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「上手くいっていない」ことを誰にも相談できない・・・・・自己啓発本には載っていない現場視点の「孤独な社長の裏マニュアル」です。

有限会社アズモード   代表取締役 宮脇 睦

【第69回】脳科学的チラシとワケありブームが終わった理由

2016年06月27日|トラックバック(0)

POINT

『トンデモ科学の世界』
『店が潰れる心配も』
『脳科学の間違い』
『ホリエモンの人柄』

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■トンデモ科学の世界
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 テレビは危険だなぁとつぶやいたのが日本テレビ「上田晋也の超頭脳トレード」。著名人と専門家がタッグを組んで、諸問題を解決するという企画で、前知事の言葉(正しくはその弁護団、もとい第三者委員会)を借りるなら「違法ではないが一部不適切 」という策が次々と提示されていたのです。また「結論は正しいが過程が間違い」というトンデモ説も紹介されます。最たるものが「脳科学者」を自称する中野信子氏が、知見を駆使してスーパーマーケットのチラシ改善を目指す企画。自称としたのは「脳科学」という学問はないと、ウィキペディアが教えてくれるからです。

 店長のこだわりで仕入れた豆腐を売るために、脳科学の見地から「アンダードッグ効果」を提案。負け犬効果と呼ばれるもので、仕入れに失敗したとか、売れないと妻に叱られるといった言い訳を掲載しろとアドバイス。成功例として大学生協が大量に誤発注したプリンが完売した事例を紹介します。なんのことはない「泣き売」。映画「男はつらいよ」にも登場する「万年筆工場が倒産し、退職金代わりにもらった万年筆を売らないと生活ができない」と話を作り、客の情に訴える露天商の手口です。中野氏の提案は「ストーリー」を捻り出せというもので違法ではなくても不適切です。


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■店が潰れる心配も
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 白状すれば、販促の現場でこの手の「ストーリー」を作り出すことはよくあること。針小棒大で止めておくか、捏造や偽造まで手を染めるかは、人それぞれですが、ひとつだけ確実なことは、それは「秘密」ということ。テレビという公の電波で「創作」を明らかにすれば、店の信用を損ねること請け合いです。

 「泣き売=アンダードッグ効果」は、やり方次第で販促効果はあります。やり方とは「ストーリー」の必然性と信憑性です。生協における「プリン」は、「賞味期限」という、売り切らなければならない必然性があり、それが信憑性を生み出しました。時に多少の「創作」が加えられることから、私は「ストーリー」と呼ぶのですが、これがしっかり出来ていれば「売れる」ことは間違いありません。失敗への同情心もありますが、人は消費に理由=言い訳を求めているからです。もちろん、ネット通販にも通じます。

 数年前に訪れた「ワケありブーム」も同じ原理。モノは良いけどワケがあるので安く売るという「ストーリー」の勝利です。いまも有効の方法論ですが、すっかり下火になってしまったのは、猫も杓子も「ワケあり」を喧伝し、粗製濫造されたストーリーにお客が飽きたからです。ストーリーをしっかり作り込んでいれば、いまでも「ワケあり」は効果のあるアプローチです


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■脳科学の間違い
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 中野信子氏は、チラシの掲載点数の多さが、お客を遠ざけているのではないかと指摘。理由を「決定回避の法則」と説明します。23点掲載された紙面から、1点を選ぶということは、残り22点を「選ばない」というストレスを受けることとなり、それを避けるために「買わない」を選ぶというもの。チラシの場合、掲載点数が多いと「見にくい」紙面となることから、掲載点数の削減という結論は間違いではありませんが、その説明は明らかな間違いです。なぜなら「決定回避の法則」が発動するのは、スマホの買い換えやマイカー購入のように、ひとつしか選べない状況下だからです。複数購入が基本の食品スーパーのチラシに当てはまらず、無駄な商品ならば1円だって使いたくない主婦が、選ばないことにストレスなど感じはしません。

 一方、ネット通販で「決定回避の法則」は意識すべきです。バッグなどの装飾品で、多すぎるカラーバリエーションが離脱率を高めることがあるからです。バリエーションが多い商品やサービスは、アクセスログをチェックして、閲覧数と購入件数、そして離脱率のバランスを確認してみてください。


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■ホリエモンの人柄
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 番組には、かつてヒルズ族の雄とされたホリエモンこと堀江貴文氏も登場。「超頭脳を持つ経営者」として紹介され、自称グルメのお笑いコンビ「アンジャッシュ」の渡部建とタッグを組んで寿司屋の再生に挑みます。

 堀江氏の提案は「老舗寿司屋に似せた改装」。すでに売れているサイトやサービスを真似てみることで、お客が好む理由が分かることがあります。グローバルメニューの配置、フォントの選択、配色など、いわば「書き取り」のようになぞることで、その理由に辿り着けることがあるのです。だからWeb業界では良くある話し。ただし、似せているとは口が裂けても言ってはなりません。著作権などに触れる可能性があるからです。まして店舗の内外装の類似性は、民事訴訟に発展することもあり、この手口を公でつまびらかにすることは「泣き売」と同じく「違法ではないが不適切」。堀江氏は旧ライブドアの経営者時代から、この「手口」を繰り返しており、出所後に手がけたトークアプリ「755」は「LINE」そっくりという指摘もあり、彼らしいといってしまえばそれまでですが。

 なお、このスーパーマーケット、番組終了から数日後、心配になって見に行きましたが、無事、営業していたのでホッとしました。そして「超頭脳」なアドバイスのチラシが、翌週には元通りになっていたことをFacebookで確認します。


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