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「上手くいっていない」ことを誰にも相談できない・・・・・自己啓発本には載っていない現場視点の「孤独な社長の裏マニュアル」です。

有限会社アズモード   代表取締役 宮脇 睦

【第73回】ポイントより基本。ネット客の性質を知れ

2017年02月20日|トラックバック(0)

POINT

『ポイントは絶対儲かる?』
『方丈記に思ふ』
『シン・ゴジラに巻き込まれない』
『ネット民の習性』

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■ポイントは絶対儲かる?
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 国内ショッピングモールの雄「楽天」が発表した2016年通期の連結決算は増収減益。一兆円の背中も見えてきた売り上げはさすがながら、減益理由には買収した各種海外事業の減損処理が大きく、とりわけ屋台骨を支えるEC事業の「ポイント」強化によるダメージは頭の痛い課題です。同じく「ヤフー」もポイント還元を手厚くして減益です。

 それではポイントは儲からないのか。そんなことはありません。この減益は楽天やヤフーと、ネットショップ(出店者)のそれぞれのビジネスモデルの違いによります。約10年前になりますが、今も連載する「Web担当者Forum」で、《ポイントは絶対儲かる金の卵。囲い込みだけじゃない大人の事情》という記事を寄稿し、基本的にはいまも変わりません。ただ、ポイントは万能ではなく、これからはより「基本」に沿った施策が重要になってくるということです。


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■方丈記に思ふ
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 先の記事の要旨はこんな感じ。

 《ポイントの原資はお客さまからの預かり金で、会計処理における「現金(実際の仕分けでは引当金など)」の出入りが先か後かだけで店の損はない。それでいてポイントはお客の囲い込みに使える。つまりお客のお金で販促しているようなもの。とりわけ楽天市場はテナントからの徴収した金で懐は痛まない。その内、一定のお客はポイントを使わないので「儲け」となる》

 あれから10年・・・と綾小路きみまろ風になってしまいましたが、ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらずと「方丈記」にあるように、ポイントを取り巻く状況も変わりつつあります。他のショッピングモールとの競争が激化し、モールそのものの集客力を高めるために、ショッピングモール自身が身銭を切ってポイントを提供することが常態化したことです。モールにとっても提供したポイントとは、会計処理でみれば「現金」と同義で、この持ち出しが増えれば、増収を達成しても減益するのは当然です。

 ネットショップ自身が提供するポイントは、いわば「値引きの後払い」で、客のお金を「前受け」しているのと同じです。だから、正しく利益計算した上で提供しているなら、その「囲い込み効果」は期待できます。


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■シン・ゴジラに巻き込まれない
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 平時ならば、将来の利益を期待できる「囲い込み」は安心できる営業戦略でした。とりわけモールが急成長する時代には、その成長に連動した売り上げも期待できたものです。しかし、既に述べたようにショッピングモールそのものが身銭を切ってポイントをバラマキ、アマゾンも加えた「シン・ゴジラ」レベルの巨大怪獣の巴戦の勝者はいまだ見えません。仮にAのモールに出店し、ポイントを提供し続けても、お客のトレンドがBやCに流れれば必然的に負け戦となります。

 ある程度の事業規模があるなら、二股三股でショッピングモールを天秤にかけるのが良いでしょう。これは一種の「外交」です。それぞれのモールもそれぞれの利益のために闘っているわけですから、こちらもそれぞれと等距離の関係を築いておくことで共倒れを避けることができます。

 10年前に比べれば、出店コストはべらぼうに安くなっており、小規模事業者でも複数のモールへの参戦も検討に値しますが、多店舗展開にかかる人件費を含めると必ずしも正解とは言えません。それよりも同じ人件費を投じるとして、お奨めするのが「基本」への回帰です。


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■ネット民の習性
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 突きつめた上で、大胆に要約すれば、商売の極意は「情報の非対称性」にあります。お客より店の方が商品や、それに付随する情報を知っているということです。食材なら調理法や保存法、装飾品ならメンテナンスなど。これをまとめたペーパーを添えて送る。実はこれ、ネット通販の普及期の「基本」でした。

 顔の見えないネット通販、とりわけ当時は海のものとも山のものともつかぬ「インターネット」に躊躇するお客は多く、信頼をどう勝ち取るかにネットショップ各社は腐心していました。そして辿り着いたのが「情報」の提供です。立派に印刷された案内より、手書きの原稿をコンビニでコピーしたような粗雑な「情報」に人肌のぬくもりを感じ、それが次の購入に繋がったという事例は枚挙に暇がありません。お客の知らない情報を提供することで、信頼と信用を勝ち取ったのです。

 実はこれにはカラクリがありました。そもそもネットを利用する人は「情報」を好みます。入手した情報を精査し、判断することを望みます。一方、いまでも一切、ネット通販を利用したことがない人は多く、彼らは「人」や「店」を好み信用するのです。つまり「甘党」にスイーツを提供するように、ネット通販の利用者=情報好きに「情報」を提供するのは理に適った基本だったです。

 「ポイント」も同じく情報です。しかし、ポイントは最終的に資本力のある強者が勝ちます。だから、小規模店はポイントという土俵に立ってはならないのです。また、お客のすべてが、必ずしもポイントになびくわけではありません。こうしたお客は、モールではなく店につきます。こうした「自分の店のお客」を一人でも増やすための基本のひとつが「情報」の提供です


◆社長のための裏マニュアル
ネットの利用者は情報好き


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有限会社 アズモード 代表取締役
 宮脇 睦(みやわき あつし)
http://www.as-mode.com
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