Home > 通販支援Blog > EC運営 > 誰も語らない現場の経営論! > 【第74回】わずか20%に激減したヤフーリスティング広告。お客はどこへ消えたのか

EC運営

誰も語らない現場の経営論!ナビゲータ写真
記事一覧へ

「上手くいっていない」ことを誰にも相談できない・・・・・自己啓発本には載っていない現場視点の「孤独な社長の裏マニュアル」です。

有限会社アズモード   代表取締役 宮脇 睦

【第74回】わずか20%に激減したヤフーリスティング広告。お客はどこへ消えたのか

2017年04月24日|トラックバック(0)

POINT

『最強の勝利の法則』
『ヤフーの影響力低下』
『そのままで31%ダウン』
『消えたユーザーはどこへ』

──────────────────────
■最強の勝利の法則
──────────────────────

 ぶっちゃけてしまうと、通販サイトを立ち上げただけで儲かるのはほぼ不可能です。検索エンジンの上位表示を目指すSEOにせよ、同業者も同じことを考えており、検索結果1位という玉座は1つしかなく、1ページ目までとしても枠は10個に過ぎません。そこで「広告」が必要となります。

 ネット通販における最強の勝利の法則は以下にまとめることができます。

 《売価−(仕入れ価格+広告費) < 利益》

実際にはサイト管理費や人件費なども必要ですが、販売価格から原価を引き、さらに広告費を除いて利益が残れば「儲け」となります。自社サイトでも各種ショッピングモールでも理屈は同じです。広告費とは販促費で、モール内イベント時のポイント還元や値引きなどもこれに含まれます。

ところが最近、この「ネット広告」に異変が起きています。

──────────────────────
■ヤフーの影響力低下
──────────────────────

 通販業界においてもっともポピュラーなネット広告は、検索キーワードに連動して表示される「リスティング広告」です。出稿は1円単位で調整できる入札制で、基本的には落札価格の高い順に表示されます。費用に内容、タイミングを調整できるなどのメリットもありますが、なにより「検索キーワード」というお客の関心に同期するので、購入へと誘導しやすいのです。そして勝利の法則における「広告費」を、利益の範囲内におさめることができれば確実に儲かります。潰れそうだったとある企業が、リスティング広告の活用により業績を回復させ、とある省庁から表彰されるまでの成功をおさめた事例もあります。

 ところがこのリスティング広告の効果効能が下がってきているという報告を各所で耳にするようになりました。リスティング広告のメリットが知られはじめた頃は、人気キーワードの高騰により「法則」が崩れ、その結果として効果が下がったということがありましたが、今回はコレではなく、根本的な消費者トレンドの変化です。

──────────────────────
■そのままで31%ダウン
──────────────────────

 私のところで管理しているとある企業のリスティング広告は、ほぼ同じ出稿内容ながらインプレッション(表示総数)は8年前と比較するとわずか20%、つまり5分の1に落ち込んでいます。平均掲載順位はまったく同じで、同比較での月間クリック数は80%ですから、クリック率や平均クリック単価(CPC=CostPerClick)など指標はむしろ良くなっているとはいえ、ベクトルはマイナスに向かって進んでいます。

 つまり「検索されなくなっている」のです。検索されなければ、連動するリスティング広告も表示されなくなり、露出の減少はお客との接触機会の総数にリンクします。その結果、単品あたり、取引あたりの利益は確保できても、会社全体の利益が減少します。

 いわゆる「ググる」ことをユーザーがやめていることは、大々的に報じられず、論じられもしませんが、Web業界関係者の間では、密かにながら広く共有されている事実です。これが語られないのは、それぞれの大人の事情から。

 米国の調査会社が、同国ユーザーを調べた結果では、パソコンからの検索は2013年頃をピークとし、スマホ検索へと移行していると言われています。しかし、これが事実なら検索総数に極端な開きがでることはありません。そこから導き出される結論は、「検索エンジン」そのものの利用の減少です。

──────────────────────
■消えたユーザーはどこへ
──────────────────────

 それではユーザーはどこへ行ったのか。各種アプリSNSです。

 外出先でのオンライン状態を実現したスマホにより、ユーザーは出掛けたその場でネット情報をゲットできるようになりました。外食先を探す、家電を選ぶとき、「食べログ」や「価格コム」の「アプリ」を使えば、煩わしいニュースや素人ブログから取捨選択を迫られる「ググる」のような面倒はありません。芸能人ブログならアメブロのアプリ「Ameba」をインストールしておけばOK。

 「インスタグラム」を情報源とするユーザーも増えています。地名やランドマークにハッシュタグをつけて検索すれば、投稿された周辺情報に出会え、インスタグラムですからもれなく写真がついてくるからです。商品情報も同様で、すでに利用されているネット通販業者さんも多いのではないでしょうか。

 ググるからSNSへの流れは、スマホの普及だけではなく、検索結果そのものの信頼性が低下していることも理由です。SEOが一般化したことで、SEOに特化しているだけで、中身のないコンテンツが上位に表示されることも多くなっています。これを補うために、TwitterやFacebookで、その道のプロや専門家をフォローして「情報収集」するユーザーが増えています。

 それでも、冒頭に紹介した法則は「最強」のままです。広告はリスティングだけではないからです。ただし、「検索エンジン」がネットを支配した時代は終わりを告げ、混乱期へと突入しています。誰が勝者になるかはわかりませんが、リスクヘッジの基本は分散投資。TwitterやFacebookなどの広告も検討してみてはいかがでしょうか。


◆社長のための裏マニュアル
ネット広告も分散投資の時代へ


月刊 正論「ネットバスターズ」。大好評連載中!
http://seiron-sankei.com/recent

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
有限会社 アズモード 代表取締役
 宮脇 睦(みやわき あつし)
http://www.as-mode.com
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

トラックバック(0)

・このブログ記事を参照しているブログ一覧:

【第74回】わずか20%に激減したヤフーリスティング広告。お客はどこへ消えたのか


・このブログ記事に対するトラックバックURL:

http://www.scroll360.jp/mt/mt-tb.cgi/2300

Home > 通販支援Blog > EC運営 > 誰も語らない現場の経営論! > 【第74回】わずか20%に激減したヤフーリスティング広告。お客はどこへ消えたのか