。
「このドライバーの奥さんやお子さん、義父母がウチのサイトの常連さんだったら」
下請けへの傲慢な態度は自らリスクを増大させる行為です。
世の中は想像以上に狭く、弊社の取引先企業の会長が義父の八百屋の常連でしたし、本社移転でやってきた引越業者は同じ町内会の人でした。些少のことには目をつぶり「ありがとう」を連鎖させるとメリットは無限大です。
◆社長のための裏マニュアル
「取引先を虐めることは会社に不利益をもたらしていると社員教育」
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