【第8回】楽天市場出店時のコストと費用対効果の商売的基本考察
POINT
『宗教のような世界』
『創業者が大嫌いだという伝道師』
『楽天宣伝本の虚構』
『商売の成功方程式』
『長い目で見てこその商売』
『楽天市場のコストを知っておく』
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■宗教のような世界
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ご奇特な方はピンと来たかも知れませんが、今回のタイトルは「セカンドシーズン」の最終回の後書きに記したものです。アイシャルリターンから3ヶ月以上経ち、いよいよ取り上げます。
儲けるとは「信者」と書きます。
行列のできるラーメン店は毎日通う信者が支えており、彼らは布教活動にも余念がありません。
ラーメンの美味しさ、店主のコダワリ、時には生い立ちを熱弁し啓蒙します。
昔とある新興宗教団体に誘われたことがあります。とても優しい会社の先輩で心が動かされ入信しかけたとき知人にこういわれました。
「宗教やっている人はみんな優しい」
自分が信じているものに奉じているので優しいのは当たり前といいます。
信者はみな優しいのです。以来、理由もなく優しい人には距離を置くことにしています。
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■創業者が大嫌いだという伝道師
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セカンドシーズンで「楽天信者」の話しを紹介しましたが、彼は「SEOなどは全て楽天がやってくれる」といいます。この「ネタ」はIT業界人が大爆笑する「鉄板ネタ」として活用させていただいております。しかし、楽天市場に出展する際は相談してくださいと、胸を張って語られれば「楽天市場すら知らないEC(電子商取引)素人」がその優しい言葉に感激しても仕方がありません。
別の例を紹介します。楽天市場の宣伝マン、というより伝道師のようなITコンサルタントは創業者が嫌いだとある編集者に漏らしたといいます。しかし、商売だから仕方がないと。コンサルタントは自身も市場に出店しており、随分「大人」だなぁと私は呟きます。
ここで疑問が浮かびます。楽天市場は商売人がしのぎを削る戦場です。どうしてライバルの参入と同義となる布教活動をするのでしょうか。
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■楽天宣伝本の虚構
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前述のコンサルタントは著書で「メルマガ」について否定的な章を立てていました。注意して読むと条件をつけてエスケープ(いいわけ)を用意していることに気がつきます。また、メルマガは読者数が少なければ労力に見合わないツールと前置きしておき、さらに「(メルマガの)読者が100人増えても200人減れば意味がない」と切り捨てます。
しかしこれは実情に即さない試算で、100人単位の読者減少は相応の読者数があるから起こることで、逆に200人減るほどの読者を持っていれば「販促パワー」を体感しておりメルマガを否定できる訳がありません。そして章を変え楽天の公式メルマガだけは褒めちぎります。
楽天信者や伝道師はこういいます「出店者が増えればより集客力を増し共存共栄」。しかし、戦場は強者に優しく弱者に救いはありません。布教活動で積み上げられた集客力を、「成功者」達がさらうイメージが浮かびます。
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■商売の成功方程式
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ここからは宗教ではなく商売の話しです。
「売価 ー 仕入れ値(原価) = 粗利」。
この売価に客数をかけたのが売上高で利益と比例します。ここまでは商売未経験でもご理解いただけることでしょう。商売で重要な式はこっちです。
「販管費÷顧客数=顧客獲得コスト」
販管費とは販売管理費の略で、広告宣伝や割引チケット、特典にサービスなどです。販管費を用いてゲットした顧客数で割ったのが顧客獲得コストで、これにはリピーターと新規の2種類あり販管費
が異なります。
リピーターはいわゆる常連客や既存客で販管費をぐっと抑えることができます。契約方法や仕掛けによりゼロに近づけることが可能です。一方の新規は常にゼロの状態から集めなければならず、このコストをどれだけ下げるかが商売の肝といえます。
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■長い目で見てこその商売
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新規顧客獲得コストがマイナスになることもあります。最たる例が「携帯電話」で、この夏の話題をさらったソフトバンクから発売されたアップル社の「iPhone3G」には1台あたり4万円強をソフトバンクが補填しているともいわれています。これだけに絞っても1台売るごとに4万円の新規顧客獲得コストが発生しています。発売3日で100万台ともいわれており40億円の持ち出しです。
これを可能にするのが「生涯獲得利益」という考え方で、式にするとこうなります。
「顧客獲得コスト+(取引あたりの利益?販管費)×年数(期間)=生涯獲得利益」
携帯電話なら解約するまで月々の利用料から得られる利益の総計です。iPhone3Gの場合、指定のサービスへの加入が必要で、端末は2年間の分割払いとなっております。この場合の契約後の販管
費はおおよそ0円ですから、月々の利用料が利益となります。2年以上利用時の生涯獲得利益が新規顧客獲得コストを上回ればOKということです。
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■楽天市場のコストを知っておく
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楽天市場をみてみましょう。オークションにメルマガ、バナー広告などが販管費となります。前述のコンサルタントはこれを「コスト」と呼び、もちろん、その通りです。ところが楽天市場ではその他のコストもかかります。俗に言う「楽天税」です。
楽天税とはシステム利用料を揶揄する言葉で、売上の2%?6.5%に楽天市場内で使用できる「ポイント」も売上から店側が1%支払います。その他に「楽天カード」以外での決済なら3.6%を支払い最大11.1%の費用がかかります。これに販管費(広告費)です。
iPhone3Gのソフトバンクも「4万円」という新規顧客獲得コストの負担も、その後の販管費をゼロにすることで埋め合わせますが、楽天市場の場合「常連さん」との取引でも「税」というコストが発生します。原油高の高騰が庶民の生活を圧迫しているとメディアは報じます。しかし、同時に商売人も仕入れ値の高騰に泣き、自助努力として「経費削減」に努めます。そこに「売れるごとにかかるコスト」が加味されます。
優しい言葉で誘われても電卓をたたいてください。うまい話は優しい顔で近づいてきます。
今回の金言
「ショッピングモールでの経費削減には限界があると覚悟せよ」
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