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「上手くいっていない」ことを誰にも相談できない・・・・・自己啓発本には載っていない現場視点の「孤独な社長の裏マニュアル」です。

有限会社アズモード   代表取締役 宮脇 睦

【第1回】世襲経営者のはまるドツボ

2009年01月26日|コメント(0)トラックバック(1)

POINT

『技術だけでは解決しない病』
『国会議員だけの問題ではない』
『親子という難しさ』
『千尋の谷に突き落とせなければ』

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■技術だけでは解決しない病
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昨年10月に「サードシーズン」を脱稿した直後に新連載のオファーをいただきました。その後の3ヶ月、漫画の原作を手がけ各種執筆企画の準備に加えて「本業」であるサイト構築にメンテナンスと慌ただしく過ごしておりました。テクニカルな部分は秒進分歩(日進月歩より早いという意味の造語)で変化しますが根本原則は変わらず、最終回に寄せた「IT戦略という虚構」で燃え尽きたという思いから執筆への躊躇もありました。情熱のない駄文では読者とサイトに失礼です。そして2009年を迎えました。

製造業にリンクする形で日本での「ヤスリ」は斜陽です。しかし以前に紹介した「ヤスリ.jp」の通販サイトには年明け1週間で過去最高の注文がはいりました。一方、数年ぶりに届いたある経営者からの年賀状には「厳しい」とあります。異なる業種の両者ですが共通点が三つあります。「斜陽産業」「世襲経営」「ホームページ」です。

「技術だけでは解決しないことがある」

ネットノウハウだけで成功するのは至難の業なのです。そこでビジネス書やコンサルタントが教えてくれない「本当」を「社長の裏マニュアル」としてお届けするために筆をとることにしました。もちろん、情熱を込めて。お付き合いいただければ幸いです。


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■国会議員だけの問題ではない
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息子がホームページを作った。インターネットは子供に任せている。

子供が後継者の「世襲」の企業でこんな話を耳にします。語る横顔は父親のそれで、誇らし気な表情を浮かべ遠くを見つめます。
「あと一球」と白球が見えなくなってもせがまれたキャッチボールの風景が視線の先に浮かぶようです。シビアな現実に引き戻します。これで上手くいっているケースは希です。その理由を述べる前に「世襲経営」について考えてみます。

国会議員の世襲については否定的な意見が目立ちますが、中小企業の世界で「世襲」は当たり前に行われており、これを「既得権」と断じる人はいません。しかし、先代が築き上げた人脈や看板(信
用)があり、会社員の子供より有利なスタートラインに立っている点は重なります。商工会や法人会などの地域企業の集まりでも「オヤジの代」からの知人が多く、初対面でも「●●屋の子供」だけで説明は不要です。一方、私のように縁故関係を持たない「どこかの馬の骨」は自己アピールから始めても覚えて貰えるのは希です。また「信用金庫」などでの扱いも異なるのは先代からの「信用」によるのでしょう。

不平を述べているのではなく事実を確認しているだけです。この既得権が世襲経営のはまる「ドツボ」なのですから。


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■親子という難しさ
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世襲の必勝法はその「既得権」をフル活用することです。先代の培った人脈と看板が「既得権」です。善悪を棚上げにして「経営」で見れば「政治屋の世襲」は理にかなっています。「ヤスリ.jp」のUSPには創業社長が望んでも手にいれられない「三代続いたヤスリ屋」としました。看板という既得権です。ところが二代目や三代目といった世襲経営者の多くが「既得権」の旨味に気づいておらず、時には否定することもあります。生まれたときから湧き出る天然水しか飲んでいなければ、そのありがたみに気がつかず、近親憎悪からくる反発心を経営に持ち込むのです。長所と短所は裏表の関係。そして「ドツボ」をつくりだします。

「他所の釜の飯」を食べたことのない世襲経営者は危険です。学校と自分の家以外の「社会」を知らず「公と私」の区別が曖昧になります。社長に反発するもどこかで助けてくれるという甘えを捨てられず、社長も親を辞することはできずに甘えを許します。子供のチャレンジに社長自ら宣伝マンを買ってでますが、親の愛情は空気のような存在で次代の社長は感謝などしません。その結果として「誰かに頼る習性」が抜けずにすべてが中途半端になります。これがホームページにも表れます。


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■千尋の谷に突き落とせなければ
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中途半端な取り組みで勝てるほど商売もネットも甘くありません。生まれたときから商売上有利な環境=既得権が足を引っ張ります。名前の売りこみ、人脈の作り方、知名度を上げるといった「ゼロからの取り組み」は実はリアルでもネットでも基本は同じなのですが、誰かが助けてくれる社会しかしらない世襲経営者はその術を知りません。

冒頭で述べたように「ヤスリ.jp」を運営する株式会社ユニークも世襲です。ネットでの業績が伸びている理由のひとつが業者への「丸投げ」です。換言すれば部下に仕事を任せるのと同じです。

経営者仲間がセミナーや勉強会に通い「自作」に挑戦する中、プロの業者を雇うと選択したのです。一方、冒頭の「厳しい」と綴った経営者は自作しています。中学生の文化祭レベルに中途半端という
文字が浮かびます。中途半端な「自作」にしがみつくのは努力していれば

「黙っていても誰かが手をさしのべてくれる」

という甘えという生活習慣病です。社会は学校や茶の間ではありません。「息子が作ったホームページ」での成功は「ホームページ作りの才能があった息子」の成果であり、どの息子でも同じ結果にはなりません。「子供が作ったホームページ」の成功例が少ない理由はこれにつきます。

「厳しい」のであれば業者に委ねるのは「経営判断」です。これは世襲も創業社長もかわりません。ところが世襲はここでふりだしに戻ります。

「せがれも頑張っているから・・・」

ここから先は「親子」の話。そしてドツボにはまります。しかし、次代の社長を思うなら「決断」こそ優しさです。

◆社長のための裏マニュアル
「インターネットの才能がなければ迷わず外注する」


 

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